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文献名1霊界物語 第1巻 霊主体従 子
文献名2第3篇 天地剖判よみ(新仮名遣い)てんちぼうはん
文献名3第21章 大地修理固成〔21〕よみ(新仮名遣い)だいちしゅうりこせい
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ大国常立尊は地世界最高山頂に登って四方を見渡せば、日月星辰は顕現し、地に山川草木は発生してたとは言え、樹草類はまだか弱い柔らかいもであった。そこで息吹を放つと、十二神々が御出現した。十二神々起こした風で樹木は吹き倒されたで、大国常立尊はご自身骨を粉々に噛み砕き、四方に散布された。そ粉末を吸収して、動物には骨が出来、植物は特有形を取ることになった。また、岩石鉱物が発生した。これが岩神である。依然として太陽は強烈な光熱を放射し、月が地上水を吸収し続けているで、大国常立尊はもろもろ竜神に命じて、海水を持ってこさせた。国祖が海水を天に息吹くと、雲が起こり雨が降り始めた。こ竜神たちを雨神と名づけられた。国祖は、雨を調節するために太陽熱を吸って放射した。こ熱から火竜神が生まれた。ここまで書いた天地造成には、数十億年歳月を要しているである。国祖は人類を始め動物、植物をおつくりになられた。人間には日大神と月大神霊魂を付与し、肉体は国常立尊主宰とした。そして、神ご意思を実行する機関とされた。これが人生目的である。神示に『神は万物普遍霊にして人は天地経綸大司宰なり』とあるも、こ理によっているである。地一方では、天地間にかすように残っていた邪気が凝って、悪竜、悪蛇、悪狐、邪鬼、妖魅となって人間に憑依し、邪霊世界を作ることを企て始めた。大国常立大神は憤りから深い吐息を吐き給い、八種雷神や荒れ神が生まれた。荒れ神、地震神が発動するは、人類へ警告である。大国常立尊が天地を修理固成してからほとんど十万年期間は、区画された国家もなかった。しかし世がだんだんと悪化して、大神ご神慮にかなわぬことが始まった。そこで大神は再び地上修理固成を企画し、大声を発して地団駄を踏んだ。これにより現今アフリカ、南北アメリカ大陸が出現した。また、太平洋ができ、そこに竜形島が現れた。日本国土は大国常立尊竜体形そである。もと黄金柱が立っていた場所にあり、柱が東北から西南に倒れた場所である。そこで、自転倒嶋(おころじま)と言う。こ嶋が四方を海に囲まれているは、神々お休みどころとするためであり、日本土地全体は、大神御肉体である。それから大神は、太陽と太陰から陽気と陰気を吸い込んで、息吹狭霧を吐き出した。こ狭霧から、稚姫君命が現れた。こ再度修理固成により、地上生き物はほとんど絶滅した。そこで大神は、再び神々と人間を生む必要を感じ、稚姫君命は天稚彦という夫神をもって、三男五女神を生みたもうた。再度修理固成を行うに至ったは、天が乱れると地が乱れ、地が乱れると天が乱れることで、そ乱れが互いに現れて来るからである。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年10月20日(旧09月20日) 口述場所 筆録者谷口正治 校正日 校正場所 初版発行日1921(大正10)年12月30日 愛善世界社版122頁 八幡書店版第1輯 89頁 修補版 校定版122頁 普及版63頁 初版 ページ備考
OBC rm0121
