文献名1惟神の道
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3皇国の姿に還れよみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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備考出典不明
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ページ283
目次メモ
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本文
大日本皇国は、畏くも伊邪那岐、伊邪那美二柱の神、この漂へる地球を修理固成し給ふ時、先づ最初に創造し給へる豊葦原中津根別の国にして、皇孫命永久に統を垂れ、天下統一の経綸を進め給ふ地の高御座なり。されば平田篤胤翁も『霊能真柱』に
「我が天皇命はしも産霊大神、天照大御神の御孫に坐すが上に、かかる謂の坐すなれば、青海原潮之八百重の留まる限り、この国土にありとある百八十の国々を悉に所知すべき大君に坐すこと弥々益々灼熱し。見よ見よ、今はなほ外国々の酋長ども、王がほこ支配し居れども、終に理の如く百八十船の棹舵干さず、満つらなめて貢物献り、畏み仕へ奉るべき理明かなるものぞ。あなあはれ楽しきかも、歓ばしきかも、時の往きければ、その芽の既に萌来ぬるを、あなあはれ人は知らずも」
と曰へり。
かくて悠久三千年、皇国の光を和げ塵に同り、全世界の文化をことごとく引寄せて、天機熟するを待ち給ひしは実に神路幽厳の一大経綸にほかならざりしなり。すべて他を化せむとする者は先づ自らの心の鏡に他を映さざるべからず。されど己が心をうつろひて他に移し行くは、すでにすでに他に征服されたるものと云ふべし。映す心は持つべし。されど心は移すべからず。
明治維新、開国進取の皇謨は「智識ヲ世界ニ求メ大イニ皇基ヲ振起スヘシ」との明治天皇の大御心に基づきしにも拘はらず、その後の為政者、学徒達はいたづらに外国思想求入にのみ是れ努め、皇国本来の大精神を忘却するにいたれり。かくて明治天皇は移り行く民の心を歎かせ給ひ、或ひは御製に或ひは聖諭、御詔勅に、民草の心を戒め給ひしこといくばくぞや。
然るを時の流れとや云はむか、物質文明に惑溺したる国民は、つひに光輝ある神州をしてかくのごとき冷酷無惨なる国土となさしめたり。ああ! 吾ら何の顔ありて明治天皇の聖霊に復命申さむや。
されど我が国は神の護らす神国なり。諸々の枉事罪穢れを祓ひ清むるは御禊の神業なり。実に昭和六年九月十八日、満洲事変の突発は長夜の国民的惰眠を覚醒せしむる天の叫びなりしなり。かくて肇国の大精神に立ち還り、日本本来の真姿に目醒めたる皇国は昭和八年三月廿七日、満洲帝国の独立を尊重し、その健全なる発達を促すを以て東亜の禍根を除き世界の平和を保つ基なりとし、遂に国際連盟脱退の通告を発したり。
そもそも国際連盟は世界平和、国際協調の美名の下に、白色人種の既得権をのみ擁護し、いよいよこれを伸張せむとする陰謀の府にして、皇国天賦の使命達成のためには、これと必然的衝撃を免れ得ざる所なり。いはんやその背後には世界の国境を抹消せむとする野望を抱く猶太民族の蟠居せるをや。
当る三月廿七日(昭和十年)はいよいよ名実共に皇国が連盟の羈絆より離脱して神聖なる皇御国の真姿に立還る記念すべき日なり。この時に当り、吾ら日本の臣民たる者は、神代より一貫せる皇国の大指導精神に立脚し、列聖の聖詔を奉戴して億兆心を一にし、宇内皇化の天業に勇往邁進すべきなり。
然れども方今世界の状勢ますます紛糾の極に達し、我が国また非常の時艱に遭遇す。これまさに没落せむとする西欧文明最後の悶えにして、また新たに生み出されむとする皇道文明の産褥の悩みたらずむばあらず。天のまさに大使命をその国に降さむとするや、必ずやその試練は熾烈なり。吾らは祖先が一死奉公、以て金甌無欠の国体を守護し奉りし忠誠を神習ひ、進んでこの非常時を突破し、遂には万里の波濤を越えて国威を四方に宣布し天下を富岳の安きに置き、以て聖慮に応へ奉らむことを祈念するものなり。