先は自分の間違いであったことを悟り、心を改めて一直線に神界への旅路についた。神言を唱えながら歩いていき、「幸」という男と「琴」という女が道連れになった。
細い道が幾筋となく展開するところに出た。自分はどの道を選んだらよいか、途方にくれたが、その中で正中と思われる小路を選んだ。橋をいくつも渡ったが、ある橋にさしかかると、真っ黒な四足の動物が現れて、自分を橋の下の川に投げ込んでしまった。
道に沿って溝を泳いで戻り、元の道まで引き返してきた。真っ黒な動物が追いかけてきたが、二匹の白狐が追い払った。再び道を選び、今度は三人が別々の道を進んだ。
山の中腹にさしかかり、大きな滝に出くわした。その滝で身を清めようと打たれてみると、自分の姿は大蛇になってしまった。すると、「琴」という女も大蛇の姿になって苦しんでいるのを見た。
山が急に海に変わると、「琴」の大蛇はものすごい勢いで行ってしまった。すると海も川もなくなって、自分は元の道の別れている場所に戻っていた。
今度は一番細い道を行くと、病人が狸を拝んでいたので、鎮魂で狸を追い払った。病人たちは感謝して喜び、取りすがってきたので一歩も進むことができない。天の声に促されて天の岩笛を吹くと、何もかも消えて、広い平坦な場所に進んでいた。