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文献名1大本七十年史 下巻
文献名2第5編 >第3章
文献名3天皇機関説と人類愛善新聞
著者大本七十年史編纂会・編集
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2017-09-30 18:28:35
OBC B195402c5308
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本文  一九三五(昭和一〇)年一月二日、全ロシア白系ファッショ党駐日代表ワシリー・べ・バルイコフは、同党本部の指令によって一行九人とともに亀岡の天恩郷に出口統管をおとずれた。そして統管を同党最高名誉顧問、副統管宇知麿を名誉顧問に、また統管を自治団名誉顧問にあおぐ推戴式をおこない、三日には人類愛善会総裁補日出麿を同党名誉顧問に推戴する伝達式をおこなった。
 このころすでに昭和神聖会はファッショ的団体だとする声があった。とくに伊太利のムッソリーニに関係のあった下位春吉が、昭和神聖会の講師として統管とともに行動していたために、その憶測はいっそうひろまった。しかも全露白系ファッショ党の顧問に推戴された記事が、「人類愛善新聞」の一月下旬号に報道されたのであるから、いよいよファッショだとみなす世評がたかまってきた。
 たまたま二月上旬号の「人類愛善新聞」は二面の全部をついやして、「壮厳なるかな、昭和維新の相貌、皇道政治の骨子は……これを以て明治維新は完成す……次いで招来すべき世界の大革新、この一文を特に貴衆両院に寄す」と大見出しをつけ、中見出しには「御一新当初より続く明暗の二大潮流、暗流に棹して蠢動する政治家、自由民権の名の下に跳梁する財閥資本家、斯くて皇道政治の真諦滅す」とつけた同紙編集部員の執筆による論説を発表した。これは発行にあたり、内務省の検閲で不穏とみなされた個所の削除を命ぜられたので、全体の論旨はハッキリと一般読者にはわからなかったけれども、そのことがさらに、ファッショ革新をうらづけるとみなされる理由となった。
 ついで二月下旬号の「人類愛善新聞」に全面記事として、「日本憲法の奉釈は皇道に立脚せよ、比類なき天子国の憲法亦自ら特異性を有つ、国体を認識せずして国憲の核心を捉へず滔々として其尊厳を冒すもの……」「議会中心主義は不謹慎の極、皇国の尊厳に醒めよ、その民主的意念を排撃す」として、はげしい論調で「我国家は家族の拡大延長であって君民同祖、同族の国家である。従って我国の天皇政治は古来君民一体主義であった。君民一体主義は君民の親和相愛の道徳主義であり、君民一致結合の国家主義である。然るに欧米の政治思想に禍され、個人、功利、民主、共産等の主義か著しく普遍され、日本の大家族主義は殆ど破壊さるるに至ったのである。……金権者は政党と結托して不正の利権を獲得し、金権者専制の××をなし、金権専制の××を行ふ。是に於て議会政治は、政党政治となり、即ち富者益々富み、下層窮民は益々貧困を加へ、遂に一着の衣、一椀の食さえ得ざる赤貧洗ふが如き貧者の多数を生ぜしめてゐる。昨年来農民の困憊に対しても議会に於てなされたる質問並政府の之に対する施策などを詳細に検討するに於て益々明白である。彼等の唱ふる憲政常道論の如き根本的に議会の精神を知らざるものの言で、欧米議会の精神をそのまま皇国議会に移植したるもので、国体の本質を弁へず、日本天皇の大権を冒涜するも甚だしといはざるを得ない」とした。
 この主張は当時議会において問題化していた美濃部天皇機関説問題にも関連してくる。天皇機関説の主要な論拠は、憲法第七条の「天皇ハ帝国議会ヲ召集シ其ノ開会閉会停会及衆議院ノ解散ヲ命ス」とある解釈について「帝国議会は国民の代表者として国の統治に参与するもので」「天皇の機関として天皇からその権能を与へられて居るものではなく、随つて原則としては議会は天皇に対して完全なる独立の地位を有し、天皇の命令に服するものではない」というところにある。これが二月七日・九日の両日に衆議院予算委員会でとりあげられ、江藤代議士が質問したことに端を発して政府側答弁が混乱した。一八日貴族院において菊地男爵が問題にし、さらに三室戸子爵・井上男爵らの質問で大問題となっていった。
 「人類愛善新聞」は皇道の精神から皇国の重大事件として、やつぎばやにこの天皇機関説問題を報道した。たまたま二月一四日昭和神聖会香川支部の講演会席上において、講師として壇上にたった諏訪部匡民が、反国体学説として攻撃した。臨席していた官憲は、その内容が不穏であるとして講演の中止を命じ、検束・留置した。昭和神聖会の講演で中止を命じられ検束されたのはこれがはじめてのことであった。三月中旬号の「人類愛善新聞」はこの香川支部講演中止を不当としておおきくとりあげた。そしてさらに江藤代議士が美濃部博士を不敬として、二月二八日に東京地方検事局に告発した全文を掲載した。また国体擁護連合会が枢密院議長以下顧問官、貴・衆両院議長以下議員、司法裁判所検事局、陸軍・在郷軍人、学者、教育家、教化運動者、岡田首相・松田文部大臣・小原司法大臣・後藤内務大臣・林陸軍大臣・大角軍大臣外全閣僚などに提出した質問状の全文を報道した。
 昭和神聖会は、天皇機関説排撃に積極的であった。三月八・九・一一日、東京の青山会館・本所公会堂・芝青年団会館に四〇〇〇人をこえる聴衆をあつめて「機関説撲滅演説会」を開催し、愛国法曹連盟幹事林逸郎・江藤源九郎・国士館教授蓑田胸喜・諏訪部匡民・回天時報社長池田弘らが、「天皇機関説を斬伐せよ」「当局は怠慢至極」とはげしく追及した。ついで三月二四日昭和神聖会は林逸郎著の『天皇機関説撃滅』のパンフレットを発行し、これを全国に配布して、法曹界の名士、軍人、貴・衆両院議員の有力者に委嘱して、東京をはじめ全国にわたる機関説反対の大講演会を開催していった。

〔写真〕
○神聖運動で人類愛善新聞の果たした役割は大きかった その紙面と検閲による削除の一例 p196
○昭和神聖会主催の天皇機関説糺弾演説会ビラ p197
○昭和神聖会発行のパンフレット p198

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