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文献名1霊界物語 第1巻 霊主体従 子
文献名2前付よみ(新仮名遣い)
文献名3発端よみ(新仮名遣い)ほったん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ苦集滅道 道法礼節 データ凡例 データ最終更新日2020-01-09 20:18:36
あらすじ自分は明治三十一年旧二月九日、神使に伴われて丹波穴太霊山高熊山に、一週間霊的修行を終えた。それより天眼通、天耳通、自他神通、天言通、宿命通大要を心得し、今日あるように神明教義を明らかにするに至るまでには、もすごい波瀾と曲折があった。自分はただ、開教後二十四年間いきさつを、きわめて簡単に記憶より呼び起こして、そ一端を示すにとどめる。竜宮館には、変性男子神系と、変性女子神系と、二大系統が、歴然と区別されている。変性男子:変性男子は神政出現予言・警告を発し、苦労を重ねて神示を伝達し、水をもって身魂洗礼を施し、救世主再生・再臨を待っておられたである。救世主に対面するまで、ほとんど七年間、野に叫びつつあった変性男子肉宮は、女体男霊である。五十七歳で厳御魂神業に参加し、明治二十五年正月元旦から同四十五年正月元旦まで、満二十年水洗礼で現世汚濁した現界・神界に洗礼を施し、世界改造神策を顕示した。か欧州大戦乱も、厳御魂神業発動一端であり、世界一大警告であった。変性女子:変性女子肉宮は、瑞御魂神業に参加奉仕し、火をもって世界万民に洗礼を施すという神務を担っている。明治三十一年旧二月九日をもって神業に参加し、大正七年二月九日をもって、満二十年間霊的神業をほとんど完成した。物質万能主義、無神論、無霊魂説に心酔する体主霊従現代も、やや覚醒域に達し、神霊実在を認識する者も次第に多くなってきたは、神霊偉大な神機発動結果であり、決して人智・人力致すところではない。変性男子肉宮は、神政開祖(ヨハネ)神業に入り、二十七年間、神筆を揮って霊体両界大改造を促進し、今は霊界に入っても、そ神業を継続奉仕されつつあるである。変性女子は三十年間神業に奉仕し、もって五六七神政成就を待ち、世界を善導することにより、神明徳に浴せしめる神業を担っている。神業参加以来、本年をもって二十三年になるが、残る七年間こそ、もっとも重大な任務遂行難関である。というも、神諭には『三十年で身魂立替立直しをいたすぞよ』言われているが、大正十一年正月元旦が変性男子神業成就三十年であり、大正十七年二月九日が、変性女子神業成就三十年である。水洗礼によって、霊界と現界両界改造することが三十年、これはヨハネ(変性男子)奉仕すべき神業である。霊魂改造が、前後三十年を要する、という意味である。また、三十年というは大要を示されたであり、奉仕者身魂磨かれ具合によっては、期間が変更されるもやむをえない場合もあるである。神諭「身魂」とは魂ことではなく、身が物質界、魂が霊魂、心性、神界等を指している。すべて宇宙は霊が元であり、体が末となっている。物質的現界改造を断行されるは、国祖大国常立神であり、精神界・心霊界改造を断行されるは、豊国主神神権である。霊主体従身魂=霊本(ひもと)身魂:天地立法にかなった行動を好んで遂行しようとする。常に天下公共ために心身をささげ、犠牲的行動をもって本懐とする。至真、至善、至美、至直大精神を発揮する。救世神業に奉仕する神や人身魂。体主霊従身魂=自己愛智(ちしき)身魂:私利私欲にふける。天地神明を畏れない。体欲を重んじる。衣食住にみ心を煩わす。利によって集まり、利によって散じる。行動は常に的が外れている。利己主義を強調して義務を弁えない。慈悲を知らない。心が猛獣ような不善神や人身魂。天大神は、最初人体祖として天足彦、胞場姫を造った。そして、霊主体従神木に体主霊従(ちしき)果実を実らせ、食べないようにと厳命したが、二人は体欲にかられて、命を犯して神怒りに触れた。これにより世界には体主霊従妖気が発生し、神人界に邪悪な分子が発生することとなった。神がわざわざ天足彦と胞場姫を試すようなことをしなければ、邪悪も生まれなかっただろう、という人がいるが、神業は一度進むべき方向が定まったら、逆行したり審判を甘くしたりということは、決してないである。神諭に『時節には神もかなわぬ』とあるは、こことを示しているである。