文献名1三鏡
文献名2玉鏡よみ(新仮名遣い)
文献名3天国と現代よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ
データ凡例
データ最終更新日----
神の国掲載号1933(昭和8)年10月号
八幡書店版388頁
愛善世界社版75頁
著作集
第五版38頁
第三版37頁
全集
初版18頁
OBC kg479
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本文
現代は最も悪い時代だと思つて居るものがあるが、さうではないのである。試みに明治維新前の状態を観よ、生殺与奪の権は三百諸侯の手に握られ、讒するものあれば、事実の有無を問はず、直ちに手打にするやうな事も少くなかつた。現行法律には不備の点が無いとは云へないが、兎も角も三審制度を取つて、調べた上にも調べて貰ふ事が出来るのは如何に有難い事か分らぬのである。山賊や雲助輩が横行して、僅かな旅行にも命がけで出かけなければならなかつた其頃に比べ、警察制度の行き届きたる現代はどんなに幸福であるか、これも亦比較にならない。草鞋脚絆に身を固め、箱根の山位を天下の嶮として行き難んだ当時に比べて、汽車中に安坐して、五十三次をも夢の間に乗り越す事の出来る事を思へば、全く隔世の感があるではないか。其他衣食住のそれぞれが皆非常なる進歩をして、天国の相をそなへつつあるのは結構な事である。これ全く明治大聖帝の御恩徳によるもので、世相は明治維新を一転機として天国化しつつあるのである。殺人強盗などの記事が新聞紙上に頻繁に現はるるを見て、現今の世の中が一番地獄相を顕はしてゐるとするものがあるけれど、それは誤りで、昔は通信報道の機関が不完全で、驚くべき種々の出来事も報道せられなかつたのである。辻斬などが方々にあつて、人間の首が彼方此方にころがつて居る事など珍らしくなかつたのである。神諭に今が末法の一番悪い世であると仰せられてあるのは、人心のゆるまないやうに教へられた言葉である。