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文献名1霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻
文献名2第1篇 幽界の探険よみ(新仮名遣い)ゆうかいのたんけん
文献名3第1章 霊山修業〔1〕よみ(新仮名遣い)れいざんしゅぎょう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2024-10-20 18:44:49
あらすじ
高熊山は上古は高御倉山と言った。開化天皇を祭った延喜式内小幡神社のあったところである。武烈天皇が継嗣を定めようとされたときに、穴太の皇子が高熊山山中に逃れ給い、やむなく天皇は継体天皇に御位を譲りたもうた、という故事が残っている。

高熊山には、古来『朝日照る、夕日輝く、高倉の、三ツ葉躑躅の其の下に、黄金の小判千両埋けおいた』というものである。自分は大正九年に登山して、ふと休息すると足元に三ツ葉躑躅が生えているのを見出し、はじめてその謎が解けたのである。

「朝日照る」:天津日の神の御稜威(みいづ)が、旭が昇る勢いで世界全体に輝きわたり、夕日が輝くというように、他の国々までも神徳が行き渡る黄金時代が来る、ということであり、この霊山に、その神威霊徳を秘めておいた、という神界の謎である。

「三ツ葉躑躅」とは、三つの御魂、瑞霊を意味する。ツツジとは、万古不易という意味の言霊である。

「小判千両埋けおいた」:大判は上を意味し、小判は下を意味する。判は確固不動の権力の意味である。また、小判は小幡でもあり、神教顕現地(こばん)ともなる。穴太の産土に、開化天皇を御祭神とする小幡神社が御鎮座されていたのも、畏れ多くも深い神策によることであると思われる。

自分が明治三十一年如月の九日、富士浅間神社の祭神・木花咲耶姫命の神使である松岡芙蓉仙人に導かれて、高熊山に一週間の修業を命じられたのも、決して偶然ではないと思われる。

神示のままに修業した自分の霊力発達の程度は、非常に迅速であり、過去、現在、未来に透徹し、神界の秘奥をうかがい知ることができ、また現界の出来事は数百年数千年の後までことごとく知るに至った。

しかしながらすべては一切神界の秘密に属することであるので、残念ながら今日これを詳細に発表することはできないのである。
主な人物上田喜三郎 舞台高熊山 口述日 口述場所 筆録者 校正日 校正場所 初版発行日1921(大正10)年12月30日 愛善世界社版11頁 八幡書店版第1輯 49頁 修補版 校定版11頁 普及版6頁 初版 ページ備考
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本文  高熊山は上古は高御座山と称し、のちに高座といひ、ついで高倉と書し、つひに転訛して高熊山となつたのである。丹波穴太の山奥にある高台で、上古には開化天皇を祭りたる延喜式内小幡神社の在つた所である。武烈天皇が継嗣を定めむとなしたまうたときに、穴太の皇子はこの山中に隠れたまひ、高倉山に一生を送らせたまうたといふ古老の伝説が遺つてをる霊山である。天皇はどうしても皇子の行方がわからぬので、やむをえず皇族の裔を探しだして、継体天皇に御位を譲りたまうたといふことである。またこの高熊山には古来一つの謎が遺つてをる。
『朝日照る、夕日輝く、高倉の、三ツ葉躑躅の其の下に、黄金の鶏小判千両埋けおいた』
 昔から時々名も知れぬ鳥が鳴いて、里人に告げたといふことである。自分は登山するごとに、三ツ葉躑躅の株は無いかと探してみたが、いつも見当らなかつた。大正九年の春、再度登山して休息してをると、自分の脚下に、その三ツ葉躑躅が生えてをるのを見出し、はじめてその歌の謎が解けたのである。
 『朝日照る』といふ意義は、天津日の神の御稜威が旭日昇天の勢をもつて、八紘に輝きわたり、夕日輝くてふ、他の国々までも神徳を光被したまふ黄金時代の来ることであつて、この霊山に神威霊徳を秘めおかれたといふ神界の謎である。
 『三ツ葉躑躅』とは、三つの御霊、瑞霊の意である。ツツジの言霊は、万古不易の意である。『小判千両埋けおいた』大判は上を意味し、小判は下にして、確固不動の権力を判といふのである。すなわち小判は小幡ともなり、神教顕現地ともなる。穴太の産土神社の鎮座ありしも、御祭神が開化天皇であつたのも深い神策のありませることと恐察し得られる。これを思へばアゝ明治卅一年如月の九日、富士浅間神社の祭神、木花咲耶姫命の天使、松岡芙蓉仙人に導かれて、当山に自分が一週間の修業を命ぜられたのも、決して偶然ではないとおもふ。
 神示のまにまに高熊山に出修したる自分の霊力発達の程度は、非常に迅速であつた。汽車よりも飛行機よりも電光石火よりも、すみやかに霊的研究は進歩したやうに思うた。たとへば幼稚園の生徒が大学を卒業して博士の地位に瞬間に進んだやうな進歩であつた。過去、現在、未来に透徹し、神界の秘奥を窺知し得るとともに、現界の出来事などは数百年数千年の後まで知悉し得られたのである。しかしながら、すべて一切神秘に属し、今日これを詳細に発表することのできないのを遺憾とする。
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