文献名1三鏡
文献名2月鏡よみ(新仮名遣い)
文献名3宗教団と其教祖よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ
データ凡例
データ最終更新日----
神の国掲載号1929(昭和4)年05月号
八幡書店版270頁
愛善世界社版
著作集
第五版63頁
第三版63頁
全集492頁
初版44頁
OBC kg289
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本文
宗教団体なるものは、真に更生の経験を経た宗教的生活者のみの集団で、一個の社会的目標を持つた戦闘的国家である。故に凡ての宗団はその勢力の増大せんことを好み、団員の増加を求むる一つの衝動を持つて居る。然るに、現今の既成宗教なるものは、殆んど凋落の域に沈んで、何の生気も活躍も無く、酔生夢死の状態にて、僅にその余喘を保つて居るに過ぎない憐れな状態である。斯くの如く今日の既成宗教の凋落した原因は、無論その宗教の指導者、又は宣伝者、僧侶、教職、牧師等の腐敗堕落怠慢にも由るものであるが、更に彼等を腐敗堕落せしめ且つ怠慢に流れしめたる大根元は立教者たる教祖一人の宗教的信念の中に潜んで居るやうである。彼等は神、又は真如、又は仏陀、又は実在とその名称は種々変るにしても、或る特定の神秘力の働くと働かぬの如何に帰して居るものである。基督教の信者は基督の一種のいやな臭味があり、仏教は仏教のある臭味があり、天理、金光、日蓮宗、何れも一種異様の臭味と、妙な癖があつて、何れも教祖の神格に感染して今日の宗教的凋落の悲運を招致したものとより考へられないのである。味噌の味噌臭きは真の上等味噌でないと同様に、宗教家の宗教家臭い行り方が、今日の既成宗教に禍して、見る影も無き、憐れな宗団に堕して了つたのである。吾々大本人は、前車の覆へるを見る後車として自ら戒めなければならぬと思ふ。