王仁DBβ版 出口王仁三郎と霊界物語の総合検索サイト 文献検索 画像検索 単語検索 メニュー開く
サイトの全面改修に伴いサブスク化します。詳しくはこちらをどうぞ。(2023/12/19)

文献名1霊界物語 第1巻 霊主体従 子
文献名2第5篇 御玉争奪よみ(新仮名遣い)みたまそうだつ
文献名3第39章 白玉行衛〔39〕よみ(新仮名遣い)しらたまゆくえ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ竹熊はまず、白色玉を持つ田依彦から玉を奪おうとしていた。田依彦姉・草香姫は麗しい容貌を持っていた。草香姫は豆寅妻であったが、魔子彦に思いを懸けていた。竹熊は魔子彦に宝や美しい衣装を与えて、草香姫を誘惑するように命じた。草香姫は魔子彦へ恋慕情に、病に伏せることになった。田依彦は姉病気を治そうとして苦慮していたが、魔子彦は、田依彦が秘蔵している白色玉を草香姫に抱かせれば、病気が治る、という神夢をでっち上げた。姉病気を治したい田依彦は、玉を姉に渡した。魔子彦は見舞いを装って草香姫を訪れたため、草香姫病はほとんど癒えてしまった。魔子彦は草香姫をだまして玉を渡させ、邸内木から鳥船に乗って遁走してしまった。竹熊は部下大虎彦に命じて魔子彦を殺させ、玉を奪ってしまった。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年10月24日(旧09月24日) 口述場所 筆録者谷口正治 校正日 校正場所 初版発行日1921(大正10)年12月30日 愛善世界社版207頁 八幡書店版第1輯 120頁 修補版 校定版207頁 普及版107頁 初版 ページ備考
OBC rm0139
本文のヒット件数全 115 件/ノ=115
本文の文字数2352
これ以外の情報は霊界物語ネットの「インフォメーション」欄を見て下さい 霊界物語ネット
本文  黄金水精より出でたる十二宝玉は、個々別々に使用しては何効用も現はれないもである。しかしこれを拾ひ得たる十二柱神司も、竹熊一派もそ真相を知らず、一個を得れば一個だけ活用あり、二個を得れば二個だけ神力現はるるもといづれ者も確信してゐた。
 そこで竹熊は、第一番に田依彦持つてをる白色玉を、手に入れむことを計画したが、どうしても田依彦を説服して、そ自分に譲らしむること容易ならざるをさとり、ここに竹熊は一計を案出し、田依彦もつとも信頼措かざる魔子彦を、物質欲をもつて甘く自分参謀にとりいれた。魔子彦は容姿端麗なる美男である。さうして田依彦姉にして豆寅妻なる草香姫といふがあつた。これもまた非常な麗しき容貌を備へていた。しかるに草香姫はいつとなく、魔子彦に思ひをかけてゐた。
 ことき竹熊は魔子彦に種々珍しき宝を与へ、また非常に麗しき衣服を与へた。ここに魔子彦はそ美衣を身に着し、薫香つよき膏を肉体一面に塗りつけ、草香姫が吾に恋愛情を深からしめむとした。こ行動は竹熊内命に従つたもである。
 ここに草香姫はますます恋慕情が募つてきた。されども、あからさまに心思ひを魔子彦に打ちあけることを愧ぢて、日夜悶々情に堪へかねてゐた。つひに草香姫は気鬱病になり、病床に臥して呻吟し、そ身体は日一日と痩衰へ、生命は旦夕に迫つてきた。弟田依彦は大いに驚き、かつ悲しみ、いかにもして草香姫病を癒やし救はむと、百方苦慮しつつあつた。
 時に田依彦は自分信ずる魔子彦が、内々竹熊参謀役になつてをることは夢にも知らず、魔子彦をよんで、草香姫病気をいかにせば全快せむやと、顔色をかへ吐息をつきながら相談をしかけた。
 魔子彦は時節到来と内心ひそかに打ち喜びつつ、田依彦に向つて言葉をかまへていふ。
『われ一昨夜夢に、高天原にまします国常立尊、枕頭に現はれたまひて、言葉厳かに宣り給ふやうは、……草香姫はもはや生命旦夕に迫る。これを救ふ道は、ただ単に田依彦もてる白色玉を草香姫に抱かしめ、日十日、夜十夜これを枕頭より離れざらしめなば、病はたちまち癒ゆべし……と大神お告であつた。しかし貴下はわが夢に見しごとき美しき白玉を果して所持さるるや、夢ことなれば信を措くにたらず、痴人夢を語るもと失笑したまふ勿れ』
と空とぼけて、田依彦心を探つてみた。
