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文献名1出口王仁三郎全集 第2巻 宗教・教育編
文献名2【宗教編】第1篇 既成宗教よみ(新仮名遣い)
文献名3第6章 現代には一つも宗教無しよみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考2023/10/02校正。
タグ データ凡例 データ最終更新日2023-10-02 12:13:49
ページ24 目次メモ
OBC B121802c107
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本文 一、宗教の起原に就いては古今東西の学者の間に種々の所説がある。
 その一は、啓示説で、神様が直接に選まれたる人間の心に啓示されて、茲に宗教が生れたと曰ひ、
 その二は、天賦説で、人間には神から賦与された宗教心と曰ふ特能力があると唱へ、
 その三は、詭計説で、宗教とは治者が民を化するために構へた方便に過ぎないと説き、
 その四は、恐怖説で、世界に於ける最初の神は恐怖心の作れるものと見做す説あり。
 その五は、恐怖心と希望心との二元説で、人間は恐怖を感ずるがままに外界に恐るべき力の存するを思ひ、これに信頼し以て己を利し得べしとの希望を抱いたと推測し、亦恐怖の情は唯これが希望を起さしめ、祈禱をささげしめる故にのみ宗教発生の原因を為したと称し、
 その六は、利己説で、利己心を以て宗教の起原となし、人間は利己心を外に投影し、以て外界におのが欲望を充すべき不可思議の力ありと思ひて、これを神と斎くと解し、
 その七は、知力説で、原始人は生死の別を怪しみて想像を廻らし、人に生気あり、諸処を彷徨し、万象は皆この生気に充ちて人の運命は生気の司るところと思考したのが宗教意識の起原であつて、万象に生気の宿れるを信じ、これに仕へこれを宥めようと企て終に宗教が生れたと説き、
 その八は、無限説で、人間は有限なりとの観念は同時に彼岸なる無限を予想してこそ存し得るなれ。この無限をあこがれる思慕が宗教意識の芽ばえで、この憧憬は有形より無形へ、感覚より心意へと馳せ、遂に宗教となつて現はれたものと解し、亦宗教の起原は我の裡に無限を有すとの思惟に基くと唱へてゐる。
 その九は、衝突説で、人間には理想我と、実現我との争闘たえず、有限界を脱して無限界に帰せむとするの初一念があり、この体験より救ひと云ふ宗教意識が生れたと説き、
 その十は、良心説で、良心とは聖なる実在者より人心にひびく声である。無上絶対命令に服従すべき義務より宗教が生れたと唱へ、
 その十一は、想像説で、良心声聞の神を思考し、無限と云ふ観念を抱くのも理想世界を憧がれるのも皆想像作用の所産であると曰ひ、亦呪咀と悪魔との想像より宗教の萠芽なる神話が生れたと述べ、
 その十二は、絶対憑依説で、絶対憑依の感が宗教の起原で、敬虔とは外界の力が働くために我が裡に湧き出づる感情だと説くものもある。何れも皆その正鵠を捕へたものとは謂はれないのである。
一、惟神の道を宣布しつつある吾人をして曰はしむれば、宗教なるものは、人間のこの地上に発生せし時に於て既に已に宗教なるものは生れてゐるのである。人間には知情意の三霊が存する以上、その内分的活動は絶えず宗教心となつて現るべきものである。神が人間に愛善の心、信真の心を与え玉うたのは、現実界のみの為でなく、神霊界に永遠無窮に生活せしめむが為の御経綸である。故に宗教は現代の政治や倫理や哲学の範囲内に納まる様なそんな浮薄軽佻なものでは無く、人間の真生命の源泉であつて、人間は宗教に由つて安息し、立命し、活躍し得るものである。如何なる無宗教家を以て自任する者と雖も、スワ一大事と云ふ場合にならば必ず合掌し、天の一方を拝して其の苦難を免れむとするに至るものである。国家も国境も人種も政治も倫理も超越して、真の生命に活きむとするのは宗教を於いて天下何物か在らむやである。現代の宗教は政治の一部として取扱はれ天来の権威も、信用も全然地を払ひ、纔にその余喘を保つてゐるに過ぎない。実際のことを言へば今日の世の中には宗教らしき宗教は皆無である。遠くの昔に宗教の生霊は死滅し了つて、その残骸が残つてゐるだけである。有害無益の厄介物となつて了つたのである。故に惟神の聖教を説く所の宗教は、俗悪極まる政治の一部として監督せられなくてはならなく成つたのである。吾人の唱ふる宗教なるものは、天地惟神の聖意のままに愛善と信真の発達に向かつて進むのであるから、凡てに超然として立つてゐるのである。政治や倫理などは実は宗教の一部分の活用に過ぎないのである。アア真の宗教の光は東方より輝き初めたり。凡ての人間は本然の誠、即ち惟神の大精神に立復り、現界に於ける最善を尽し、而して後、天国永遠の大生命に入り、太元神の大意志に叶ひまつり、人としての本分を尽し、容易に会ひ難き人生をして酔生夢死に終らしむることなきを希はねばならぬのである。
 要するに宗教なるものは、政治でも、哲学でも、倫理でもなく、人間の真性の発露であつて、大根本の意識であり、人生本来の聖糧である。故に天下一人として、宗教心の無いものは無い筈だ。無宗教者と自ら謂つてゐる人々にも、形骸的の宗教は無いとしても心の奥には歴然として宗教心が輝いてゐるものである。人間本来の精神に吻合するものでなくては、宗教の名を付するは少し許り僭越である。故に曰く、現代には一つも宗教なしと。
(大正一四、一○、八号 神の国誌)
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