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文献名1出口王仁三郎全集 第7巻 歌集
文献名2巻下よみ(新仮名遣い)
文献名3道歌よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-05-31 17:18:11
ページ503 目次メモ
OBC B121807c10
本文のヒット件数全 1 件/葦原の中津御国=1
本文の文字数11889
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本文    無二の教
二つ無きこれの教は天津日のいや高光るごとくさやけし

   神心
いつはりの心あらじと思ふその心はやがて神にぞありける

   戒言
報いこそ由由しかりけれ身のために人の曲事人に語らじ

   神前
此処ばかり神の御前と勿思ひそ何処も神のいます大前

   神眼
越えやすき人目の関も神の目の関路はかたくゆるさざるらむ

   斯道
いにしへより説ける教は多けれどまことの神の教旨はこの教

   除罪
なにごとも神の御教にまかすこそ罪を清むるたよりなりけれ

   言代主
言代の神の命の一言に世のことごとは解きさばきける

   保食の神
豊受の神のめぐみに食物と衣物のたねは生り出でにける

   神恩
西東南も北も天地も吾が身も神のふところにあり

   直日神
知らずしてをかせる罪を詔り直し聞きなほします直日の大神

   皇道
この道は天照る神の道なれば踏み行く人に光つき添ふ

   暗黒
路にまよふ人のこころは天津日の誠の光知らぬ為なる

   偽宗
ふたたびもよみがへり来て世のをはり救ふと謂へる虚言の謎

   宝主
身の宝光らすこともしらずして朽つる宝を法師がりぞする

   無頼徒
家やぶる人は心も荒れはてて服装ばかりを揺りたかぶる

   神人
日本魂みがきすまして世をすくふ人は誠の神にぞありける

   大志
志望たかくひろけく持つときは天にものぼる人となりなむ

   神船
いすくはし教の船に乗せられて高天の原へのぼるまめひと

   神の望
幸うすく果敢なき世ぞと思ふ世に望みかかへて神のいませる

   外教
博愛を口には言へど耶蘇教は他宗を見れば憎みあらそふ

   不信者
国をわすれ神の大道にさからひて根底の国をひらく人かな

   蒼生
人草を大御宝ととなふるも天津御神の御子なればなり

   尽誠
ふたたびは生れがたなき現身の命ある間まことつくせよ

   漢聖
いにしへの漢の物識いたづらに世人の心をねぢけさせたり

   産霊
産霊とはよろづのものの生れいづる本つ御神の御魂の力よ

   正欲
名も位も命も富も皇神は人の所業によりてたまはむ

   厭世心
言霊の幸はふ国に生れ来てくやみなげくはしこの逆道

   大本教
羅馬なる法の王も大本のをしへを聞かば衣捨てなむ

   松の心
醜草を薙ぎてはふりて神国の日本魂の松の種蒔け

   神苑の白藤
み熊野の神の御苑に白藤のさかえ待ちます厳の大神

   産屋
誘諾の神の命のいさをしは千五百産屋を見建てたまへる

   泣沢女神
泣沢女神の御言の泣辞に葬りのくやみはじまりにけむ

   八千矛神
八千矛の神のすさびのなかりせば醜の異草如何でかれなむ

   猿田彦神
猿田彦の神のみちびき幸くしてわが大本の道はひろまる

   千憑彦命
奇魂千憑彦なる大神はまことのさとりひらきたまへる

   世思
夜もすがら寝られざりけり世のひとの救ひの道を思ひうかベて

   神境
八百萬神のつどへる大本をいつもきよめよ朝なゆふなに

   真理
外国の空にもとむな大本のまことの教理我国にあり

   神恵
はじめてぞ神のめぐみの知られけり苦しき坂を登り終せて

   神国
日の出づる本つ神国は天の下の四方のくにぐに知らす祖国

   良民
道のため御国のために真心をつくすは人のつとめとぞ思ふ

   邪神
世のなかの人の耳目をふさぎつつ誠の教にさやる曲津霊

   国法
ときどきの国の法度もときどきの神の御教ぞゆめな違ひそ

   奉道
命まで道にささぐる心あらば如何なることも叶はざらめや

   知識
久恵彦の足は行かねど天の下世のことごとは覚りましけり

(以上四十六首 大正二年十月)

