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文献名1霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻
文献名2第4篇 竜宮占領戦よみ(新仮名遣い)りゅうぐうせんりょうせん
文献名3第26章 魔軍の敗戦〔26〕よみ(新仮名遣い)まぐんのはいせん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
竹熊らは懲りずに目的を達しようとし、今度は金勝要神を手に入れようとしていた。足長彦も金勝要神を狙い、寅熊もこれを狙っていた。また魔子彦は大八洲彦命に近づいてすきあらば刺し殺そうとしていた。

元の謀主は竹熊であったが、邪神たちはおのおの野望を秘めて、互いに自己本位の計画を立てていた。これらの魔軍は表面一致して竜宮占領の計画をしていたが、やがていま一息というところで四分五裂してしまった。

竹熊は足長彦を遠くに追いやり、魔子彦に監視させた。魔子彦の同僚である熊彦の部下たちが、魔子彦の悪事に愛想をつかし、足長彦に魔子彦の悪事を報告したり、魔子彦をヨルダン河に沈め殺そうという者が出てきた。

また、中でも梅若彦、八島姫、高山彦らは魔子彦のきたないやり方に憤り、善心に立ち返って邪神の行いを大八洲彦命に報告し、帰順した。

大八洲彦命は魔子彦を帰順させ、また杉山彦の帰順によって竹熊の謀計をさとり、竹熊軍が待ち伏せをする橄欖山を取り囲み、一挙に天の磐船から火弾を投げつけた。竹熊軍はたちまち敗走した。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年10月21日(旧09月21日) 口述場所 筆録者谷口正治 校正日 校正場所 初版発行日1921(大正10)年12月30日 愛善世界社版156頁 八幡書店版第1輯 102頁 修補版 校定版156頁 普及版82頁 初版 ページ備考
OBC rm0126
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本文  竹熊はなほ懲りずに、執念深くも最初の目的を貫徹せむとし、魔子彦、足長彦、牛人、寅熊と相語らひ、こんどは金勝要神を手に入るることを断念し、大八洲彦命を高天原より排除せむとした。然るに、足長彦はなほ依然として金勝要神をねらひ、寅熊も亦同じく之を内心ひそかにねらつてゐた。さうして魔子彦は甘言をもつて大八洲彦命の身辺に近づき、隙あらばこれを刺殺さむとする計画であつた。
 しかし、もとの謀主は竹熊であるから、各自の野望を心中深く秘めながら、互ひに自己本位の計画をたててゐた。竹熊は、大神に信任厚き熊足彦を味方につけ、牛人、与彦、黒姫、菊姫を部将と定めて暗々裡に活動をはじめた。また熊彦は杉山彦、中裂彦、照姫、藤姫、花立姫、土彦、谷熊、蟹熊の邪神を部将として、暗々裡に活動してゐた。さうして熊彦は足長彦を参謀につかつて、盛に大八洲彦命を討取る計画をすすめてゐた。一方また魔子彦は田依彦、豆寅、胸長彦、草香姫、時津彦、梅若彦、八島姫、高山彦の神々を部将と定め、大八洲彦命の歓心を買ひ、搦手より竜宮城に忍び入り、以て竜宮の実権を握り、その上、事をなさむとの下心であつた。しかしこれらの三巨頭は、表面一致の行動をとつて竜宮占領の計画をすすめ、あまたの魔軍をかり集めてまつしぐらに黄金橋に攻めかけた。しかしいづれも自己を本位とする魔軍の団結であるから、今一息といふところで、四分五裂のやむなきに立ちいたつた。
 さる程に、竹熊は猿飛彦、木常姫を背後の参謀として、熊彦、魔子彦を両翼とし、綿密なる作戦計画に着手した。第一に、自分の地位を保護する必要ありとし、牛人および魔子彦を使ひ、足長彦を偽つて遠き土地に去らしめ、与彦、黒姫、菊姫をして数多の魔軍を引率せしめ、橄欖山のうしろに忍ばしめて時の来るのを待たしめた。また一方魔子彦に命じて、足長彦の行動を監視せしめた。ここに熊彦の部下なる土彦は魔子彦の計略を悟り、密使をもつて足長彦に一伍一什を報告した。さうしてまた魔子彦は胸長彦を参謀とし、豆寅の妻なる草香姫をつひに奪ひとつた。魔子彦には、田依彦といふ邪神が影のごとくに附随して、種々の企策を授けてをつた。田依彦は草香姫の弟である。そこで魔子彦の行状をうかがひ知つたる、熊彦の部下なる杉山彦、中裂彦、花立彦、土彦、谷熊、時彦などが憤慨して、魔子彦をヨルダン川に沈め殺さむとした。しかるに、梅若彦、八島姫、高山彦は魔子彦のきたなき行動に愛想をつかして、その実況を大八洲彦命に報告するとともに善心に立復り、大八洲彦命に心の底から帰順した。
 このとき大八洲彦命はヨルダン川を渡り、はるかの東方に出陣してゐたのである。一方熊彦は、また竹熊の部下なる牛人、与彦、黒姫、菊姫、谷熊、寅熊とともに、橄欖山の後に陣をかまへて待伏せた。これは大八洲彦命を第一着に亡ぼして目的を達せむためであつた。
 大八洲彦命は魔子彦を帰順せしめ、武勇絶倫なる高山彦の軍勢を引率して、竜宮城に帰還し、杉山彦の返り忠なる報告によつて、竹熊の謀計をさとり、遠巻に橄欖山をとり囲み、一挙にこれを殲滅せむと天の磐船をもつて火弾を投げつけた。たちまち竹熊の軍勢は蜘蛛の子を散らすごとく、四方八方に散乱してしまつた。
(大正一〇・一〇・二一 旧九・二一 谷口正治録)
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