文献名1三鏡
文献名2水鏡よみ(新仮名遣い)
文献名3日本人の肉体よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
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データ凡例
データ最終更新日----
神の国掲載号1926(大正15)年09月号
八幡書店版411頁
愛善世界社版199頁
著作集299頁
第五版258頁
第三版258頁
全集
初版253頁
OBC kg224
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本文
日本人の肉体は、他の人種よりも組織が余程完全に出来上つて居るから、創をしてもすぐ肉が塞がつて仕舞ふものである。肉が刃物に吸ひつく位な力がある。だから指など切つて落しても、直拾つてくつつけて繃帯でもしておけば附着して仕舞ふが、西洋人は組織が弱いからさうは行かぬ、かういふ現象の起るのは食物の関係であつて肉食と菜食との相違から来るのである。かく日本人の肉体組織は完全であるから、腫物などが出来ても切開せずに癒るが、西洋人は切開して手当をせねば癒らぬのである。かういふ風に肉体が違ふのを知らずして、西洋人の真似をするのは間違つて居る。日本人の生肌断はいけないが、西洋人は止むを得ない。
昔の武士は槍をもつて敵につかれると、いきなり刀を抜いて槍を切つたものである。槍を敵に引き抜かれるが最後、血が出るから、其場で斃れて仕舞ふのであるが、前云ふ通り日本人の肉体は勝れて居て、かかる場合刃物に吸いついて仕舞ふから、抜きさへせねば決して血はこぼれないから、暫くの間は命が保たれるものである。よく劇などで刃を腹へ突き立てた手負ひが物語をする場面があるが、同訳で突き立てただけでは決して死ぬもではない、其刀を引き廻すと死ぬのだ。
「やれ其刃引き廻す事暫く待て、云ひ聞かす次第あり」
などと上使が来る所があるが、此芸当は日本人には出来るが、肉体組織の弱い西洋人には出来ぬ。直庇口がワクンと開いて血が流れ出して仕舞ふから。
日本人はこんなに優秀に出来上つて居る自分の肉体の事さへも知らずして、無暗矢鱈に西洋かぶれをして居るのである。昔の武人はこの呼吸をよく知つて居て、槍などで突いた瞬間に手際よくサツト刃物を引き抜くのである、早く抜かねば、身が吸いついて抜けぬやうになつて仕舞ふ。突かれた方はこれもほんの瞬間に敵の武器を切つて血を出さぬ分別をしたものである。かうして遺言なり、跡始末なりを遺憾なくやつてさて徐に死を待つたのである。