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本文  大国常立尊はそこで、きはめて荘厳な、厳格な犯すことできない、すばらしく偉大な御姿を顕はし給ひて、地世界最高山巓にお登り遊ばされて四方を見渡したまへば、もはや天に日月星辰完全に顕現せられ、地に山川草木は発生したとはいへ、樹草類はほとんど葱やうに繊弱く、葦やうに柔かなもであつた。そこで国祖は、そ御口より息吹を放つて風を吹きおこし給うた。そ息吹によつて十二神々が御出現遊ばされた。
 ここに十二神々は、お分担を定めて、風を吹き起したまうたが、そ力によつて松、竹、梅をはじめ、一切樹草はベタベタに、そ根本より吹倒されてしまうた。大国常立尊はこ有様を眺めたまうて、御自身骨をば一本抜きとり、自ら歯をもつてコナゴナに咬みくだき、四方に撒布したまうた。
 すべて軟かき動植物は、そ粉末を吸収して、そ質非常に堅くなり、倒れてゐた樹草は直立し、海鼠やうに柔軟匍匐してゐた人間そ諸動物も、こ時はじめて骨が具はり、敏活に動作することが出来るやうになつた。五穀が実るやうになり、葱やうに一様に柔かくして、区別さへ殆どつかなかつた一切植物は、はつきりと、お特有形体をとるやうになつたも此時である。骨粉末固まり着いた所には岩石ができ、諸々鉱物が発生した。これを称して岩神と申し上げる。
 しかるに太陽は依然として強烈なる光熱を放射し、月は大地吸収を続けてゐるから、地上樹草は次第に日に照りつけられて殆ど枯死せむとし、動物も亦こ旱天つづきに非常に困つてゐた。しかし月からは、まだ水を吸引することを止めなかつた。こままで放任しておくならば、全世界は干鰈を焦したやうに燻つてしまふかも知れないと、大国常立尊は山上に昇つて、まだ人体化してをらぬ諸々竜神に命じて、海水を口に銜んで持ちきたらしめ給うた。
 諸々竜神は命を奉じて、海水を国祖許に持ちきたつた。国祖はそ水を手に受けて、やがてそれを口に呑み、天に向つて息吹をフーと吹き放たれた。すると天上には色濃い雲や淡い雲や、そ他種々雑多雲が起つてきた。たちまち雲からサツと地上に雨が降りはじめた。こ使神であつた竜神は無数にあつたが、国祖はこれを総称して雨神と名付けたまうた。
 ところが雨が降すぎても却て困るといふで、これを調和するために、大国常立尊は御身体一杯に暑いほど太陽熱をお吸ひになつた。さうして御自分御身体各部より熱を放射したまうた。そ放射された熱はたちまち無数竜体と変じて、天に向つて昇騰していつた。国祖はこれに火竜神といふ名称をお付けになつた。(筆に書いては短いが大国常立尊がここまで天地をお造りになるに数十億年歳月を要してゐる)
 尊はかく如くにして人類を始め、動物、植物等をお創造り遊ばされて、人間には日大神と、月大神霊魂を賦与せられて、肉体は国常立尊主宰として、神御意志を実行する機関となし給うた。これが人生目的である。神示に『神は万物普遍霊にして人は天地経綸大司宰なり』とあるも、こ理に由るである。
 しかるに星移り年をかさぬるにしたがつて、人智は乱れ、情は拗け、意は曲りて、人間は次第に私欲を擅にするやうになり、ここに弱肉強食、生存競争端はひらかれ、せつかく神が御苦心結果、創造遊ばされた善美地上も亦、もと泥海に復さねばならぬやうな傾向ができた。
 しかるに地一方では、天地間に残滓やうに残つてゐた邪気は、凝つて悪竜、悪蛇、悪狐を発生し、或ひは邪鬼となり、妖魅となつて、我侭放肆な人間身魂に憑依し、世中を悪化して、邪霊世界とせむことを企てた。そこで大国常立大神は非常に憤りたまうて、深い吐息をおはきになつた。そ太息から八種雷神や、荒神がお生れ遊ばしたである。
