竹熊らは懲りずに目的を達しようとし、今度は金勝要神を手に入れようとしていた。足長彦も金勝要神を狙い、寅熊もこれを狙っていた。また魔子彦は大八洲彦命に近づいてすきあらば刺し殺そうとしていた。
元の謀主は竹熊であったが、邪神たちはおのおの野望を秘めて、互いに自己本位の計画を立てていた。これらの魔軍は表面一致して竜宮占領の計画をしていたが、やがていま一息というところで四分五裂してしまった。
竹熊は足長彦を遠くに追いやり、魔子彦に監視させた。魔子彦の同僚である熊彦の部下たちが、魔子彦の悪事に愛想をつかし、足長彦に魔子彦の悪事を報告したり、魔子彦をヨルダン河に沈め殺そうという者が出てきた。
また、中でも梅若彦、八島姫、高山彦らは魔子彦のきたないやり方に憤り、善心に立ち返って邪神の行いを大八洲彦命に報告し、帰順した。
大八洲彦命は魔子彦を帰順させ、また杉山彦の帰順によって竹熊の謀計をさとり、竹熊軍が待ち伏せをする橄欖山を取り囲み、一挙に天の磐船から火弾を投げつけた。竹熊軍はたちまち敗走した。