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文献名1大本七十年史 上巻
文献名2第4編 >第1章 >2 霊界物語の内容よみ(新仮名遣い)
文献名3人生観よみ(新仮名遣い)
著者大本七十年史編纂会・編集
概要
備考
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ページ663 目次メモ
OBC B195401c4123
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本文  人は神意を実行する機関としてつくられたものである。その精霊はすべて神の分霊であるから、「人は神の子」であり、またその肉体は神のすがたの映像でもあって、「神の生き宮」である。だからして人は神意を体し、神の地上における代行者として、天地の経綸にあたらねばならぬことになる。
 〝人生の真目的は地の上に無窮の天国たつるにありけり〟とあって、神の理想たる天国のすがたを地上に実現することが人生の目的であり、人としての使命なのである。「大本教旨」には、「神は万物普遍の霊にして人は天地経綸の主体なり、霊体合一して茲に無限の神徳を発揮す」とあり、さらに『霊界物語』では
一、世界人類の平和と幸福のため、苦難を意とせず真理のため活躍し、実行するものは神なり。
一、神は万物普遍の活霊にして、人は神業経綸の主体なり。霊体一致してここに無限無極の権威を発揮し、万世の基本を樹立す(『物語』68巻6章)
と、神と人との関係を示している。ここに霊体一致とあるのは、神人合一を意味し、われ神にあり、神われにありという境地をいったものである。
 万世の基本を樹立し、「みろくの世」・地上天国を建設するためには、天界の実相をしらねばならない。天界の状態については、『霊界物語』でくわしくこれをのべられている。(『物語』47・48巻)
 さらに
一、祭は惟神の大道なり
一、教は天授の真理なり
一、慣は天人道の常なり
一、造は適宜の事務なり
とし、この四大綱領を実践するのが人生の本分である(『物語』38巻1章)とされている。
 また『霊界物語』全文のなかに、大道実践の根本原理として清潔主義・楽天主義・進展主義・統一主義の四大主義の精神が強調されている。
 『霊界物語』では、人生においては絶対の善もなければ絶対の悪もないとのべられているが、その基準としては

霊主体従の身魂を霊の本の身魂といい、体主霊従の身魂を自己愛智の身魂という。霊主体従の身魂は、一さい、天地の律法にかないたる行動をこのんで遂行せんとし、つねに天下公共のために心身をささげ、犠牲的行動をもって本懐となし、至真、至善、至美、至直の大精神を発揮する救世の神業を奉仕する神や人の身魂である。体主霊従の身魂は私利私欲にふけり、天地の神明をおそれず、体欲をおもんじ、衣食住にのみ心をわずらわし、利によってあつまり利によって散じ、その行動はつねに正鵠をかき、利己主義を強調するのほか、一片の義務をわきまえず、慈悲を知らず、心はあたかも豺狼のごとき不善の神や人をいうのである(『物語』1巻発端)。

と示されている。
 罪悪については、神意に反することをもって、もっとも大罪悪とし、人道に反し、社会悪をおこなうととはいうまでもなく罪悪とされているが、天賦の霊性や徳性を発揮せず、天然自然の開発活用をおこたることなど、人間としてなすべきことをなさないことも、積極的に罪悪とみなされている。人間はすべて「罪の子」であるとする罪悪観は、『霊界物語』にはみあたらない。
 人類はすべて神の子であり、神意を遂行するため、人間には神性と自主性とをあたえられている。しかるに善意に活用すべき意志の自由を、体欲と利己本位に利用して、「われよし」・「つよいものがち」の悪の世を現出してしまった。各人みな神性にめざめ、人生本来の使命にたちかえって、「みろくの世」を実現しなければならないというのが、『霊界物語』の基本的な主張である。
 人間は精霊と肉体との一体的結合によった、もっとも精妙な生命体である。肉体はやがてほろびるときがくるが、精霊は不滅である。死後その精霊は、意志・想念・感情などをそのままもちつづけて、霊界の生活にはいるのである。そのうち愛善の徳をもつ者は天国にのぼって天人となり、信真の徳にすぐれた者は霊国にすすんで天使となる。これに反して、虚偽・悪欲にひたっている者は、みずから地獄界(根の国・底の国)におちいる。人間は永遠の生命を信じ、生きながらの天使・天人としてのはたらきをしなければならない。それがそのまま天界に通じ、天界にすすむ道である。その意味で地上における人間の生活は、天人養成のための神の摂理であるともいわれるのである。
 『霊界物語』に示された神観・宇宙観・人生観の問題や霊界について、詳述しているものを一々ここに引用することは、それだけでも膨大となるので、ここではその文献のおもな箇所をあげておくことにする。

「宇宙と神と人との関係」については、『物語』48巻1章。霊界すなわち「天界・中有界・地獄界との関係」については、56巻の巻頭「天界地獄界の図」・同1章。「主神の神格」については、47巻9章。「霊界と現界との相応の理」については、47巻跋文。「一霊四魂のはたらき」については、10巻29章・52巻1章・同17章。「霊肉脱離─死の問題」については、47巻11章・48巻8章・64(旧63)巻10章・15巻践文。「精霊と肉体との関係」については、47巻12章・50巻8章・64(旧63)巻13章。「中有界」については、47巻8章・48巻7章・52巻9章。「天界」については、47巻12~20章・48巻10~14章・49巻6章。「地獄界」については、55巻12章・48巻9章。「地上天人と肉体的精霊(凶党界)」については、50巻1章・52巻1章。「地上天国」については、49巻1~2章。

〔写真〕
○舎身活躍 第37~48巻 p663
○真善美愛 第49~60巻 p665
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