文献名1三鏡
文献名2月鏡よみ(新仮名遣い)
文献名3知識を世界に求むよみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
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神の国掲載号-
八幡書店版
愛善世界社版
著作集
第五版
第三版
全集478頁
初版25頁
OBC kg274
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本文
明治大帝が下したまへる五ケ条の御誓文の中に「知識を世界にもとめ、大に綱紀を振起すべし」とのらせたまへる御聖言を、現在の学者は其真相を解し得ずして地球上一切の文明国の知識を求め、或は輸入し、研究すればよい事のやうに思つて得々として居るのは、我国体上実に歎かはしい事である。我国は皇祖皇宗のたてたまひたる万世一系の天立君主国であつて、国民は総て陛下の赤子であり、皇室は国民の本家であり、国民の聖主であり師であり親にましまして、某帝国の帝王の如く人民の代表ではない。外国の国を樹つるや共和、専制あり、禅譲放伐あり、勢を得れば君となり、勢を失へば臣となるが如き変転動揺常なき国家とは実に天壌の差異があるのである。如何に文明国とは云へ、かくの如き国体又は政体を有する国家に行はるる思想や、知識をもつてしては絶対に、天壌無窮の皇紀を振起し奉る事は不可能である。先づ知識を世界に求めと云ふ聖言を、慎重に考慮せなくてはならない。世界とは全地球上の国々をさすのでは決してない。世界といふ語は、世界経綸の神書たる我国家の宝典、古事記、日本書紀等の神書をささせたまうたものと恐察さるるのである。今日現に少女世界だとか、婦女世界、冒険世界、武侠世界、実業の世界などいふ雑誌が盛に発行せられて居るではないか。婦人世界と云ふのは婦人の読書或は読本と云ふ意味である。さうでなければ国体の違ふ文明国の知識をもつて如何にして我国の万世一系の皇紀を振起することが出来ようか、大学の博士達も教育家もこの点に十二分の注意を払つて貰ひたいものである。