   祭祀(二首)
かみがみの恩頼にむくいむと御祭するは御代の国風
皇神の恩頼にむくいむと真ごころかけて斎く斎庭

   教(二首)
釈迦孔子も覚り得ざりし神言を覚すは大本の教なりけり
教とは人の覚りのおよばざる天地の神の言葉なりけり

   慣(二首)
天地の正しき道を踏みしめて歓ぎむつまひ御代に仕へむ
天地の神の習ひて玉鉾の道ふみ行くは人のまさわざ

   造
世の中はおのもおのもの家業を勤めはげみて栄えこそすれ

   学則三条
大本の教の奥所をまつぶさに説き示さむと選りし此学則

   信条
まめ人の進まむ道のたよりにもなれよと選りし此の信条

   神祖
ひと活力体因出燃地成弥凝足諸血夜出の神の御偉業

   天祖
皇御孫の御子にさづけし神宝は千代萬代の鏡なりけり

   国祖
海月如すただよふ国をつきかため治めたまひし常立の神

   臣
大君の勅命かしこみ国民をいつくしむこそ臣の道なる

   民
君のため国の為めには何者も捨つるは民の務めなりけり

   医師
病悩の身を天地にいのるとも夢現世の薬師わすれな

   薬物
人皆の身の病症ををさめむと少彦名の選りし神薬

   浴湯
大己貴少彦名のあらはしし温泉の験は神のたまもの

   皇祖
虚空みつ大和国の橿原に日嗣の基ひらきたまへり

   祈祷
君の為め国のためには真心をかけて祈るぞ人の道なる

   祓戸
祓戸の神の坐さずば許許多久の罪やけがれの如何ではらへむ

   鎮魂
玉鏡剣に魂をとりかけて天津日継を依さす鎮魂

   帰神
いすくはし人の魂に霊幸ふ神の懸らせたまふたふとさ

   天神
天津神天地日月つくり了へ萬のものをまもりますかも

   地祇
あしびきの山野海川へだてなくまもらせたまふ国津神等

   幽冥主神
幽事知食します大神は綾の高天に現れましにけり

   高天原
神神の集ひまします日の本は高天原の真中なりけり

   国魂の神
くにぐにの神の政を知食す生国魂の御勲功しるきも

   産土神
産土の神の御前におのもおのも御栄えいのる神国の民

   氏神
氏神は祖先の霊と知らずして蕃神いつく人の多かり

   開祖
千早振る神の出口の道ひらく教祖の御稜威たふとき

   教主
霊幸ふ神の御言をかしこみて世の大本の道を立て行く

   宣伝使
神国のそぎたつかぎり経廻りて道をひらくはつとめなりける

   教徒
大本のまことの教にまつろひて蕃神祭り捨てしまめひと

   信徒
二つなき神の教を信なひて世の大本の道に入りたる

   恩頼
善きことを為すも思ふもたちまちに神の恩頼をかかぶる

   人徳
人人を恵みうやまひ世をさとす人の行為は神にぞありける

   国教
天照神のをしへは神国の人のふむべき大道なりけり

   神教
人皆の夢にもしらぬ幽事をさとすは神のをしへなりけり

   仏教
現世を厭ふ教はさかえ行く神の御国にそぐはじとおもふ

   儒教
さへづるやからの教をあやまりて世人の心悪しくなり行く

   耶蘇教
外国の耶蘇の教もよけれども御国は御国の教ありと知れ

   淫祠
ものみなの長と生れしひとびとの御魂降ちて狐狸を祀るも

   霊学
かむながら道の奥処に別け入れば己がこころの愧かしきかな

   命
身体のたふとき人をあがめてぞ体異体別と謂へる国風

   神殿
神殿に神はまさねど人びとの斎かむたびに天降りますかも

   外邦
異邦も天津御神のまもります美し御国ぞさげすむなゆめ

   説教
まごころを篭めて御教を説く舌の劒にほろぶ曲津霊の神

   改式
霊幸ふ神の大道にかへせかし祖のいつきし蕃神の式

   霊祭
祖祖の伊豆の魂を春秋に斎きつかふる神国の美智

   幽の幽
声も無くかたちも無くてかぎり無き力みたまの御坐す大神

