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文献名1霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻
文献名2第3篇 天地の剖判よみ(新仮名遣い)てんちのぼうはん
文献名3第24章 神世開基と神息統合〔24〕よみ(新仮名遣い)よはねときりすと
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2019-06-12 17:51:17
あらすじ神界においては、国常立尊が厳の御魂として顕現し、神政発揚直(ヨハ子)の御魂変性男子を機関とする。豊雲野尊は神息統合(キリスト)の御魂を機関とする。そして、地の高天原から三千世界を修理固成するために、竜宮館に現れた。竜宮界においては、三千年の長い間に艱難苦労をなめた竜神の乙米姫命が、変性男子の系統の肉体の腹を借りて現れ、二度目の世の立替のために、すべての珍宝を授けられた。乙米姫は元来貪欲な竜神であったが、宝を捨てて大神に帰順したため、罪を許されて日の出神の配偶神として顕現された。次に、地底の暗黒に押し込められていた大地の金神、金勝要神が竜宮館に顕現した。この神は稚姫君命の第五女の神である。金勝要神が地球中心界の全権を掌握して国常立尊に奉呈し、国祖は地の幽界を総覧する、という御経綸である。瑞の御魂は国常立尊のご神業の補佐役となって、金勝要神と相並んで活動される、ということになった。ここまでのことは、数千年の太古の地上神界における有様である。盤古大神一派と大自在天一派の悪神たちは、地の高天原に潜入するに際して黄金の大橋に阻まれていた。そこでこの大橋を破壊しようと攻撃したが、橋は金輪際の地底から湧き出たもので、びくともしなかった。そこで、大地の霊である金勝要神を手に入れようとしたが、この計略は瑞の御魂の防御により失敗した。また、悪神たちは瑞の御魂を讒訴したが、悪神の正体は神鏡に照らされて敗走した。そこで、悪神たちは第二の計略に移ることになったのである。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年10月21日(旧09月21日) 口述場所 筆録者桜井重雄 校正日 校正場所 初版発行日1921(大正10)年12月30日 愛善世界社版142頁 八幡書店版第1輯 97頁 修補版 校定版142頁 普及版75頁 初版 ページ備考
OBC rm0124
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本文  神界においては国常立尊が厳の御魂と顕現され、神政発揚直の御魂変性男子を機関とし、豊雲野尊は神息統合の御魂を機関とし、地の高天原より三千世界を修理固成せむために竜宮館に現はれたまうた。
 竜宮界においては、三千年の長き艱難苦労を嘗めた竜神の乙米姫命は、変性男子の系統の肉体の腹をかりて現はれ、二度目の世の立替の御神業に参加すべく、すべての珍宝を奉られた。この乙米姫命は、竜神中でも最も貪婪強欲な神であつて、自分の欲ばかりに心を用ひてゐる、きはめて利己主義の強い神であつた。それが現代の太平洋の海底深く潜んでゐたが、海底の各所より猛烈な噴火の出現するに逢ひ、身には日々三寒三熱の苦しみを受けるばかりでなく、その上に猛烈な毒熱を受けて身体を焼かれ、苦しみにたへずして従来の凡ゆる欲望を潔く打ち棄てて、国常立尊の修理固成の大業を感知し、第一番に帰順された神である。
 かくて凡ての金銀、珠玉、財宝は、各種の眷族なる竜神によつて海底に持ち運ばれ、海底には宝の山が築かれてある。これは世界中もつとも深い海底であるが、ある時期において神業の発動により、陸上に表現さるるものである。要するに物質的の宝であつて、神業の補助材料とはなるが、本当の間にあふ宝とはならぬ。乙米姫命は大神に初めて帰順した時、その宝を持つて来られたなれど、大神はそれ以上の尊き誠の宝を持つてをられるので、人間の目に結構に見ゆるやうなものは、余り神界では重宝なものと見られない。しかしとに角生命よりも大切にしてゐた一切の宝を投げだした其の改心の真心に愛でて、従来の罪をお赦しになつた。この神人が改心して財宝をことごとく捨てて、本当の神の御神意を悟り、麻邇以上の宝を探りあて、はじめて崇高な神人の域に到達し、ここに日の出神の配偶神として顕現されたのである。
