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文献名1大本七十年史 下巻
文献名2第8編 >第3章 >4 憲法擁護と軍備撤廃よみ(新仮名遣い)
文献名3世界宗教者平和会議への参加よみ(新仮名遣い)
著者大本七十年史編纂会・編集
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
ページ1172 目次メモ
OBC B195402c8343
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本文  憲法擁護・軍備全廃署名運動が全国的に展開され、もりあがる世論を背景に、一九六一(昭和三六)年七月二五日から二八日まで京都市の京都会館で、軍備全廃・原水爆禁止・核非武装をめざして、世界宗教者平和会議がひらかれた。この会議の開催にあたって大本・人類愛善会は、日本山妙法寺・キリスト者平和の会等とともに主催者側として協力し、会議を成功させるために努力した。
 この会議では、人種・国境・宗教・イデオロギーの別なく、全人類が核戦争の前に共通の運命におかれているとき、宗教上の教義や信仰信条の優劣を討議するのではなく、各宗教の共通の問題である世界平和実現のために、宗教者は具体的にどう実践するかが討議された。
 開会当日には、大本から出口栄二総長・出口伊佐男名誉総長をはじめ、教団幹部のほとんどが出席した。大本の海外宣伝部からはロシア語・英語・エスペラントなどの通訳数人が前後一週間にわたって奉仕し、大本映画班・報道関係者・婦人会や青年会からも毎日約二〇人が奉仕し、主として各分散会等の書記・連絡・取材等にあたった。また大本京都主会からは、児島主会長を先頭に連日信徒約三〇人が奉仕し、会議の推進に役割をはたした。
 第一日は総会を開催し、経過報告につづいて大谷瑩潤(参議院議員、真宗)、石原憲治(日本キリスト教団)、出口新衛(大本)、半田孝海(天台宗)、大河内隆弘(浄土宗)、沢野くに(婦人矯風会会長)、R・レイノルズ(アメリカ非暴力行動委員会)、シン・ボク・コール(カンボジア政府宗教文化大臣)、大塚節治(同志社大学総長)、牧野虎次(元同志社大学総長)、川嶋貞子(仏教婦人会)らが議長団に選出された。ついで各国各宗教の代表が、会議に参加する基本的態度をあきらかにするあいさつにうつった。大本を代表して出口総長は大本立教の精神を説明し、二度の弾圧をのりこえて恒久平和建設のために努力してきた大本の実践史と、それをささえる大本教義について紹介した。あいさつのおおくが「願望」をのべているなかで、平和運動の実践の成果を報告した出口総長のあいさつは、満場の注目をあっめた。
 第二日・第三日は四つの分散会にわかれて、軍備全廃・原水爆禁止・核非武装をテーマに討議がつづけられた。第一分散会では議長に出口名誉総長がえらばれたのをはじめ、各分散会の運営委員・書記・通訳等には多数の大本信徒がえらばれて活躍した。また各会場では大本信徒の活発な発言がめだち、その発言内容のおおくが宣言・決議のなかにおりこまれた。第三日の午後には分散会の総括があり、夜は平和にかんする信条交流懇談会・婦人階層協議会・青年学生階層協議会がひらかれて、第四日の午前中の本会議をもって閉会した。この会議に出席した海外からの参加者はつぎの一六ヵ国の代表四七人である。

○オーストラリア=N・アンダーソン ○ビルマ=団長サヤド・ウ・オッタマ(ビルマ教サンガ会長) ○カンボジア=団長シン・ボク・コール ○カナダ=J・T・エンディコット ○セイロン=A・テロ比丘 ○中国=団長趙樸初(中国仏教会副会長) ○チェコスロバキア=A・ジアク(新教)、E・オリバ(カトリック) ○ドイツ民主共和国(東)=H・W・マシェル(キリスト教民主連合) ○ドイツ連邦共和国(西)=C・ミチュリッヒ (ベルリン仏教会、女性) ○インド=団長A・サラーム(カストルバー田園研究大学長、女性) ○朝鮮=柳宗黙(在日朝鮮人仏教徒連盟顧問) ○ラオス=団長クルオン・パトム(ラオス政府宗務局長) ○ポーランド=J・フランコウスキー(国会議員・カトリック) ○アメリカ=R・T・ボビリン、R・レイノルズ、E・シェンフェルド(女性) ○ソ連=団長L・シャラボフ(ソ連仏教会長) ○ユーゴスラビア=L・チャロブスカ(女性)、マルコビッチ ○日本側の代表は大西良慶ほか二二七人であった。

