文献名1惟神の道
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3現代の急務よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考「神霊界」大正九年八月一日号所収「皇道大意」の抜萃
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ページ162
目次メモ
OBC B123900c053
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本文
畏くも昭憲皇太后の御歌に、
君臣の道あきらけき日の本の 国はうごかじよろづ代までに
と示されてある如く、君には君たるの大道あり、臣には臣たるの大道があります。しかして君道と臣道と相侯つて寸毫も離れないのは、皇道の皇道たる所以であります。
天壌無窮の皇道、国運万世不易なる所以は皇道の権威であります。畏くも我が歴代の聖皇はこの大道を実践躬行遊ばされ、以て上は祖宗の神霊を敬祭し、下は人民を愛撫し給ふにより、国民は常にその大慈に悦服し、大君に誠忠を捧ぐる所以であります。
世には学ぶべき道、修むべき学、習ふべきの教はなはだ多く、国として行ふべき事、民として務むべき業もとより尠くはないのであります。しかし現代の世態としては、至貴至尊なる皇道を天下に宣明し、かつ奉行するより急務なるはないのであります。
政治にまれ、教育にまれ、宗教にまれ、哲学にまれ、経済にまれ、外交にまれ、全然行詰つた今日の時代において、何を以てこれを救済する事が出来るでありませうか。政治家ますます多くして天下混乱し、教育いよいよ隆にして不徳の臣民多く発生し、宗教いよいよ発達して迷信の暗雲天下を蔽ひ、法律の発布いよいよ多くして罪人ますます多く、哲学ますます盛んにして懐疑の雲いよいよ深く、経済学盛んに唱道せられて財界の不安日に月に加はり、医術衛生の学ますます盛んにして難病いよいよ多きは、現代各国通有の惨状ではありませぬか。明治天皇の御製に、
よろづ民すくはむ道も近きより おして遠きに行くよしもがな
伝へ来て国のたからとなりにけり 聖の御代のみことのりぶみ
とあります。
一家には家人の守るべき道があると同時に、国家には国家の教があり、国民には国民の守るべき道があります。いはんや皇国には天地開闢の太初より皇祖皇宗の御遺訓なる皇道が厳立せられてあります。歴代の聖皇これを遵守したまひ、吾人の祖先また謹んでこれを奉行して来たのであります。故に明治天皇は教育の大勅語を宣布し給ひ「爾臣民ト倶ニ拳々服膺シテ威其徳ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ」と詔らせ給うたのであります。