   幽の顕
大日呂女神素盞嗚の二柱かくれて顕世照らしたまへり

   顕の幽
現世を御子にささげて幽冥の主宰といます大国主神

   顕の顕
高ひかる現津御神と大八島国しろしめす皇大神

   直霊
天津神さづけたまひし四つの魂統てをさむる直日の霊

   荒魂
耐へ忍びつとめはげみて勇ましくすすむは人の荒魂かも

   和魂
千早振る神と人とにやはらぎて睦びまじはる和魂かも

   奇魂
奇魂智慧のひかりは村肝のこころの暗を照りあかすなり

   幸魂
幸魂めぐみの露の深くして草の片葉も栄えざるなし

   大精神
ひさかたの天津御神のみこころは人の魂の基なりけり

   小精神
肝向ふ人のこころは天地の神のまにまに動きこそすれ

   名
ひさかたの雲井に高く名を揚げて世人をすくふ人は神なる

   位
雲井なす高き位にのぼるとも下いつくしむ道をわすれな

   寿
玉きはる人の命はかぎりあれど一日もがもと祈る真心

   富
望月の虧けたることの無き人は足らはぬ人を慈しむベき

   忠
大君の詔勅のままにいそしみて御国富ますは民の義務

   孝
足乳根の親の名までも世に舉げて身を立つるこそ子の務なる

   省
省る心しあらばすさび来る八十の曲津もほろび行くべし

   恥
恥づること知らずば人とあらそひて獣にちかき挙動なすなり

   悔
過失をくいる心しかたければ天の下には悪むものなし

   畏
畏るてふ真ごころあらば道ならぬ人妻めづる逆事も無し

   学
大本のまことの道のさとれざる異邦の教はすべて狂へる

   曲霊
天津神依さしたまひし真心もかへりみせずば曲霊となる

   争
勇ましくことは為すとも恥づる事知らずば遂に争ひとなる

   悪
よし人に親しむとてもくいること知らずば遂に人に悪まる

   逆
人を愛でいつくしむとも天地に畏るる無くば道に逆らふ

   狂
物学び智慧を研くはよけれども覚りし無くは狂ひこそすれ

   罪悪
形ある宝に眼眩みなば罪にけがれし身とぞなり行く

   善事
善き事の充ち足ひたる世の中に善事為すは容易かりけり

   悪語
あぢけなき舌の劒や大砲は萬のあだをまねきあつむる

   生
美はしき御代に生れし嬉しさを夢な忘れそ神の御子等

   復活
身体はよし死るとも霊魂は幾千代迄も生きて栄ゆる

   生成化育
世の中の開けすすみて栄行くは天津御神の心なりけり

   夫
家のこと妻に委せて世のために尽すは夫の誠なりけり

   妻
家の内治めまもりて脊の君の心いやさむ妻ぞ賢き

   子
人の子と生れしものは身を修め道を守りて親を顕はせ

   誠
誠ある人の誠の行為は砕けてもなほ芳ばしきかな

   祭祖
遠津神代代の祖等いつかずば人も獣とかはらざるべし

   寿詞
天地も家もわが身も人の身も清めきよむる神のほぎごと

   生命
たまきはる人のいのちは天地の神のまにまに保ちこそすれ

   戒慎
罪穢れ過失せじと朝夕にいのるは人のまことなりける

   邪神
心魂の曇りし人にもろもろの曲霊うつりて世人まどはす

   神神
神と謂へば皆かしこしと思ふらむ鬼大蛇あり曲津霊もあり

   研心
曇りなきまでに身魂を研かむと朝な夕なに神業いそしむ

   心魂
吾が魂汚きことを知りながら研くともせぬ浅間しさかも

   神宮
神風の伊勢の大宮千木高く国の栄えをまもりますかも

   教旨
大本の神のをしへの言の葉はすベての人の薬ともなれ

   二葉
二葉より芳ばしきかな世の中の幹となり行く人の言の葉

   基督
よみがへる力しあらば何ゆゑに十字の架に身をや捨てたる

   鎮魂
鎮魂の尊き御業知らずして加持祈祷に迷ひこそすれ

(以上九十九首 大正七年三月)

