文献名1大鏡
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名313 石垣を築くに就てよみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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データ凡例『神の国』昭和10年(1935年)10月号
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OBC B182000c13
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石垣を築くには其土質及高さ面積等を能く考慮して設計をせねばならぬ、昔の築城には其基礎とも云ふべき石垣には金力と労力と材料を惜まず使用して、最善の方法を尽して築かれたものである、現代の石垣の多くは四角な平面を有した錐尖形切石を以て築かれてあるから、表面に現はれた所は石と石と密着して隙間なく外観は甚だよいが、裏石(栗石)の使ひ方が少いため、長雨などで裏面に水が含まれた場合は土砂と共に押出され石垣面が膨張して来る憂ひがある。尚又内部即ち土に面した方は細く錐状であるから、表面の噛み合せに狂ひの生じた時は自然と外部に抜け出すのは当然の理ぢや。地震の時なども崩れ易い。丸石を以て積む場合は石の噛み合せを完全にせねばならぬ、一つの石を中心と定め其周囲を囲む石の数が六ツ巻又は八ツ巻というて、六箇若くば八箇なる時は中心の石が自然と脱け出して弱いものであるから五つとか七つとかの奇数が良いのである。そして裏石(栗石)を充分に入れて置くと、長雨が降つても裏に水の含むことは無い。地震の時も裏に空虚があるから揺すれば揺する程、裏石(栗石)が締つて行くに随つて、石垣の面は其中央部に於て裏面の方へ凹んで行くから、表面の噛み合が益々緊縮して一枚岩石の如くなつて末代崩れる事の無いものである。