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文献名1霊界物語 第1巻 霊主体従 子
文献名2第2篇 幽界より神界へよみ(新仮名遣い)ゆうかいよりしんかいへ
文献名3第18章 霊界情勢〔18〕よみ(新仮名遣い)れいかいじょうせい
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2019-05-20 19:28:04
あらすじ神界と幽界には、時間空間を超越している。過去・現在・未来が一度に鏡にかけたように見えるが、そ区別は歴然と推断される。時間差異こそあれ、霊界で目撃したことは、必ず現界に現れてくる。天界は天照大御神ご支配であるが、これについては後述する。ここでは地上神界紛乱状態を明らかにする。地上神界主宰者は国常立尊であった。しかし事情によって引退せざるを得なくなった。そ後を襲ったは盤古大神という神である。盤古大神は悪神ではなく従順な神であった。国常立尊時代には国家ような境界はなかった。しかし天孫降臨以来、日本をはじめとしてさまざまな国家が誕生したである。そして支那に生まれた盤古大神は、葦原中津国にやってきて国祖後を襲った。そして八王大神という直属番頭神を使って、地世界諸国を統括したである。また、各国々には、それぞれ番頭神として、八王八頭という神々を配置した。これが、国常立尊後復権まで神界有様である。盤古大神世になってから、各地に三種悪霊・悪神が生じた。露国あたり:八頭八尾大蛇(各国八王八頭番頭神身魂を侵した)印度:金毛九尾白面悪狐(各国八王八頭番頭神妻神に憑依)ユダヤ:邪鬼(すべて神界ならびに現界組織を打ち壊して、自分が盟主となって全世界を妖魅界にしようともくろむ)日本は神国であり、これら悪神影響を免れたが、地上神界はこれら悪神たちによって混乱きわみに陥った。ここにおいて天上にまします至仁至愛大神は、こままでは神界、現界、幽界ともに破滅してしまうと思し召し、ふたたび国常立尊を召し出されて、神界および現界建替を委任した。坤之金神、金勝要神、竜宮乙姫、日出神が大神業補佐に任じられた。また、天津神嫡流である木花咲耶姫命、彦火々出見命が神業を手伝うことになった。そもそも太古、葦原瑞穂中津国は、大国主命が武力をもって天下を治めていたが、天祖が天使を使わして武力で大国主命権力をけん制した。そため、大国主神も力尽きて、現界政権を天命にしたがって、天孫に奉還したであった。こ太古時代天孫ご降臨は、現在日本ような小さな区画を支配するというではなく、全地球現界を治めるため降臨であったである。しかしながら未完成な世界にはあらゆる邪悪が充満しているため、天大神様ご大望が完成するにいたらなかった。それどころか、弱肉強食修羅巷と化してしまい、地上神界、現界がほとんどまったく崩壊しようという状態に立ち至ったである。こような情勢に、天津神様は命令を下し給い、盤古大神に地上一切幽政権利を奉還させ、国常立尊に返すことになった。盤古大神は時節を知り、素直に大神様ご命令を奉戴することになった。しかし、八王大神以下国魂は、邪神ために精霊が汚されていたで、こような時節においても、悪事を画策していた。かくして、国常立尊が地上神界を統一する時節はすでに近づいている。神界平定後は、国常立尊は幽政を総覧し、大国主命は日本幽政をつかさどるはずである。しかし現時点では、悪霊・悪神たちが、盤古大神を擁立して、幽界および現界を支配しようと悪計をめぐらしている。天界では事態が容易でないことを見て取り、御三体大神が地上に降臨して、国常立尊ご経綸に加勢することになった。国常立尊は、御三体大神様ために仮御息所を蓮華台上に建設してお迎え奉ることになる。したがって、天御三体大神様御息所ができれば、神界経綸がいっそう進んだ証拠であると拝察することができるである。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年10月20日(旧09月20日) 口述場所 筆録者谷口正治 校正日 校正場所 初版発行日1921(大正10)年12月30日 愛善世界社版98頁 八幡書店版第1輯 81頁 修補版 校定版98頁 普及版52頁 初版 ページ備考