    ○

血をわけし兄弟よりもしたしきは神の大道をあゆむ朋垣
寝いるまも人の身にそひ家に添ひ心にそひて守る氏神
曲事も善事も恐れつつしみて誠をはげめ神の御子たち
二心無しと思へど蕃神いつく人は神国の仇にぞありける
女女しくも言訳なしそ何事も神の敏き目に洩るるなければ
敷島の日本ごころは白梅の朝日に匂ふごとくなるらむ
背にはらは替へられぬとて世の人の偽りするは外国のならはし
石の上古事記は高光る天津日継のしるべなりけり
千早振る神の本宮たづぬればあやとにしきの機織れる里
ゑらゑらに笑ぎ賑はふかどぐちは宝のふねの港なりけり
たにだにの小川の水も末つひに流れ合はして海となりゆく
霊学をまなぶは良けれ吾が心洗ひ清めしその上にせよ
根の国におち行く身魂あはれませ直日の神は現れましにけむ
異国より来たる邪神にあこがれて誠の親に遠ざかり行く
奇魂智慧のかがみの明ければ来る世のことも写るなりけり
やほよろづ神ある中に常立の神は御国の本つ大神
汚さじと釜火清めよかまの火の汚れしときに禍起るもの
易見して人の禍福を説きながら己が住処もなき暮すなり
百取の上に神酒神饌を置きたらはして神を慰むる

(以上十九首 大正二年一月)

    ○

煎豆に花咲くためしあるものを誠の道の開けざらめや
論よりも実をおこなへ似而非学者国の大事を前にひかへて
睨まれて睨み返すは人ごころ笑うてかへすは神ごころなる
謙遜り人にゆづるは神の子の高天原へのぼる階段
何事もかみのをしへにまかすこそ人の誠のこころなりけり
武蔵野にさきほこりたる桜より下津岩根の白うめの花
喉元をすぐればあつさ忘るなる人のこころのたよりなきかな
汚れたるひとの身魂をよろこびて集ひくるなり曲津神ども
こころのみ誠のみちにかなふともおこなひせずば神は守らじ
照妙の綾部の里に錦織る人はまことのかみのみはしら
眼に見えぬ心の鬼を言向けてひとり慎め神の御子たち
身はよしや虎伏す野辺に果つるとも御国のために命惜まず
エスのみち仏の法も詳細にかみしめて見よ良き節のあり

(以上十三首 大正七年七月)

    ○

むつかしき議論は神の忌みたまふ平易なるこそ神の大道
袈裟を着てたたく木魚の音聞けば腹鼓打つ野狸のこゑ
心のみ誠の道にかなひつつ身の行ひの出来ぬ人あり
攻め来る仇にもおぢず泰然と大道を進む人ぞ神なる

(以上四首 大正十五年七月)

    ○

この道はいと入りやすく説きやすく歩みやすきは神の御心
君の為め御国の為めに尽す身を世人は知らで悪ざまに言ふ
神許しなき事業は如何に栄ゆとも九分九厘にて破るると知れ
召し出され現世のさまを詳細に名告らむ時を松の世の吾
身も魂も神に捧げしわれながら暑さ寒さに悩まされつつ

(以上五首 大正十五年八月)

    ○

隔てなき日光の下に住みながら別け隔てする世人ごころよ
瑠璃光如来東の国に顕れまして曇りたる世を照らさせたまふ
わくらわに犯せし罪やあやまちを宣り直し坐す瑞の大神
霊顕の現はれさうな筈は無し錠をおろして祭りたる神
願はくば一日も長く活き延びて世のため道のために尽さむ
幾千代も霊の生命をながらへて天津御国の花と栄えむ
末の世と人は歎けど道を行くわれには五六七の神世なりけり

(以上七首 大正十五年九月)

    ○

春の花秋の紅葉の妙なるも神のすさびの錦なりけり
累卵の危ふき国をすくはむと世に伊都能売の神の出でまし
世の中は善言美辞の神嘉言措きては外に貴きものなし
なまなかに御教を伝ふる人びとの舌の剣に世を破るなり
いそのかみ古き神代の有様をつぶさに語る三五の聖典
苦しみも亦たのもしく思はるる神の大道を歩む身にして
朝日さす高熊山に来て見れば世を警しむる松かぜの音

(以上七首 大正十五年十月)

    ○

露の身の命ささげてあめつちの神につかふる身こそ幸なれ
八洲国のこるくまなく天地の道つたへ行く神の御使
牢獄にたたき込まれし束の間も神に離れず道をわすれず
古の百の聖者も悟り得ぬまことの御教世に出でにけり