天地剖判から五十六億七千万年を経て、いよいよ弥勒出現暁となった。弥勒神が下生して三界大革正を成就し、松世を顕現するためには、ここに神柱を立て、苦集滅道、道法礼節を開示し、善を勧めて悪を懲らし、至仁至愛教えを布き、世中が太平に治まるため天則を啓示し、天意に基づいた善政を天地に広げていく時期に近づいたである。私は、こような重大な時期に生まれて、こような神業に奉仕することを得ることができれば、これ以上幸いはない。神示には、『神は万物普遍聖霊にして、人は天地経綸司宰なり』とある。私は今こときでなければ、いつ天地神業に奉仕することができるだろうか。いや、今しかないだ。また、言霊幸はう国、言霊天照る国、言霊生ける国、言霊助ける国、神造りしくに、神徳充てる国に生をうけた、神国人たちよ、あなた方もそうなである。神高く、深きに感謝して、国祖大御心に報い奉らなければならない次第である。
主な人物- 舞台- 口述日 口述場所 筆録者 校正日 校正場所 初版発行日1921(大正10)年12月30日 愛善世界社版1頁 八幡書店版第1輯 43頁 修補版 校定版1頁 普及版1頁 初版 ページ備考
OBC rm010003
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本文の文字数3208
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本文  自分が明治三十一年旧二月九日、神使に伴なはれ丹波穴太霊山高熊山に、一週間霊的修業を了へてより天眼通、天耳通、自他神通、天言通、宿命通大要を心得し、神明教義をして今日あるに至らしめたるについては、千変万化波瀾があり、縦横無限曲折がある。旧役員反抗、信者離反、そ誤解、宗教家迫害、親族、知友総攻撃、新聞雑誌、単行本熱罵嘲笑、実に筆紙口舌よくするところでない。自分はただただ開教後廿四年間経緯を、きわめて簡単に記憶より呼び起して、そ一端を示すことにする。
 竜宮館には変性男子神系と、変性女子神系と二大系統が、歴然として区別されてゐる。変性男子は神政出現予言、警告を発し、千辛万苦、神示を伝達し、水をもつて身魂洗礼を施し、救世主再生、再臨を待つてをられた。ヨハネ初めてキリストに対面するまでには、ほとんど七年間、野に叫びつつあつたである。変性男子肉宮は女体男霊にして、五十七才はじめてここに厳御魂神業に参加したまひ、明治二十五年正月元旦より、同四十五年正月元旦まで、前後満二十年間水洗礼をもつて、現世汚濁せる霊体両系一切に洗礼を施し、世界改造神策を顕示したまうた。か欧洲大戦乱ごときは、厳御魂神業発動一端にして、三千世界一大警告であつたと思ふ。
 変性女子肉宮は瑞御魂神業に参加奉仕し、火をもつて世界万民に洗礼を施す神務である。明治三十一年旧二月九日をもつて神業に参加し、大正七年二月九日をもつて前後満二十年間霊的神業をほとんど完成した。物質万能主義、無神無霊魂説に、心酔累惑せる体主霊従現代も、やや覚醒域に達し、神霊実在を認識するも、日に月に多きを加へきたれるは、すなはち神霊偉大なる神機発動結果にして、決して人智人力致すところではないと思ふ。
 変性男子肉宮は神政開祖神業に入り、爾来二十有七年間神筆を揮ひ、もつて霊体両界大改造を促進し、今や霊界に入りても、そ神業を継続奉仕されつつあるである。
 つぎに変性女子は三十年間神業に奉仕して、もつて五六七神政成就を待ち、世界を善道にみちびき、もつて神明徳沢に浴せしむる神業である。神業奉仕以来、本年をもつて満二十三年、残る七ケ年こそ最も重大なる任務遂行難関である。神諭に曰く、
『三十年で身魂立替立直しをいたすぞよ』
と。変性男子三十年神業成就は、大正十一年正月元旦である。変性女子三十年神業成就は、大正十七年二月九日である。神諭に、
『身魂立替立直し』
とあるを、よく考へてみると、主として水洗礼霊体両系改造が三十年であつて、これはヨハネ奉仕すべき神業であり、体霊洗礼霊魂的改造が前後三十年を要するといふ神示である。しかしながら三十年と神示されたは、大要を示されたもで、決して確定的ではない。伸縮遅速は、たうてい免れないと思ふ。要するに、神界御方針は一定不変であつても、天地経綸司宰たるべき奉仕者身魂研不研結果によつて変更されるは止むをえないである。
神諭に、
