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文献名1霊界物語 第1巻 霊主体従 子
文献名2第5篇 御玉争奪よみ(新仮名遣い)みたまそうだつ
文献名3第43章 丹頂鶴〔43〕よみ(新仮名遣い)たんちょうつる
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ鶴若は赤色玉を黄金水から得てより、信念強固となり、シオン山で多年修行を重ねるようになった。そしてついに神通力を発揮し、鶴に変じて空を飛び、神界天使となろうと行に励んでいた。竹熊らは鶴若から神通力を奪って地上に落下させようと画策していた。あるとき鶴若はアルタイ山で天女・鶴姫と出会い、夫婦契りを結んだ。それとともに鶴若は飛翔通力を失ってしまった。二人はアルタイ山岩窟に住み、永年月を送っていたが、年寄っても子供ができないを寂しく思っていた。竹熊部下である鶴析姫は、二人岩窟前に鮮やかな色玉と化した。二人はそような玉を見ると、にわかに食べたくなって食べてしまった。するとにわかに情欲が起こり、鶴姫は妊娠して女子を産んだ。二人は女子を鶴子姫と名づけた。鶴子姫は、黄金水赤玉を欲しがって泣くようになった。鶴若と鶴姫は、赤玉を鶴子姫おもちゃとして与えた。鶴子姫は成長すると、ある日とつぜん黒竜となって玉を奪って逃げてしまった。鶴若・鶴姫は、鶴子姫が邪神化身であったことを知り、赤玉を奪われたことを嘆いた。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年10月25日(旧09月25日) 口述場所 筆録者谷口正治 校正日 校正場所 初版発行日1921(大正10)年12月30日 愛善世界社版230頁 八幡書店版第1輯 128頁 修補版 校定版229頁 普及版118頁 初版 ページ備考
OBC rm0143
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本文  鶴若は、黄金水精なる赤色玉を得てより、信念ますます鞏固となり、ひそかに、シオン山に登りて多年修業をなし、ある時はシオン滝に飛び込み、ある時はシオン谷川に禊身をなし、つひには、神通力を自由自在に発揮し得るやうになつた。鶴若はそごとく、鶴と変じて空中を翺翔し、天地間を上下して、神界天使とならむと、一意専念に苦しき修行をつづけてゐた。
 ここに竹熊一派悪神は、鶴若神通力を奪ひ、地上に落下せしめむとして苦心してゐた。鶴若は空中を一瀉千里勢をもつて、諸方を翺けめぐつた。ときに前方にあたつて紫雲棚びく高山が目についた。山頂は雲上に白く浮出てゐる。鶴若は、そ山に引きつけらるる心地していつ間にか、山上に翺けりついた。折しも、山腹紫雲中より四方を照らす鮮光あらはれ、光はおひおひ山頂を目がけて立騰つていつた。そして、それが一個紅色玉となつた。ことき鶴若は、鶴姿を変じて、荘厳なる神人と化してゐたである。そ玉は、見るみる左右にわかれて、中より天女が現はれてきた。鶴若はこ天女美貌に見惚れてゐると、天女はまた鶴若を見て秋波を送り、無言まま鶴若側に立寄つてきた。こ高山はアルタイ山で、こ天女は名を鶴姫といふ。鶴若、鶴姫はここに夫婦約を結んだ。これと同時に鶴若はたちまち通力を失ひ、空中飛行術が利かなくなつた。
 山中腹には巨大な岩窟がある。ふたりはこ岩窟を棲所とし、遠近山々者を集めて、ここを中心として一つ国を立てた。さうして、広き岩窟奥には赤玉を安置し、これを無二神宝と崇め祀つた。ふたりはたがひに相親しみ、相愛し、永き年月をアルタイ山に送つてゐた。
 然るにふたり若き姿は年とともにおひおひ痩せ衰へ、頭には白髪が生えだし、何となく淋しさを感じてきた。ふたりは後継者たる子生れ出でむことを希求するやうになつた。