 それで荒御発動があるは、大神が地上人類に警戒を与へたまふ時である。かうしてしばしば大神は荒御発動によつて、地上人類を警戒せられたが、人類大多数は依然として覚醒しない。そこで大神は大いにもどかしがりたまひ伊都雄猛びをせられて、大地に四股を踏んで憤り給うた。そとき大神口、鼻、また眼より数多竜神がお現はれになつた。こ竜神を地震神と申し上げる。国祖大神極端に憤りたまうた時に地震御発動があるである。大神怒りは私怒りではなくして、世中を善美に立替へ立直したいため、大慈悲心御発現に外ならぬである。
 大国常立尊が天地を修理固成したまうてより、ほとんど十万年期間は、別に今日やうに区劃された国家はなかつた。ただ地方地方を限つて、八王といふ国魂神が配置され、八頭といふ宰相神が八王神下にそれぞれ配置されてゐた。
 しかるに世中はだんだん悪化して、大神御神慮に叶はぬことばかりが始まり、怨恨、嫉妬、悲哀、呪咀声は、天地に一杯に充ちわたることになつた。そこで大国常立大神は再び地上修理固成を企劃なしたまうて、ある高い山頂上にお立ちになつて大声を発したまうた。そ声は万雷一時に轟くごとくであつた。大神はなほも足を踏みとどろかして地蹈鞴をお踏みになつた。そため大地は揺れゆれて、地震神、荒神が挙つて御発動になり、地球は一大変態を来して、山河はくづれ埋まり、草木は倒れ伏し、地上蒼生はほとんど全く淪亡るまでに立ちいたつた。そ雄健びによつて、大地一部が陥落して、現今阿弗利加一部と、南北亜米利加大陸が現出した。それと同時に太平洋もでき上り、そ真中に竜形島が形造られた。これが現代日本地である。それまでは今日本海はなく支那も朝鮮も、日本に陸地で連続してゐた。こ時まで現代日本南方、太平洋面にはまだ数百里大陸がつづいてゐたが、こ地球大変動によつて、そ中心最も地盤鞏固なる部分が、竜形をして取り残されたである。
 こ日本国土形状をなしてゐる竜形は、元大国常立尊が、竜体を現じて地上泥海を造り固めてゐられた時お姿同様であつて、そ長さも、幅も、寸法において何ら変りはない。それゆゑ日本国は、地球艮に位置して神聖犯すべからざる土地なである。もと黄金円柱が、宇宙真中に立つてゐた位置も日本国であつたが、それが、東北から、西南に向けて倒れた。こ島を自転倒嶋といふは、自ら転げてできた島といふ意味である。
 こ島が四方に海を環らしたは、神聖なる神御息み所とするためなである。さうしてこ日本土地全体は、すべて大神御肉体である。ここにおいて自転倒嶋と、他国土とを区別し、立別けておかれた。
 それから大神は天太陽、太陰と向はせられ、陽気と陰気とを吸ひこみたまうて、息吹狭霧を吐きだしたまうた。こ狭霧より現はれたまへる神が稚姫君命である。
 こたび地変によつて、地上蒼生はほとんど全滅して、そさまあたかも洪水当時に彷彿たるもであつた。そこで大神は、諸々神々および人間をお生みになる必要を生じたまひ、まづ稚姫君命は、天稚彦といふ夫神をおもちになり、真道知彦、青森知木彦、天地要彦、常世姫、黄金竜姫、合陀琉姫、要耶麻姫、言解姫三男五女神人をお生みになつた。こ天稚彦といふは、古事記にある天若彦とは全然別神である。かくごとく地上に地変を起さねばならぬやうになつたは、要するに天において天上政治が乱れ、それと同じ形に、地上に紛乱状態が現はれ来つたからである。天にある事はかならず地に映り、天が乱れると地も乱れ、地が乱れると、天も同様に乱れてくるもである。そこで大神は天上を修理固成すべく稚姫君命を生みたまうて天にお昇せになり、地は御自身に幽界を主宰し、現界主宰を須佐之男命に御委任になつた。
(大正一〇・一〇・二〇 旧九・二〇 谷口正治録)
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