『天地先祖心が真実に徹底了解たもが少しありたら、樹替樹直しは立派にできあがるなれど、神界誠が解りた人民が無いから、神はいつまでも世に出ることができぬから、早く改心いたして下されよ。一人が判りたら皆者が判つてくるなれど、肝心に判らぬといふも、これには何か一つ原因が無けねばならぬぞよ。自然に気つくまで待つてをれば、神業はだんだん遅れるばかりなり、心から発根改心でなければ、教へてもらうてから合点する身魂では、到底こ御用は務まらぬぞよ。云々』
 実際御経綸が分つてこなくては、空前絶後大神業に完全に奉仕することはできるもではない。御神諭に身魂樹替樹直しといふことがある。ミタマといへば、霊魂ことと思つてゐる人が沢山にあるらしい。身は身体、または物質界を指し、魂とは霊魂、心性、神界等を指したまうたである。すべて宇宙は霊が本で、体が末となつてゐる。身方面、物質的現界改造を断行されるは国祖大国常立神であり、精神界、神霊界改造を断行したまふは、豊国主神神権である。ゆゑに宇宙一切は霊界が主であり、現界が従であるから、これを称して霊主体従といふである。
 霊主体従身魂を霊身魂といひ、体主霊従身魂を自己愛智身魂といふ。霊主体従身魂は、一切天地律法に適ひたる行動を好んで遂行せむとし、常に天下公共ために心身をささげ、犠牲的行動をもつて本懐となし、至真、至善、至美、至直大精神を発揮する、救世神業に奉仕する神や人身魂である。体主霊従身魂は私利私欲にふけり、天地神明を畏れず、体欲を重んじ、衣食住にみ心を煩はし、利によりて集まり、利によつて散じ、そ行動は常に正鵠を欠き、利己主義を強調するほか、一片義務を弁へず、慈悲を知らず、心はあたかも豺狼ごとき不善神や、人をいふである。
 天大神は、最初に天足彦、胞場姫ふたりを造りて、人体祖となしたまひ、霊主体従神木に体主霊従果実を実らせ、
『こ果実を喰ふべからず』
と厳命し、そ性質いかんを試みたまうた。ふたりは体欲にかられて、つひにそ厳命を犯し、神怒りにふれた。
 これより世界は体主霊従妖気発生し、神人界に邪悪分子萠芽を見るにいたつたである。
かくいふ時は、人あるひは言はむ。
『神は全智全能にして智徳円満なり。なんぞ体主霊従萌芽を刈りとり、さらに霊主体従人体祖を改造せざりしや。体主霊従祖を何ゆゑに放任し、もつて邪悪世界をつくり、みづからそ処置に困むや。ここにいたりて吾人は神存在と、神力とを疑はざるを得じ』
とは、実に巧妙にしてもつとも至極な議論である。
 されど神明には、毫末依怙なく、逆行的神業なし。一度手を降したる神業は昨日今日たり難きがごとく、弓をはなれたる矢中途に還りきたらざるごとく、ふたたび之を更改するは、天地自然経緯に背反す。ゆゑに神代一代は、これを革正すること能はざるところに儼然たる神権威をともなふである。また一度出でたる神勅も、これを更改すべからず。神にしてしばしばそ神勅を更改し給ふごときことありとせば、宇宙秩序はここに全く紊乱し、つひには自由放漫端を開くをもつてである。古諺にも『武士言葉に二言なし』といふ。いはんや、宇宙大主宰たる、神明においてをやである。神諭にも、
『時節には神も叶はぬぞよ。時節を待てば煎豆にも花咲く時節が参りて、世に落ちてをりた神も、世に出て働く時節が参りたぞよ。時節ほど恐いも結構なもは無いぞよ、云々』
と示されたるがごとく、天地神明も『時』みは、いかんとも為したまふことはできないである。
 天地剖判始めより、五十六億七千万年星霜を経て、いよいよ弥勒出現暁となり、弥勒神下生して三界大革正を成就し、松世を顕現するため、ここに神柱をたて、苦・集・滅・道を説き、道・法・礼・節を開示し、善を勧め、悪を懲し、至仁至愛教を布き、至治泰平天則を啓示し、天意まま善政を天地に拡充したまふ時期に近づいてきたである。
 吾人はかかる千万億歳にわたりて、ためしもなき聖世過渡時代に生れ出で、神業に奉仕することを得ば、何幸か之に如かむやである。神示にいふ。
『神は万物普遍聖霊にして、人は天地経綸司宰なり』
と。アゝ吾人はこ時をおいて何れ代にか、天地神業に奉仕することを得む。
 アゝ言霊幸はふ国、言霊天照る国、言霊生ける国、言霊助ける国、神造りし国、神徳充てる国に生を稟けたる神国人においてをや。神高く、深きに感謝し、もつて国祖大御心に報い奉らねばならぬ次第である。
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