文献名1浪の音
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3朝の神夢よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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データ最終更新日2024-10-31 06:24:00
ページ387
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OBC B120900c72
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本文
山陰の五月の空は晴れ曇り常なく山野に雲たれこむる
加露ケ浜うち寄す波の音たかく夏の短夜さへも眠れず
うつらうつら眠りにつきし朝明をわれ珍らしき神夢みたりき
朝の空ほのぼのてらし天津日はさみだれの空に白くかがよふ(夢)
穹天に昇り給ひし太陽は澄子の腹に入りたまひけり(夢)
目覚むれば東の空はほのぼのと明けそめにつつ海鳥の声
海鳥の声かしましく加露ケ浜のあしたをなきて波の音高し
この時ゆ三代直日は宿りけむ澄子はそろそろむかつき初めたり
橋津の舟酔
四日目のあしたを磯ばた伝ひつつ橋津の宿に夕べをつきたり
この宿も鰯と烏賊にせめられて野菜のなきを淋しみにけり
朝明の海の面みれば波なぎぬ宿の主人に舟をたのめり
橋津より小舟をやとひ漕ぎいだす日本海の波は高しも
わが舟は前後左右にさゆれつつ舟よひ気分に苦しみにけり
われひとり舟酔しらず波の上を神歌うたひつ三保の関に向ふ
洋洋と打ち寄す波の上を行く五月の旅は肌寒かりけり
のたりのたり大浪よする海の面に吾回天の事業を思へり
赤崎の岬は左手の波の穂にこんもり浮きて海は霞めり
浪の穂に舞ひつ踊りつ吾舟は三保ケ関へとひたに進めり
三保神社
黄昏をやうやく三保の関につき神の御前に礼言宣る
帆柱の林立したる三保の関は管絃の音どよめきにけり
三保の関みなとに船頭舟はてて酒と女にくるふ夏の夜
三保神社御前に祝詞奏上し汽船にのりて杵築に向ふ
宍道湖
中の海大橋川をのりこえて松江の宿に一夜を宿せり
大橋のたもとの旅館に一行は旅の疲れをつばらにやすらふ
宍道湖を舟にわたりて出雲なる平田の港に上陸をなす
珍らしき松生ふ丘を縫ひながら吾憧憬の大社に向へり