 七月二八日世界宗教者平和会議終了後、京都会館第二ホールで一般市民もくわえて、世界宗教者平和大会がひらか
れた。会場の中央には五色の花輪でかざられた祭壇がもうけられ、仏教・キリスト教の聖歌とともに、大本の八雲琴
と神歌がしずかにながれるなかで、原爆犠牲者の慰霊祭がおこなわれた。開会のはじめに一分間の黙祷がささげられ、
日本代表として山田日真、外国側を代表してセイロンのアヌルツダが追悼の言葉をのべたあと、牧野虎次によって
「平和の誓い」が力づよくのべられた。このあと湯川スミ、外国代表の金ら議長団の婦人の手で菊の花束がささげら
れて、厳粛裡に慰霊祭をおわった。
 つづいて平和大会にうつり、世界宗教者平和会議の結果が報告され、「京都宣言」および、「ベルリン問題にかん
する要請文」・「朝鮮代表入国不許可にかんする特別決議」がよみあげられ、最後に「原爆許すまじ」の合唱で幕を
とじた。京都宣言(前文省略)はつぎのとおりである。

一、私たちは、軍備全廃をめざし、次のように考えます。この目的を実現するために、日米安全保障条約などの軍事同盟条約を廃棄すべきです。いっさいの外国の軍事基地を撤廃すべきです。そして国際間の友好と相互の信頼にもとづく相互不可侵条約を締結すべきです。
一、私たちは、核戦争の危険を啓発するため、放射能の害をひろく全世界の人々に知らせる運動を進めます。さらに被爆者の苦痛を救うため、物心両面においていっそうの努力をします。
一、私たちは、すべての関係諸国に対し、アジア地域および中部ヨーロッパ地域、次いで全世界に核非武装地帯を設けることを呼びかけます。現在すでに核兵器を保有している国々には、国際的な監視と管理のもとに、これを廃棄するよう呼びかけます。
一、私たちは、国連およびすべての関係諸国に対し、軍縮委員会が迅速かつ成功裡に結論を出すよう促します。同様に私たちは、核実験停止会議に対し、軍縮において、協定が成立するまで実験の停止をつづけることを要求します。
一、私たちは、国連に対し、加盟国が軍備全廃のためのひとつの段階として、軍事予算の削減を促進するよう呼びかけます。
一、私たちは、軍備全廃のための署名運動を世界的にくりひろげます。
一、私たちは、この会議の成果を具体化するため、常設的な組織をつくります。そのために国際的な準備委員会を設けます。

 その他、緊迫したベルリンの危機が話しあいによって解決されること、植民地の独立運動の支持、民主主義的諸権利の擁護、人種差別の反対、朝鮮南部よりの外国軍隊の撤廃と南北の話しあいによる統一の要望、中華人民共和国の国連加盟等々の要望をおりこんだ一七項目におよぶものであった。
 七月三〇日には広島でも集会がもたれ、この京都宣言が再確認されたが、この世界宗教者平和会議は、東京でひらかれる原水爆禁止世界大会の宗教者懇談会の、予備会議の性格をもあわせもつものであった。その宗教者懇談会は、八月一四日に東京虎ノ門の社会事業会館でひらかれ、オーストラリア、中国、ビルマ、アメリカ、ソ連など一一人の外国代表をまじえ、約一五〇人の参会者によってすすめられ、あらためて京都宣言か支持され、確認された。
 七月三〇日、京都会議に出席したユーゴスラビア代表の一人、リリアナ・チャロブスカ(女性)が亀岡本部を訪問し、出口直日教主と面会したのち、教団幹部との座談会に出席した。また世界宗教者平和会議に中国代表として出席した趙樸初中国仏教会副会長一行五人は、七月三一日天恩郷を訪問した。万祥殿や月宮宝座に参拝し、朝陽館での歓迎会にのぞんだ。趙樸初は一行を代表して、つぎのようにのべた。「正しい願いがあれば、いつの日か成就する、という言葉があります。大本の皆さんは平和を願っています。日本の人民も中国人民も願っています。この共通の願いは、予想以上に早く必ず達成されると思います。……昨年は出口総長に面会し、大本の歴史を伺うとともに、いただいた大本の書籍によって大本が平和と平等の闘いを続けてきたことを知りました。そして帰国すると大本のことを、中国の宗教界および中国人民に知らせました。中国宗教界および中国人民は、大本を心から支持しています。お互いに教義の表現や教典は異なっていますが、人を尊び、人を愛し、人を救うということは共通しています。人類愛善の名のもとに、大本が大きな働らきをされていることに心から敬服します。私たちはお互いに兄弟であり、共通の目標のために永遠に手をたずさえてゆくであろうことを改めて誓います」。
 一九六一(昭和三六)年八月三〇日ソビエトは核実験を再開し、九月五日にはアメリカも再開を言明した。大衆の悲願をうらぎったこの暴挙にたいし、人類愛善会はつよく米ソ両国に抗議し、実験の即時中止を要請した。平和への道はけわしい。しかし人類愛善会は、中道を堅持しつつ平和の達成にむかって、さらに歩みをすすめてゆくのである。

〔写真〕
○世界宗教者平和会議 京都会館 p1173
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