(以上四首 昭和三年二月)

    ○

天地のひろきが中にただ一人さびしく立ちてわれ世を思ふ
古のかくれし神を世にあげて国ををさむる御子よあれませ
産土の神の御魂をあらはして御国をまもる大本の教
海よりも深きめぐみに報いむと朝な夕なに大道を宣る
美はしき神の御国に生れきて神いつかざる曲ぞゆゆしき
大本の神のつかひとまけられて道伝へ行く人のたふとさ
治まれる世に大本の神の子はみづから造る天国の苑
岸を打つ波の音にも魂をこめてし聞けば神の声あり
奇魂曾富騰の神とあらはれて世をあかし行く伊都能売のたま
くらやみの世界を照らす一つ火は伊都能売神の光なりけり
袈裟衣美美しくつけて曲神が神の御国をくもらせて居り
栄えゆく神の御国に生れ来てほろびの道をたどる曲神
醜みたま吾が大本をけがさむと善の仮面をかぶりしのび来
注連縄をはりまはしつつ神徳を隠さむとする曲世なりけり
◎になりてすみきりたまふ主の神の内流つたふる瑞の御魂
すなほなる人の霊魂は主の神のまことの永久の棲処なるべし
そむきたる人の身魂も捨てずして高天に救ふ伊都能売の教
たまちはふ神の御舟にさをさして彼岸にわたれ神の御子たち
敵といふものは此の世にあらさらむ人類愛の道あゆむ身に
為すことは山程あれど人の身の小さき力詮術もなき
人形を床にかざりて朝夕に子供心にならむと思ふ
濡れてから衣を乾すより濡れぬ間に傘さしかざし広き道ゆけ
ねむごろに愛善の道ひらきゆく吾が大本は世のひかりなり
ねぎごとは数多あれどもわれはただ御代の平和を祈るのみなる
張りさくる胸のなやみを押へつつわれは三十年道につくせし
身も魂も神のたまひしものなればわれ瞬間もゆるがせにせず
無間地獄暗の浮世にそだちたる人の大方盲目なるかも
武蔵野の芒の果てに吾が魂は月とかがよふ夢見たりけり
目に見えぬ神にませども魂の光れる目にはおごそかにます
百舌雀山雀あまたあつまりて教の林にことさやぐなり
よし人は如何に議るもうらむまじわれは誠の道たどるのみ
隆隆と朝日ののぼるごとくなり吾がひらきたる大本の道
吾が思ふこころの半分成るならばこの地の上は安けからまし
いにしへも今もかはらぬ月のかげ星の光はこころの友なり
憂きことは数かずあれど霊幸ふ神の恵みに安く過ぐなり
産土の神に夜な夜なまゐまうで吾神国の道をさとりぬ
思ひ思ひ一つの業をなすときはその本体は破るると知れ

(以上三十七首 昭和三年九月)

    ○

親も子もそろひて道に仕へむと思ふは永きねがひなりけり

(大正二年十月)

    ○

言霊の天照る国のたふとさは神の御声を居ながらに聞く
千早振る神代ながらの神業に仕へて神の御子とならばや
鎮魂斯の神術は上つ代の神のひらきし肇国の道
千萬の神の功績は人ぐさを神のかたちに造りたまへる
海川も山野草木もおしなべて国常立の神の身魂ぞ
世の中のすべては神の御手にあり人の生命もみこころのまま
濁りにごり曇りくもりて天地の神を汚せる世こそゆゆしき
大本は世に先だちて一切を世びとに示す神の聖団
天津日も只一つなり地の上も一つの君の治召す神国
言霊の助け天照る日の本はすべての国の祖国なりけり
霊幸ふ神の教の広ければ狭き心の如何で悟り得む
神柱八十綱かけて引き寄せむ備前備中大和国国
天地の御祖の神の生れますも国の祖国なればなるべし
てるたへの綾部の里はかしこくも神の本宮国の真秀良場
葦原のみづほの国とは地の名なり中津御国は日の本のくに
天地の神にかはりて世をひらく人は誠の神に通へる
使ふべき人や遺つるとたにぐくのさ渡る極み求ぎつ求めつ
むらぎもの心を千千に砕くなり世を清めむと思ふばかりに
世をおもふ御神の心知らずして月雪花に狂ふ御子たち
人草のこころの空の晴れぬれば日本も唐も一つとぞなる
厳の御魂瑞の御魂の誓約より人の肉体生り出でしとふ
大本をみだす邪神は大本の内部にひそめる偽信者なる
神の世の審判に今やあふ坂の人は知らずに日を送りつつ
むづかしき道とおもふな大本はすべての人の通る大道
柱木にせむとおもへど高山は風にもまれて下木のみなる
丹波路の奥に一本真木はしら在りと聞きしゆ求ぎて吾が来つ
うつせみの世をあらたむる真木柱は厳と瑞との霊魂なりけり
二はしらやうやく立ちて千萬のその副ばしら今も集めつ
立替ははしらばかりか桁も要る板も瓦も土台の石も
百千の災一度に来るともおどろくなかれ神にある身は
集り来たる人のかずかず大本を教へさとして御柱とせむ
筆先に示したまへる教言はみな天地のかがみなりける

