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文献名1百千鳥
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3洛中神縁よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2024-10-31 18:51:00
ページ541 目次メモ
OBC B129900c88
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本文 折りもあれ中川弥吉急病を起し瀕死の状態となる
中川の鎮魂すれば漸くに狸の憑霊立ち去りにけり
中川が危篤の電報京坂に飛びて親族集り来る
親族は皆中川の弟妹なればわれに涙と共に感謝す
四方皆山に囲まれし村ながら訪ひ来る人の日々に増しゆく
京坂にわが名たちまち伝はりて入信する者多くなりけり
   京都中川の家
中川の勧めによりて京都市に上り同家にしばし休らふ
三条通り神泉苑町の中川家に逗留しつつ宣伝につとむる
中川の実母まさ子は忽ちに帰神となりて人を助くる
都人つぎつぎ集ひ来りつつまさ子の鎮魂うけて帰れり
中川の妹とみ子は大阪ゆ訪ね来りて修業を初むる
とみ子また帰神となりて大阪に下り布教に従事してをり
   中島九馬蔵
かかるをり三条高瀬の売卜者中島九馬蔵訪ね来れり
九馬蔵はわれに霊術学ぱむと日夜来りて修業をなす
九馬蔵はわが家に光来ありたしとしきりに頼めど中川聞かず
中川の家にいとまを告げにつつわれは九馬蔵方に移れり
九馬蔵の館にあれば禿蛸や中田善助妨害をなす
海潮に相手になるな悪神と禿蛸しきりに九馬蔵をとく
禿蛸の再三再四の悪言につられて九馬蔵の心動けり
吾もまた中島九馬蔵の意を察し此の家にいとまを告げて去りけり
   中村保次郎
九馬蔵の家をたち出で南禅寺の僧正が滝に辿りつきたり
僧正の滝にうたれる男子ありて一心不乱に何か祈れり
何人と吾たづぬればその男われは中村保次郎といふ
いろいろと神の話を説きつれば夢の神人に逢ひしと喜ぶ
七日目の業の上りに神人にあひしは全く神護と喜ぶ
ともかくもわが家に来り神の道説かせ給へとしきりに頼めり
とにかくに汝が館に行き見むと快諾なして伴はれ行く
   三条大宮
黄昏の幕は漸くおろされて雨上りつつ月はのぞけり
雨後の月は光り清しとほめながら駒僧正の滝をはなれし
渓川の音滔々とみなぎりて月に輝ふ状のすさまじ
漸くに三条河原に来て見れば濁流滔々岸を呑みをり
三条の橋にかかれば大空の月は曇りて雨となりけり
彦九郎皇居を拝せし遺跡ぞと謹みかたらひ涙ぐみけり
中村氏を伴ひ雨のふる町を西へ西へと大宮に向ふ
三条通り大宮西入る中村の寓居に着けば雨上りたり
   中村の家
大空の月は冴えつつ都路の家毎家毎に光なげをり
中村の門をくぐれば其の家の夫人しま子は喜び迎ふる
滝壷に初めて会ひし神人を迎へ来りしと中村は言ふ
中村の妻は信心ずきにして一も二もなくうけがひにけり
中沢氏にかねて噂を聞き居たる先生さまかと夫人は喜ぶ
しま子『いつまでも吾があぱら家に止まりて神の大道をひらかせ給へ』
吾も亦夫婦の厚意を感謝してこの家に止まり道を説きけり
都人日々に集ひて吾が説ける道を喜び入信を乞ふ
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