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文献名1霊界物語 第1巻 霊主体従 子
文献名2第2篇 幽界より神界へよみ(新仮名遣い)ゆうかいよりしんかいへ
文献名3第16章 神界旅行三〔16〕よみ(新仮名遣い)しんかいりょこう(三)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじさらに進んでいくと、母や祖母や隣人声と姿を使って、怒ったような泣いたような顔で、自分神界行きを妨害しようとする者がある。そこへ「幸」という男が現れて助けてくれた。自分は執着を捨てて北へ北へと進んでいった。川辺に老いた松が生え、左側には絶壁山が立っている場所で、男女が道をふさいだ。そして、自分たちは幽界をしろしめす大王肉身系統者である、と語った。男女は北へ行くと大王にあえるで、自分たち言付けがあったと伝えてほしい、と言った。こ者たちは信仰強い者たちだが、恐ろしい顔天狗と金毛九尾白狐という容易ならない物に魅入られていた。さらに北に進むと、狐を殺した罪で畜生道に落ちた女に出会った。また、強欲ために多く人を不幸や死に追いやった「横」という男が、怨霊に苦しめられていた。天照大御神に「惟神霊幸倍坐世」と唱えて天然笛を吹くと、怨霊たちは解脱することができた。真西には、山猟で多く狐を殺した男が、狐たち怨霊に苦しめられていた。自分は狐たちに、復讐に走るよりも、めいめい改心して人界へ生まれ変わったらどうか、と諭した。狐たちに変わって天地へお詫びを申し上げると、狐たちはたちまち男女姿に変わることができた。そとき数十霊は、一部は今日でも神界御用をしているもがある。途中で逃げてしまったももあれば、再び畜生道に堕ちたももあった。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年10月19日(旧09月19日) 口述場所 筆録者桜井重雄 校正日 校正場所 初版発行日1921(大正10)年12月30日 愛善世界社版80頁 八幡書店版第1輯 74頁 修補版 校定版80頁 普及版42頁 初版 ページ備考
OBC rm0116
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本文  扇でたとへると丁度骨を渡つて白紙ところへ着いた。ヤレヤレと一息して傍芝生上に身を横たへて一服してゐた。するとはるか遠く北方にあたつて、細い幽かな悲しい蚊泣くやうな声で、「オーイ、オーイ」と自分を呼ぶいやらしい声がしてきた。自分は思案にくれてゐると、南方背後から四五人声で自分を呼び止める者がある。母や祖母や隣人声にどこか似てゐる。フト南方声に気をひかれ気が付けば、自分身体はいつまにか穴太自宅へ帰つてゐた。
 これは幽界ことだが、母後に妙な顔をした、非常に悲しさうに、かつ立腹したやうな、一口に言へば怒つたと泣いたが一緒になつたやうな顔した者が付いてゐる。それが母口を藉つていふには、
『今かうして老母や子供を放つておいて神界御用にゆくは結構だが、祖先後を守らねばならぬ。それに今お前に出られたら、八十に余る老母があり、たくさん農事を自分一人でやらねばならぬ。とにかく思ひ止まつてくれ』
と自分を引き止めて、行かさうとはささぬ。そこへまた隣家から「松」と「正」といふ二人が出てきて、祖先になり代つて意見すると言つて頻りに止める。二人は、
『お前、神界とか何とか言つたところで、家庭を一体どうするだ』
と喧しく言ひこめる。そ時たちまち老祖母衰弱した姿が男神様に変つてしまつた。そして、