(以上三十二首 大正七年五月)

    ○

鳥けもの草の片葉にいたるまで神の御魂のこもらぬはなき
まのあたりこの世の終りいたるまでに改へて置きたし人のこころを
大三災小三災の頻発も人のこころの反映なりけり
いすくはしノアの方舟また一つ新たに現れしナオの方舟
西東南も北も天地も担ひて立たすかみの御はしら
火は水をやすやす動かし火は水の力によりてひかりかがやく
天地の神の気吹きのなかりせば四方の雲霧散らむ時なし
日の本も外国も天竺も押並べて国常立の神世となるべし
髪の毛をおろそかにすな一筋も天と地との魂のかけ橋
日の神は左の御目右の目は月の御神のおんひかりなれ
たちはなの小戸のアオウエイの声は天の御柱国の御はしら
むらぎもの心一つのあつかひに善くも悪くも見ゆる世のなか
むらぎもの心の岩戸ひらきなば天津日のごと魂かがやかむ
身魂さへ清く正しく澄むときは医師薬品も要らぬ神国
天地の諸のわざはひしきりなり神の怒りの解けやらぬ間は
高砂の沖にうかべる神嶋に佐和田の神はかくれ居坐しき

(以上十六首 大正七年六月)

    ○

天地の大御心をこころとし治ろし召すかも天津日の御子
玉鏡劒のひかり身に受けて世を知し召す天津日の御子
うばたまの世を照らさむと朝夕に砕くこころは神にひとしき
天地の神につかへて日の御子に赤きこころを尽しまつらな
いたづらに生きながらへて何かせむ世の為め道の為めにならずば
若草の人の妻たるおこなひは夫を神とつかふるにあり
妻も子も心一つにつかへ行かむ神にひとしき家の主人に
わが家は高天原の神の国如何なる曲もをかす術なけむ
家の内豊におだひにをさまるも妻のこころの梶一つなる
現世の法規を犯すな現世の法規は神世の御法則なりせば
白金も黄金も玉も子だからもみな天地の神のたまもの
三千歳の暗も隈なく晴れわたり月日かがやく神代待たるる
世の中は三千歳ごとにあらたまるを霊界にては百年といふ
三十年を神一年と定めまして世を改むる百年目は来ぬ
五百歳に人の霊魂は昇るなりこれ霊魂の一代とぞいふ
十二度霊魂のぼりて六千歳のそのあかつきに神とこそなれ
大江山鬼の住家は八衢の都大路に宿をかへたる
天地のまことの象を察らめてまことの神の体を知れ
ものみなの運化のくるはぬはまことの神の力なりけり
活物の心性のはたらき察らめてまことの神の霊魂を知る
天地の神の霊魂を分けられし人の霊魂はうるはしきもの
物体は濁り凝るものなれば元より悪しき性質を含める
カとは霊と体と組み合ひてよろづ霊体のはじめとぞなる
人ぐさの慣習ばかり説きさとしをしへを知らぬ今の教会
外人のとなふまことの大方は神国の教にそぐはざる道
聖賢の霊魂のカはつよくとも後の世人の霊はまもれじ
いつまでも人の身魂をまもります真の神は生き通しなる
大神の広き御稜威はいにしへの聖賢の眼にもうつらざるらむ
独神成而隠身矣給ふ神の上は賢き人もかたり得ざらめ
今の世の人の身魂は荒び来る曲津のこのむ宿屋なりける
畏るべきものは身魂の汚れなり根底の国へおのづから行く
言の葉を改めなほせ許許多久の罪も穢も跡なく消えむ
霊幸ふ神のめぐみも懲戒もおのが身魂の持ち方による
皇神のさづけたまひし吾が魂に五情の清き戒律たまへり
むらぎもの心たふとみ体を次ぎにするは誠の神にかなへる
形ある物をたふとみ吾が心さげしむひとぞ悪のはじまり
天の下公共の為めに身をつくす人は誠の善神にぞありける
眼に見えぬ己が心霊を眼に見えぬ神にささぐる幽斎の道
名も位も富も命も千早振る神の賜ひしたからなりけり
浮かれ往く魂をまねきて丹田にをさめ生かすを鎮魂とふ
日の本の誠の教を白雲の余所にもとむる世こそさびしき
かくせどもかくし得ざるは人心声にあらはれ顔にうつりて
如何ほどの賢き人も凡人もこころの色はつつむに由なき
声に出で形に見ゆる心こそ神のさだめし規則なりけり