 田依彦は平素信任する魔子彦言を、少しも疑ふ余地なく、ただちに自分が件玉を拾つて珍蔵してをることを、あからさまに答へ、そ神力によつて姉命が救はるるもならば、これに越したる喜びなしと雀躍し、肩を揺りながら直ちに草香姫許にいたり、魔子彦神夢次第を語り、
『こ玉を十日十夜抱きて、寝ねよ』
と告げ、玉を草香姫に渡し、会心笑を漏らして帰つてきた。
 ここに草香姫は田依彦厚意を喜び、教へられし如くにして、五日を経過た。しかるにそ病気に対しては少し効力もなく、身体は日夜衰へゆくみであつた。時分はよしと魔子彦は、美麗やかに衣服を着かざり、身に薫香を浴びつつ四辺を芳香に化してしまつた。そ香ばしき匂ひは、病床にあつて苦悶しつつある草香姫鼻に、もつとも強く感じた。
 草香姫はこ匂ひを嗅ぐとともに、すこしく元気が恢復したやうな心持になつた。しばらくあつて魔子彦は病気見舞と称して、いと静かに這入つてきた。さうして田依彦に偽り伝へた神夢を、さも真実しやかに草香姫に物語つた。草香姫は真偽を判別する暇なく、一方は弟言葉といひ、一方は日ごろ恋慕する魔子彦親切なる言葉なれば、あたかも大慈大悲大神慈言如く驚喜した。さうして玉神力数日を経ても、顕はれないにかかはらず、
『貴下麗しき御姿を拝してより、にはかに元気恢復して、精神涼しく爽快さを感じたり』
と顔を赧めつつ、小声で呟くやうに心たけをべ伝へた。
 してやつたり、願望成就時こそ今と、魔子彦は、後をむいて舌を出し、素知らぬ顔に言葉をもうけていふやう、
『すべて神授けたまふ神玉は、熱臭き病人肌に抱くは、かへつて神威を汚涜するもなり。こ玉を抱いて、病を癒やさむとせば、まず汝が身体に薫香強き膏を塗布し、芳香を四辺に放ち、室空気を一変し、天地清浄ちに非ざれば、効なかるべし』
と告げた。草香姫は、
『薫香膏は、いづれにありや』
と反問した。魔子彦はすかさず腮をしやくりながら、
『こ膏は容易に得らるべきもにあらず、シオン山南方にある小さき峰頂に、時あつて湧出するもなり』
と、そ容易に得べからざること暗示を与へた。
 ここに草香姫は口ごもりつつ、
『こ玉を貴下肌に抱きたまひて玉を清め、玉神力を発揮せしめ給はずや』
と嘆願した。魔子彦はわざと躊躇色を見せながら、内心欣喜雀躍しつつ、なまなまに玉を抱くことを承諾した。不思議にも草香姫病は、白色玉が魔子彦懐に抱かれるとともに、ほとんど癒えたやうな気分になつた。
 魔子彦は庭園景色を賞めつつ、何くはぬ顔にて徜徉しつつありしが、庭内に聳えたつ一本老松枝に手をかけ、樹上に昇るや否や、西方より翺けきたる天鳥船に身を托し、雲上高く姿を隠した。しかるにこ玉を乗せたる鳥船は、中空において大虎彦乗れる鳥船に衝突し、玉は飛んで大虎彦鳥船に入り、魔子彦は中空よりシナイ山渓谷に墜落して、霊体ともに粉砕滅亡してしまつた。
 大虎彦手に入つた玉は、やがて竹熊手に渡された。竹熊は謀計後に破れむことを恐れて、中途に大虎彦をして魔子彦を亡ぼさしめたである。悪霊仕組は実にどこまでも注意深い、いやらしきもである。
(大正一〇・一〇・二四 旧九・二四 谷口正治録)
霊界物語ネットで読む 霊界物語ネット
オニド関係の更新情報は「オニド関係全サイトの更新情報」を見れば全て分かります!
王仁DB (王仁三郎データベース)は飯塚弘明が運営しています。 /出口王仁三郎の著作物を始め、当サイト内にあるデータは基本的にすべて、著作権保護期間が過ぎていますので、どうぞご自由にお使いください。また保護期間内にあるものは、著作権法に触れない範囲で使用しています。それに関しては自己責任でお使いください。/出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別用語と見なされる言葉もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。/ 本サイトのデータは「霊界物語ネット」掲載のデータと同じものです。著作権凡例 /データに誤り等を発見したら教えてくれると嬉しいです。
連絡先:【メールアドレス(飯塚弘明)
プライバシーポリシー
(C) 2016-2024 Iizuka Hiroaki