 つぎに地底のもつとも暗黒い、もつとも汚れたところの地点に押込まれてをられた大地の金神、金勝要神が、国常立尊の出現とともに、天運循環して一切の苦を脱し、世界救済のため陸の竜宮館に顕現された。この神人は稚姫君命の第五女の神である。この金勝要神が地球中心界の全権を掌握して修理固成の大業を遂げ、国常立尊へ之を捧呈し、国常立大神は地の幽界を総攬さるる御経綸である。
 瑞の御魂は、国常立尊の御神業の輔佐役となり、天地の神命により金勝要神と相並ばして、活動遊ばさるるといふことに定められた。これは、いまだ数千年の太古の神界における有様であつて、世界の国家が創立せざる、世界一体の時代のことであつた。
 そこで盤古大神(塩長彦)の系統と、大自在天(大国彦)の系統の神が、大神の経綸を破壊し地の高天原を占領せむため、魔神を集めて一生懸命に押寄せてきた。しかしながら地の高天原へ攻め寄せるには、どうしてもヨルダンの大河を渡らねばならぬ。ヨルダン河には、前述のごとく、善悪正邪の真相が一目にわかる黄金の大橋がかかつてゐる。それで真先に、その大橋を破壊する必要がおこつてきた。ここに盤古大神の系統は武蔵彦を先頭に立てて進んできた。これは非常に大きな黒色の大蛇である。つぎに春子姫といふ悪狐の姿をした悪神が現はれ、次には足長彦といふ邪鬼が現はれ、そして其の黄金の大橋の破壊に全力を傾注した。
 しかるに此の大橋は、金輪際の地底より湧きでた橋であるから、容易に破壊し得べくもない。思案に尽きたる悪神は、地底における大地の霊なる金勝要神を手に入れる必要を感じてきた。これがために百方手段をつくし奸計をめぐらして、瑞の御魂を舌の剣、筆の槍はまだ愚か凡ゆる武器を整へ、縦横無尽に攻め悩め、かつ、一方には種々姿を変じ善神の仮面を被りて、厳の御魂にたいして讒訴し、瑞の御魂の排斥運動を試みた。厳の御魂は稍しばし考慮を費し、つひにその悪神の心中謀計を看破され、直ちにその要求をはね付けられた。その時、足長彦の邪鬼、春子姫の悪狐、武蔵彦の大蛇の正体は神鏡に照されて奸計のこらず曝露し、雲霞となつて海山を越え一つは北の国へ、一つは西南の国へ、一つは遠く西の国へといちはやく逃げ帰つた。
 ここにおいて第一戦の第一計画は、見事破られた。悪神は、ただちに第二の計画にうつることとなつた。
(附言)
 神世開基と神息統合は世界の東北に再現さるべき運命にあるのは、太古よりの神界の御経綸である。
 天に王星の顕はれ、地上の学者智者の驚歎する時こそ、天国の政治の地上に移され、仁愛神政の世に近づいた時なので、これがいはゆる三千世界の立替立直しの開始である。
 ヨハネの御魂は仁愛神政の根本神であり、また地上創設の太元神であるから、キリストの御魂に勝ること天地の間隔がある。ヨハネがヨルダン河の上流の野に叫びし神声は、ヨハネの現人としての謙遜辞であつて、決して真の聖意ではない。国常立尊が自己を卑うし、他を尊ぶの謙譲的聖旨に出でられたまでである。
 ヨハネは水をもつて洗礼を施し、キリストは火をもつて洗礼を施すとの神旨は、月の神の霊威を発揮して三界を救ふの意である。キリストは火をもつて洗礼を施すとあるは、物質文明の極点に達したる邪悪世界を焼尽し、改造するの天職である。
 要するにヨハネは神界、幽界の修理固成の神業には、月の精なる水を以てせられ、キリストは世界の改造にあたり、火すなはち霊をもつて神業に参加したまふのである。故にキリストは、かへつてヨハネの下駄を直すにも足らぬものである。ヨハネは神界、幽界の改造のために聖苦を嘗められ、キリストは世界の人心改造のために身を犠牲に供し、万人に代つて千座の置戸を負ひて、聖苦を嘗めたまふ因縁が具はつてをられるのである。これは神界において自分が目撃したところの物語である。
 そしてヨハネの厳の御魂は、三界を修理固成された暁において五六七大神と顕現され、キリストは、五六七神政の神業に奉仕さるるものである。故にキリストは世界の精神上の表面にたちて活動し、裏面においてヨハネはキリストの聖体を保護しつつ神世を招来したまふのである。

 耳で見て目できき鼻でものくうて 口で嗅がねば神は判らず
 耳も目も口鼻もきき手足きき 頭も腹もきくぞ八ツ耳

(大正一〇・一〇・二一 旧九・二一 桜井重雄録)
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