(以上四十四首 大正七年七月)

    ○

身の欲にまよへる人は村肝のこころの玉の盲目なりけり
村肝のこころちひさくこころざし大きく持つは日本魂
柔かき人の言葉はあらがねの太刀も劒も折る力あり
酒飲めば何時も心は春めけど悟の花は散り乱るなり
ひとたびの堪へしのびは千萬のわざはひを去る力なりけり
身を責むる人はまことの人ぞかし人を責むるは醜の邪神
足る事を知りたる人は天地の神の仁慈をさとりたるなり
敏心の大和心を振り起しあたつて砕けためらはずして
狂人もまた狂人の愉快ありこころごころに神の宿りて

(以上九首 大正九年一月)

    ○

益も無き事にこころをかたむけて日本御魂の宝けがすな
矢のごとき月日の駒に後れじと日日に勤しめ己がつとめを
何事も己に克つの力あらば八十の曲霊も如何で犯さむ
人の眼のとどかぬ処を慎しむは神に等しきこころなるべし
朝夕に身を惜み無く努むれば天の下には成らぬものなし
さび腐りほろぶ宝を積むよりもまことの徳を神国につめ
愚なる人と子供の言の葉は誠の神の予言者なりけり
まこと無き人は少しのこころみに遭ひて誠の望みうしなふ
あしびきの山も塵より積るなりまことをつくせ神の御前に
快楽をつくしをはらば次にまたなまけおこたる心湧くべし
明日のこと今日に為すより今日の事今日に済ませば災もなし
昨日まで為せし過ち省みて今日をつつしみ明日に気を注け
真心はすべての業のはじめにて萬の徳の基なりけり
今日もよし明日もまたよし何事も神の心にまかす身なれば
惟神まことの道をさとりなば名位寿福はひとりそなはる
己が身をただ戒しむる人こそは人のなかにも強き人なり
山あれば深き谷間も在る世なり登りつめてぞ高ぶるなゆめ
誠さへあらば立つなり人の身は神のまにまにまかすべきもの

(以上十八首 大正九年二月)

    ○

己が身の苦しき時ぞ魂照りて百の希望は湧き出づるなる
取返し成らぬ過失為すものは心驕れる時にぞありける
いち早く上りし人は落つる日も人よりはやく激しかるべし
言の葉に咲く花よりも先だちて考へ澄ませものの根本を
人目より愚かと見ゆる人こそはまこと賢き神人にぞありける
身を捨てて道に尽さば道もまた捨身の人を捨てず助くる
道無くて得たる寳は忽ちに罪をのこして逃げ行くものなる
大本の教つたへむと思ふにもなるべく談みじかきぞ良き
なにごとも学ばずに知る人こそは神の経綸の柱なるべし
利を多く得むと心を砕くより冗費を省け何につけても

(以上十首 大正九年三月)

    ○

大神の誠の道に入りながら真言魔言のはきちがひする
神業をなすのが原の玉草は踏まれ蹂まれ花咲きてをり

(以上二首 大正九年六月)

    ○

現し代の事業さへ全く出来ぬ身の神の御業に仕へ得べきや
神様につかへぬうちぞ神心神にすがりて曲神となる
立替を世人のことと勿思ひそ立替するは己が身魂ぞ

(以上三首 大正十年二月)