『汝は神界命によつてするであるから、小さい一身一家事は心頭にかくるな。世界を此ままに放つておけば、混乱状態となつて全滅するより道はないから、三千世界ために謹んで神命を拝受し、一時も早く此処を立ち去れよ』
と戒められた。すると矢庭に「松」と「正」とが自分羽織袴を奪つて丸裸になし、それから鎮魂玉をも天然笛をも引たくつて池中へ投り込んでしまつた。そこへ「幸」といふ男が出てきて、いきなり自分が裸になり、そ衣服を自分に着せてくれ、天然笛も鎮魂玉も池中から拾うて私に渡してくれた。
 自分は一切執着を捨てて、神命まにまに北へ北へと進んで、知らぬまに元八衢へ帰つておつた。これは残念なことをしたと思つたが、もと来た道をすうと通つて、扇形道を通りぬけ白紙所へ辿りついた。そ時、「幸」が白扇半ほどところまで裸まま送つて来たが、そこで何処ともなく姿を消してしまつた。やはり相変らず、細い悲しいイヤらしい声が聞えて来る。そ時、自分身体は電気に吸ひつけられるやうに、北方へ北方へと進んで行く。一方には大きな河が流れてあり、そ河辺には面白い老松が並んでゐる。左側には絶壁山が屹立して、一方は河、一方は山で、其処をどうしても通らねばならぬ咽喉首である。そ咽喉首所へ行くと、地中から頭をヌツと差出し、つひには全身を顕はし、狭い道に立ち塞がつて、進めなくさせる男女があつた。
 そこで鎮魂姿勢をとり天然笛を吹くと、二人男女は温順な顔付にて、女は自分に一礼し、
『あなたは予言者やうに思ひますから、私家へお入り下さいまし。色々お願ひしたいことがございます』
と言つた。そ時フト小さな家が眼前にあらはれてきた。そ夫婦に八頭八尾守護神が憑依してゐた。夫婦話によれば、
『大神命により神界旅行人を幾人も捉へてみたが、真人に会はなかつたが、はじめて今日目的人に出会ひました。実は私は、地高天原にあつて幽界を知ろしめす大王肉身系統者です。どうぞ貴方はこ道を北へ北へと取つていつて下さい、さうすれば大王に面会ができます。私が言伝をしたと言つて下さい』
と言つて頼む。
『承知した、それなら行つて来よう』
 こう言つて立ち去らうとする時、男女後に角生えた恐い顔をした天狗と、白狐金毛九尾になつたが眼についた。こ肉体としては実に善い人間で、信仰強い者だが、そ背後には、容易ならぬ物が魅入つてゐることを悟つた。そままにして自分は一直線に地高天原へ進んで行つた。トボトボと暫くあひだ北へ北へと進みゆくと、一つ木造大橋がある。橋袂へさしかかると川向ふ岸にあたり、不思議な人間泣き声や狐声が聞えた。自分はそ声をたどつて道を北へとつて行くと、親子三人者が寄つて集つて、穴にゐる四匹狐を叩き殺してゐた。見るみる狐は殺され、同時にそ霊は女に憑いてしまつた。女名は「民」といふ。女は狐怨霊ために忽ち膨れて脹満やうな病体になり、俄然苦悶しはじめた。そこで其膨れた女にむかつて、自分は両手を組んで鎮魂をし、神明に祈つてやると、そ体は旧健康体に復し、三人は合掌して自分にむかつて感謝する。されど彼殺された四匹霊はなかなかに承知しない。
『罪なきもを殺されて、これで黙つてをられぬから、あくまでも仇討をせねばおかぬ』
と、怨めしさうに三人を睨みつめてゐる。狐方ではそ肉体を機関として、四匹ながら這入つて生活を続けてゆきたいから、神様に願つて許していただきたいと嘆願した。
 自分はこ処置に惑うて、天にむかひ裁断を仰いだ。すると天一方より天使が顕はれ、産土神も顕はれたまひて、
『是非なし』
と一言洩らされた。氏子であるとは言ひながら、罪なきもを打ち殺したこ女は、畜生道へ堕ちて狐容器とならねばならなかつた。病気は治つたが、極熱と極寒と苦しみを受け、数年後に国替した。現界で言へば稲荷下やうなことをやつたである。
