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文献名1大鏡
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名314 鶴と雉子よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例『神の国』昭和10年(1935年)10月号 データ最終更新日----
ページ 目次メモ
OBC B182000c14
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本文の文字数578
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本文  鶴といふ鳥は霊鳥であつて非常に夫婦の愛情の濃かなものであると共に、其子に対する愛は格別なものがある。
 鶴は三羽を以て一番ひと言ふのである、それは夫婦が下女を伴うて居るからである、俗に之を鍋鶴といふ、下女のことをお鍋といふからであらう、そうして礼儀の非常に正しい鳥であるから、雄が鍋鶴に手を懸けるやうなことは絶対に無い。鍋鶴は忠実に夫婦に対し其任務を尽し世話をするものである、雌が卵を産んで孵化さす為に之を抱き温めてゐる時は、鍋鶴を番に付け置きて昼間は雄は食料を漁つて雌二羽を養ふて行く。夜間は雄とお鍋とが終夜其巣の下方の樹木の幹の周囲を長い嘴を以てコツコツと間断なくコツキ回して居る、これは総て鳥類は夜間眼の視えぬものであるから危害を加ふべき敵の襲来を防ぐ為である、万一にも蛇其他怪しきものの襲来する時は身命を賭して之を防ぎ雌や雛をどこまでも保護するものである。
 焼野の雉子夜の鶴というて雉子も亦野山に卵を抱き雛を育てて居る時などは、其野山が焼かれ自己の身辺に火が近づいて来ても決して卵や雛を捨てて自己だけ逃げて助からうとはせぬものであつて、其卵や雛を腹の下に保護して助け自己は犠牲となつて夫婦とも焼死ぬものである。雄は鶴同様昼は食料を漁り夜は敵の襲来に備へ忠実に雌や雛を保護するものである。
 両鳥とも如此非常に夫婦の愛情及子に対する愛の深きものである。
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