 ここに竹熊部下、鶴析姫は、うるはしき天使姿に変じてアルタイ山山頂にぼり、雷鳴を発し大雨を降らしめた。雨は滝如くにふりしきり、たちまち山一角を崩壊し、濁水は流れて岩窟前に溢れいで、少時にして、そ雨も歇み、岩窟前には、一つ柔かき麗しき鮮花色玉が残されてゐた。鶴若は手にとりてこれを眺むるに、あたかも搗きたてやうな柔かさである。鶴姫はこれを見て、にはかにこ玉を食ひたくなり、鶴若手より之を奪らむとして、つひに両方よりそ玉を引き千切つてしまつた。こ引き千切られた玉は、自然にふたり口に入り腹中に納まつてしまつた。それよりふたりは情欲をさとることになり、鶴姫はつひに妊娠し、月満ちて玉ごとき女子が生れた。これを鶴子姫と名付けた。
 二人は鶴子姫を生んで、寵愛斜ならず、這へば立て、立てば歩め親心、鶴子姫泣くにつけ、笑ふにつけても心を動かし、子ためには一切を犠牲にしても悔いないといふ態度であつた。鶴子姫は、両親愛育によりて、追々成長し、言語を発するやうになつて、初めて「ターター」と啼きだした。両親はそ啼声が気にかかり「ターター」とは、如何なる意味かと非常に苦心したが、到底そ意味はわからなかつた。鶴子姫は、今度は「マーマー」と啼きだした。何意味か、これも判らなかつた。しばらくすると鶴子姫は「タマ、タマ」と啼きだした。これを聞いて両親は、種々鳥類卵を従臣に命じて集めさせたが、鶴子姫はしきりに首を左右に振り、卵を吸ふことを嫌つた。両親は昼夜膝を交へて、そ鶴子姫いふ「タマ」とは、如何なる意味かと首を傾け色々と考へたが、どうしてもわからなかつた。時に両親は万従臣を集め、赤玉祀りある玉祭典をおこなひ、鶴子姫無事成長せむことを祈つた。そ時鶴子姫は、鶴姫に抱かれて祭場に列した。ここに鶴子姫は、はじめて笑顔をつくり「赤玉、々々」といつて喜んだ。両親は目中へはいつても、痛くは思はぬ愛児鶴子姫笑顔に、満腔喜びをおぼえ、鶴子姫要求なれば、自分生命を捨てても惜くはないとまで愛してゐたである。祭典は無事にすみ、ふたりは広大なる岩窟居間に帰つた。万従臣は直会酒に酔ひ、万歳を連呼し、各自住所に帰つた。あとに親子三名は奥一室に入り、やすやすと寝についた。夜半にいたり、鶴子姫はにはかに「タマ、タマ」と啼きだした。鶴姫は之を聞いて始めて其意をさとり、鶴子姫が「タマ、タマ」といふは、か玉を要求してゐるに違ひなしと思ひ浮かべ、そ旨を鶴若に話しかけた。鶴若はにはかに床上に起き上り、腕を組み、思案にくれて、一言も発せず伏向いてゐた。鶴子姫啼き声はますます激しくなり、両親胸を引き裂かむばかりに聞えた。両親はゐたたまらず、夜中をも顧みず、鶴若は起つて玉宮に入り、御神体赤玉を捧持し、恭しく居間机上に据ゑた。すると鶴子姫啼き声は頓にやんで笑ひ声と変じ、そ玉に手を触れ、玉周囲を嬉々として飛びまはつた。両親はそまま玉を床上に据ゑ、鶴子姫機嫌とり玩具とした。
 鶴子姫はかくてだんだんと成長したが、ある日たちまち其姿を黒竜と変じ、そ玉をとるや否や、黒雲を捲きおこし雷雨をよび、大音響とともに、父母を捨て、西方空高く姿を隠してしまつた。後に残りしふたりは驚き呆れ、かつ玉と愛児行方を眺めて長嘆止まなかつた。ふたりは鶴子姫が邪神変化なりしことを悟りて、姫身については断念せるも、断念め切れぬはか赤玉である。かつて竹熊ら侮辱圧迫にたへ、生命にかへて守護したる、か宝玉を敵に奪はれては、大八洲彦命にたいして一言申訳なしと、天地にむかつて号泣し、そ一念凝つて、頭上に赤玉痕をとどむるにいたつた。これを丹頂鶴といふである。焼野雉子、夜鶴、児を愛すること鶴に優るもなきも、これが縁由である。
(大正一〇・一〇・二五 旧九・二五 谷口正治録)
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