OBC rm0118
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本文  ここで自分は、神界幽界現界にたいする関係を一寸述べておかうと思ふ。
 神界と幽界とは時間空間を超越して、少しも時間的観念はない。それゆゑ霊界において目撃したことが、二三日後に現界に現はれることもあれば、十年後に現はれることもあり、数百年後に現はれることもある。また数百年数千年前太古を見せられることもある。そ見ゆる有様は過去、現在、未来が一度に鏡にかけたごとく見ゆるもであつて、あたかも過去、現在、未来区別なきが如くにして、しかもそ区別がそれと歴然推断され得るである。
 霊界より観れば、時空、明暗、上下、大小、広狭等すべて区別なく、皆一様平列的に霊眼に映じてくる。
 ここに自分が述べつつあることは、霊界において見た順序ままに来るとはかぎらない。霊界において一層早く会ふた身魂が、現界では一層晩く会ふこともあり、霊界にて一層後に見た身魂を、現界にて一層早く見ることもある。今回三千世界大神劇に際して、檜舞台に立つところ霊界役者たち霊肉一致行動は、自分が霊界において観たところとは、時間において非常に差異がある。
 されど自分は、一度霊界で目撃したことは、神劇として必ず現界に再現してくることを信ずるもである。
 さて天界は、天照大御神御支配であつて、これは後述することにするが、今は地上神界紛乱状態を明らかにしたいと思ふ。今までは地上神界主宰者たる国常立尊は、「表神諭」に示されたるごとくに、やむを得ざる事情によつて、引退され給うてゐられた。
 それに代つて、太古において衆望を担うて、国常立尊後を襲ひたまうた神様は、現在は支那といふ名で区劃されてゐる地域に、発生せられたる身魂であつて、盤古大神といふ神である。こ神はきはめて柔順なる神にましまして、決して悪神ではなかつた。ゆゑに衆神より多大望みを嘱されてゐたまうた神である。今でこそ日本といひ、支那といひ露西亜といひ、種々に国境が区劃されてゐるが、国常立尊御神政時代は、日本とか外国とかいふやうな差別は全くなかつた。
 ところが天孫降臨以来、国家といふ形式ができあがり、いはゆる日本国が建てられた。従つて水火沫凝りてなれるてふ海外地にも国家が建設されたである。さて、いはゆる日本国が創建され、諸々国々が分れ出でたるとき、支那に生まれたまうた盤古大神は、葦原中津国に来たりたまひて国祖後を襲ひたまふた上、八王大神といふ直属番頭神を御使ひになつて、地世界諸国を統轄せしめられた。一方いはゆる外国には、国々国魂神および番頭神として、国々に八王八頭といふ神を配置された。丁度それは日本国に盤古大神があり、そ下に八王大神がおかれてあつたやうなもである。日本本土における八王大神は、諸外国八王八頭を統轄し、そ上を盤古大神が総攬したまひましたが、八王八頭は決して悪神ではない。天から命ぜられて各国国魂となつたは八王であり、八頭は宰相位置役である。こういふ風なが、今日、国常立尊御復権まで神界有様である。
 さうかうするうちに、露国あたりに天地邪気が凝りかたまつて悪霊が発生した。これがすなはち素盞嗚命言向和された、か醜い形八頭八尾大蛇姿をしてゐたである。こ八頭八尾大蛇霊が霊を分けて、国々国魂神および番頭神なる八王八頭身魂を冒し、次第に神界を悪化させるやうに努力しながら現在にいたつたである。しかるに一方印度においては、極陰性邪気が凝りかたまつて金毛九尾白面悪狐が発生した。こ霊はおまた霊を分けて、国々八王八頭相手方霊にり憑つた。