    ○

連綿と天津日嗣の末ながく動かざる世をなほ祈るかな
まがことも善事も恐れつつしみて誠を励め神の御子たち
やまとだま振ひ起してすすみ行け刃向ふ仇を言向くるまで

(以上三首 大正十年六月)

    ○

霊と肉一致和合のみをしへは三五の道おいて他になし
人の子の朝な夕なに守るべき勤めは神にしたがふにあり

(以上二首 大正十五年九月)

    ○

御教に凡てをまかしすすみ行く人はまことの神の御子なる
むらぎもの心のなやみいつしかに夢と消えたり教の光に
天国に昇るは易し地の底に落つるは難き神の大道よ

(以上三首 昭和二年十月)

    ○

人の世の罪咎裁きたまはずに神国に救ふ瑞の大神
幼児が乳房にすがるこころもて神に近づく身こそ幸なれ
王仁といふ吾のみ愛し天地の神を愛せぬ友ぞうたてき
神国の為めに身魂をささげたるわれを知らざる故郷の友
思ふことこころのままに語り得る幼児は神のこころなるかな
素盞嗚の神にならひてわれ今に歩みつづくる敷島の道

(以上六首 昭和二年十二月)

    ○

かがやける人の面は天津神の霊魂の宿るしるしなりけり
我国は徳主法従神の国理窟ばかりで治まらぬ国

(以上二首 昭和三年六月)

    ○

囀るや唐の教もすてずして生かしてすくふあななひの道
岸をうつ波の音にも天地のかみの教のふくまれてあり

(以上二首 昭和三年八月)

    ○

他人のことはからふ迄に己が身のかへりみせよや道伝へ人

(昭和三年九月)

    ○

天界の基礎と生れにし神の子は夢なわすれそ神の大道を
天国は人の精霊とこしへに生きて働く御国なりけり
一柱神のいさを八百萬わかちてとける大本のみち
古の釈迦も孔子もキリストも皆わがための導師なりけり
人恋ふるこころしなくて天地の神に仕ふる心おこらじ

(以上五首 昭和三年十月)

    ○

葦原の瑞穂の国は天地の神斎かずば治まらぬ国
いにしへの神の秘事あらはして世をひらきゆく大本の教
累卵のあやふき国を救ふべく神のひらきし三五の教

(以上三首 昭和三年十二月)

    ○

よきにつけ悪しきにつけて天地の神に祈るは人の真心
月も日も星も御空にかがやけど人の心は闇にまよへる

(以上二首 昭和四年二月)

    ○

美はしき月の光に照らされて心きたなき曲は逃げ行く
国の基肇めたまひし皇神の御稜威かがやくときは来れり
霊国の姿写せし花明山に三五の月の光の清しき
艫櫂なき舟にも似たり三五の神のをしへを知らぬ世人は

(以上四首 昭和四年三月)

    ○

助け合ひ助けられ合ひて世の中は物思ひもなく煩ひもなし
なまなかに物質愛を注ぐより神国の愛に世人生かさむ
私の心しなくばおのづから愛善の徳そなはるものなり
一枚の愛善新聞売るさへも世人を救ふ神業なりけり
極みなき世人ことごと救はむと思へば天国の福音を宣れ
敷島の大和心の本体はただ愛善の光なりけり
千早振る神のこころは愛善の誠を措きて何ものもなし
ひさかたの天津御国は愛善の徳に充ちたる楽園なりけり
苦しみも悩みも雲と散り失せぬただ愛善の神の伊吹きに
厭離穢土などと思ふなうつし世は愛善の神まもる楽園
天国は虚空にあらず葦原の中津御国の真秀良場にあり
根の国は地底にあらず偽と悪と醜の集まる野の末にあり
平和なる人の家庭はうつし世のまま天国の姿なりけり
目に見えぬ神の御国も現世も愛善神の住家なりけり
百八十の国のことごと愛善の光に照らす三五の道

(以上十五首 昭和四年五月)

    ○

一切のものを大事にするといふこころは愛の本源なりけリ
表面は小さく見えて内容の大なるものは必ず栄えむ
放埓の如くに見えて一切に規準あるこそ神の真道
人は皆自信を発揮せざりせば大なる敵の襲ひ来らむ

(以上四首 昭和四年六月)
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