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文献名1百千鳥
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3夜の丹波路よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2024-10-31 18:51:00
ページ506 目次メモ
OBC B129900c83
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本文 黄昏の鐘の音響き秋の風四尾の峰より吹きつけにけり
羊腸の小路をたどり山下り吾が住む館に帰りつきたり
帰り見れば古谷口をとがらしてどこのお方と鼻こすりいふ
   狐狸の里
古谷の山に住まへる狐よとわれからかへば古谷ふくるる
王仁『古谷の狐は今や帰りしぞよなぜ迎へぬか狸野郎共』
古谷『大本に狸野郎は居りませぬ狐さんなら帰つて下さい』
古谷を吾門口にからかへる折りしも役員どやどや出で来る
『海潮さんあんまりですよ吾々は神の子決して狸ぢやござらぬ』
そんな事いふ人帰つてもらへぬと肩いからして文助がにらむ
左様なら狐はこれからいにますといひつつ夜をかけ出しにけり
   和知街道
手荷物をあづけおきたる村上の店に立ちより引つさげて行く
後よりは古谷四方等提灯をぶらつかせつつ追ひ来るが見ゆ
木のかげにひそみて様子うかがへば須知山峠をさして馳せゆく
須知山の峠を行けばつかまると大橋越えて山家路に行く
てくてくと山家の路をたどり行けば十五夜の月山をのぞけり
月かげに照らされながら山家越えいよいよ和知の本城に入る
和知街道一目散に走り行けば須知のかかりで夜は明けにけり
   観音峠
須知町水呑の里朝過ぎて観音峠の頂上につく
観音の峠を下り観音の堂前の茶屋に休息をなす
堂前の茶屋にて一ぜん飯を喰ひ旅にすかせし腹を満せり
観音の峠下れば木崎村大宮神社に朝日輝く
大宮の神社に詣で拍手する折りしも黒田の幸助来れり
よい連れが出来たと幸助伴ひて園部大橋東に渡る
   本町奥村方
本町の奥村方に立ち寄りて移り行く世の状を語れり
奥村は蓄財のみに余念なく他の話は耳に入らざり
金あれば阿呆でもかしこう見えますと小金を鼻にかける奥村
金のない奴はどこやら落つきがないと奥村あてこするなり
旅費借りて布教するならやめなさいと頼まぬさきから切り出す奥村
あなたには金は借らぬと言ひながらわれ奥村の家を立ち出づ
金なきは首のなきより辛いものと幸助そろそろ泣き事をいふ
腹へれば芋なと掘りて喰へばよいといへば幸助ふるひ出したり
幸助『先生は芋をぬすめと仰有るかそんな泥坊は私にやできぬ』
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