 しかして、また一つ邪気が凝り固まつて鬼姿をして発生したは、猶太土地であつた。こ邪鬼は、すべて神界並びに現界組織を打ち毀して、自分が盟主となつて、全世界を妖魅界にしやうと目論みてゐる。しかしながら日本国は特殊なる神国であつて、こ三種悪神侵害を免れ、地上に儼然として、万古不動に卓立してをることができた。こ悪霊三つ巴はたらきによつて、諸国国魂統制力はなくなり、地上世界は憤怒と、憎悪と、嫉妬と、羨望と、争闘など諸罪悪に充ち満ちて、つひに収拾すべからざる三界紛乱状態を醸したである。
 ここにおいて、天上にまします至仁至愛大神は、こままにては神界、現界、幽界も、共に破滅淪亡外はないと観察したまひ、ふたたび国常立尊をお召出し遊ばされ、神界および現界建替を委任し給ふことになつた。さうして坤之金神をはじめ、金勝要神、竜宮乙姫、日出神が、こ大神業を輔佐し奉ることになり、残らず金神すなはち天狗たちは、お分担に従つて御活動申し上げ、白狐は下郎役として、それぞれ神務に参加することになつた。ここにおいて天津神嫡流におかせられても、木花咲耶姫命と彦火々出見命は、事態容易ならずと見たまひ、国常立尊神業を御手伝ひ遊ばすこととなり、正神界御経綸は着々そ歩を進め給ひつつあるである。それと共にそれぞれ因縁ある身魂は、すべて地高天原に集まり、神界修行に参加し、御経綸端なりとも奉仕さるることになつてをるである。
 そもそも太古、葦原瑞穂中津国は大国主命が武力をもつて、天下をお治めになつてゐた。天孫降臨に先だち、天祖は第三回まで天使をお遣しになり、つひには武力をもつて大国主命権力を制し給うた。大国主神も力尽きたまひ、現界御政権をば天命ままに天孫に奉還し、大国主御自身は、青芝垣にかくれて御子事代主と共に、幽世を統治したまふことになつた。
 こ時代天孫御降臨は、現在日本なる地上小区劃を御支配なし給ふためではなく、実に全地球現界を知食すため御降臨であり給うた。しかしながら未完成なる世界には、憎悪、憤怒、怨恨、嫉妬、争闘等あらゆる邪悪が充満してゐるために、天大神様御大望は完成するにいたらず、従つて弱肉強食修羅巷と化し去り地上神界、現界は、ほとんど全く崩壊淪亡しやうとする場合に立ちいたつたである。
 かかる情勢を見給ひし天津神様は、命令を下したまひて、盤古大神は地上一切幽政御権利を、艮金神国常立尊に、ふたたび御奉還になるやむなき次第となつた。ここに盤古大神も既に時節きたれるを知り、従順に大神様御命令を奉戴遵守したまうた。しかるに八王大神以下国魂は、邪神ためにそ精霊を全く汚されきつてゐるで、まだまだ改心することができず、いろいろと悪策をめぐらしてゐたである。なかには改心幾分見えた神もあつた。
 かく如くにして国常立尊が、完全に地上神界を御統一なしたまふべき時節は、既に已に近づいてゐる。神界有様は現界にうつりきたり、神界平定後は天津日嗣命が現界を治め給ひ、国常立尊は幽政を総纜したまひ、大国主命は日本幽政をお司りになるはずである。しかし現在ではまだ、八頭八尾大蛇、金毛九尾悪狐および鬼霊は、盤古大神を擁立して、幽界および現界を支配しやうと、諸々悪計をめぐらしつつあるである。
 しかしながら従順な盤古大神は、神界に対するかかる反逆に賛同されないで、邪鬼霊はみづから頭目となり、赤色旗を押立てていろいろ身魂をそ眷族に使ひつつ、高天原乗取策を講じてゐる。
 そこで天よりは事態容易ならずとして、御三体大神が地上に降臨ましまして、国常立尊御経綸を加勢なしたまふことになり、国常立尊は仮御息所を蓮華台上に建設して、御三体大神様を奉迎し給ふこととなるである。
 したがつて、御三体大神様御息所ができたならば、神界御経綸が一層進んだ証拠だと拝察することができる。
(大正一〇・一〇・二〇 旧九・二〇 谷口正治録)
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