 やや西南方にあたつてまた非常な叫び声が聞えてきた。すぐさま自分は声を尋ねて行つてみると、盲目親爺に狸が憑依し、また沢山怨霊が彼をとりまいて、眼を痛めたり、空中へ身体を引き上げたり、さんざんに親爺を虐めてゐる。見ると親爺ところに棒やうなもがあつて、それに綱がかかつてをり、柱真に取付けられた太綱を寄つてたかつて、弛めたり引きしめたりしてゐるが、落下する時は川淵までつけられ、つり上げられる時は、太陽極熱にあてられる。そして釣り上げられたり、曳き下されたりする上下速さ。こ親爺は「横」といふ男である。
 なぜにこんな目に遇ふかと理由を聞けば、こ男は非常に強欲で、他人に金を貸しては家屋敷を抵当にとり、ほとんど何十軒とも知れぬほど、そ手でやつては財産を作つてきた。そために井戸にはまつたり、首を吊つたり、親子兄弟が離散したりした者さへ沢山にある。そ霊がことごとく怨念ために畜生道へ堕ち入り、狐や狸仲間入りをしてゐるであつた。そすべて生霊や亡霊が、身体中からも、外からも、攻めて攻めて攻めぬいて命をとりにきてゐるである。
 何ゆゑ神界へ行く道において、地獄道やうなことをしてゐるを神がお許しになつてゐるかと問へば、天使説明には、
『懲戒ために神が許してある。そ長い太い綱は首を吊つた者綱が凝固つたである。毒を嚥んで死んだ人があるから、毒が身中に入つてゐる。川へはまつた者があるから川へ突つ込まれる。これが済めば畜生道へ墜ちて苦しみを受けるである』
と。あまり可愛相であるから私は天照大御神へお願ひして「惟神霊幸倍坐世」と唱へ天然笛を吹くと、そ苦しみは忽ち止んでしまつた。そして狐狸に化してゐる霊は嬉々として解脱した。そ顔には桜色を呈してきたももある。これら霊はすべて老若男女人間に一変した。すると産土神が現はれて喜び感謝された。自分もこれは善い修業をしたと神界へ感謝し、そこを立ち去つた。が、「横」といふ男肉体は一週間ほど経て現界を去つた。
 それからまた真西にあたつて叫び声がおこる。猿を責めるやうな叫び声がする。そ声を尋ねてゆくと、本当狐が数十匹集まり、一人男を中において木にくくりつけ、「キヤツ、キヤツ」と言はして苦しめてゐる。そ手足はもぎとられ、骨は一本々々砕かれ、滅茶々々にやられてゐるに現体が残つたままそこに立つてゐる。自分はこれを救ふべく、神名を奉唱し型ごとく鎮魂姿勢をとるや否や、すべて狐は平伏してしまつた。何故そんな事をするかと尋ぬれば、中でも年老つた狐がすすみでて、
『こ男は山猟が飯よりもすきで、狐穽を作つたり、係蹄をこしらへたりして楽んでゐる悪い奴です。それがために吾々一族は皆命をとられた。生命をとられるとは知りつつも、油揚げなど好きな物があればついかかつて、ここにゐるこれだけ狐はことごとく命をとられました。それでこ幽体現体共に亡ぼして、幽界で十分に復讐したい考へである』
といふ。そこで私は、
『命をとられるは自分も悪いからである。それよりはいつそ各自改心して人界へ生れたらどうだ』
と言へば、
『人界へ生れられますか』
と尋ねる。自分は、
『生れられるだ』
と答ふれば、
『自分らはこんな四ツ足だから駄目だ』
といふ絶望意を表情で現はしたが、自分は、
『汝らに代つて天地へお詫をしてやらう』
と神々へお詫をするや否や、「中」といふ男幽体は見るまに肉もつき骨も完全になつて旧身体に復り、いろいろ狐はたちまち男や女人間姿になつた。そ数十霊は、一部分今日でも神界御用をしてゐるももあり、途中で逃げたももある。中には再び畜生道へ堕ちたももある。
(大正一〇・一〇・一九 旧九・一九 桜井重雄録)
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