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文献名1霊界物語 第2巻 霊主体従 丑
文献名2前付よみ(新仮名遣い)
文献名3よみ(新仮名遣い)じょ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2016-12-23 07:46:05
あらすじ本書は、王仁が明治三十一年旧二月九日から十五日に至る前後一週間荒行と、帰宅後一週間床縛り修行を神界から命ぜられ、そ間に霊魂が現幽神三界消息を実見した。そ物語である。霊界は時間空間を超越しているで、古今東西出来事は平面的に霊眼に映じる。一部でも読んでいただき、霊界消息一部を窺い、神々活動を幾分でも了解してもらえれば、後述目的は達せられる。本巻はシオン山攻撃神戦を描いた。国祖大神が天地律法を制定し、天則違反で稚桜姫命が幽界にやらわれた経緯を述べている。『三千世界一度に開く梅花、艮金神世になりたぞよ。須弥仙山に腰を掛け、鬼門金神、守るぞよ』と神示は、ヨハネ身魂というべき教祖に帰神された、最初金神様救世一大神言であった。口述者はこ神言を読むたびに、無限絶対、無始無終大原因神(おほもとがみ)洪大なご経綸と抱負雄偉さに、自分海面に真如月が光り輝き、慈悲太陽が宇宙全体を斉しく公平に照らし、全世界闇を晴らすような心持になるである。また、『三千世界一度に開く』という宇宙経綸を堅く完全に言い表している。そして句終わりに『梅花』とつづめている。あたかも白扇を広げて涼風を起こし、梅小さな要をもって之を統一した如く、至大無外、至小無内神権発動真相を説明している。『須弥仙山に腰をかけ、艮金神守るぞよ』とは、偉大な神格表現である。そほかにも、大神帰神産物としては、三千世界神界、幽界、現界に対し、神祇、諸仏、人類に警告を与え、将来を示して懇切至らざるはないである。口述者は神諭一端に解釈を施し、大神大御心がどこにあるかを明らかに示したく、前後ほとんど二十三年間久しきにわたった。しかしながら神界では、そ発表を許さなかったために、今まで神諭文章意義については、一言半句も説明したことはなかった。しかし大正十年旧九月八日にいたって、突然神命が口述者身魂に下り、神から開示した霊界消息を発表せよ、と教えに接した。神教えに、神が口を借りて口述するで、筆録させろ、とことだった。
主な人物 舞台 口述日(旧10月09日) 口述場所松雲閣 筆録者瑞月 出口王仁三郎 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年1月27日 愛善世界社版前付 1頁 八幡書店版第1輯 153頁 修補版 校定版前付 1頁 普及版前付 1頁 初版 ページ備考
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本文  本書は王仁が明治三十一年旧如月九日より、同月十五日にいたる前後一週間荒行を神界より命ぜられ、帰宅後また一週間床縛り修業を命ぜられ、そ間に王仁霊魂は霊界に遊び、種々幽界神界消息を実見せしめられたる物語であります。すべて霊界にては時間空間を超越し、遠近大小明暗区別なく、古今東西霊界出来事はいづれも平面的に霊眼に映じますで、そ糸口を見付け、なるべく読者了解し易からむことを主眼として口述いたしました。
 霊界消息に通ぜざる人士は、私『霊界物語』を読んで、子供だましおとぎ話と笑はれるでせう。ドンキホーテ式滑稽な物語と嘲る方もありませう。中には一篇夢物語として顧みない方もあるでせう。また偶意的教訓談と思ふ方もありませう。しかし私は何と批判されてもよろしい。要は一度でも読んでいただきまして、霊界一部消息を窺ひ、神々活動を幾分なりと了解して下されば、それで私口述目的は達するであります。
 本書述ぶるところは概してシオン山攻撃神戦であつて、国祖大神が天地律法を制定したまひ、第一に稚桜姫命天則違反罪を犯し幽界に神退ひに退はれたまへる、経緯を述べたであります。本書を信用されない方は、一つおとぎ話か拙い小説として読んで下さい。これを読んで幾分なりとも、精神上立替立直しできる方々があれば、王仁としては望外幸であります。
 『三千世界一度に開く梅花。艮金神世になりたぞよ。須弥仙山に腰を掛け、鬼門金神、守るぞよ』と神示は、神世開基身魂ともいふべき教祖に帰神された最初金神様が、救世ため一大獅子吼であつた。アゝ何たる雄大にして、荘厳なる神言でありませうか。『三千世界一度に開く』とは、宇宙万有一切物に活生命を与へ、世界あらゆる生物に、安心立命神鍵を授けたまへる一大慈言でありますまいか。
 口述者はいつも此神言を読む度ごとに、無限絶対、無始無終大原因神洪大なる御経綸と、そ抱負雄偉にして、なんとなく吾人が心海面に、真如光り輝き、慈悲太陽宇内を一斉に公平に照臨したまひ、万界暗を晴らしたまふやうな心持になるであります。
 そして、『三千世界一度に開く』と宇宙経綸を竪に、しかと完全に言ひ表はし、句終りにいたつて『梅花』とつづめたるところ、あたかも白扇を拡げて涼風を起し、梅小さき要をもつて之を統一したる、至大無外、至小無内神権発動真相を説明したまひしところ、到底智者、学者など企て及ぶべきところではない。
 またそ次に『須弥仙山に腰をかけ、艮金神守るぞよ』と神示がある。アゝこれまたなんたる偉大なる神格表現であらうか。なんたる大名文であらうか。到底人心小智企及すべきところではない。そほか、大神帰神産物としては、三千世界いはゆる神界、幽界、現界にたいし、神祇はさらなり、諸仏、各人類にいたるまで大慈神心をもつて警告を与へ、将来を顕示して、懇切いたらざるはなく、実に古今にそ類例を絶つてゐる。
 かかる尊き大神神示は、俗人容易に解し難きはむしろ当然理にして、したがつて誤解を生じ易きところ、口述者は常にこれを患ひ、おほけなくも神諭一端をも解釈をほどこし、大神大御心、那辺に存するやを明らかに示したく、思ひ煩ふことほとんど前後二十三年間久しきにわたつた。されど神界にては、そ発表を許したまはざりしため、今日まで御神諭文章意義については、一言半句も説明したことは無かつたであります。
 しかるに本年旧九月八日にいたつて、突然神命は口述者身魂に降り、いよいよ明治三十一年如月に、『神より開示しおきたる霊界消息を発表せよ』と神教に接しましたで、二十四年間わが胸中に蓄蔵せる霊界物語を発表する決心を定めました。しかるに口述者は、本春以来眼を病み、頭脳を痛めてより、執筆自由を有せず、かつ強て執筆せむとすれば、たちまち眼と頭部に痛苦を覚え如何ともすること能はず、殆んどそ取扱ひについて非常に心神を悩めてゐたであります。そ神教降下ありて後、十日を過ぎし十八日朝にいたり、神教ありて『汝は執筆するを要せず、神は汝口を藉りて口述すべければ、外山豊二、加藤明子、桜井重雄、谷口正治四人を招き、汝口より出づるところ神言を筆録せしめよ』とことでありました。
 そこで自分はいよいよ意を決し、並松松雲閣に隠棲して霊媒者となり、神示を口伝へすることになつたであります。二十四年間心に秘めたる霊界消息も、いよいよ開く時津風、三千世界花、薫る常磐、神経綸開け口、開いた口が閉まらぬやうな、不思議な物語り、夢かうつつか幻か、神しらせか、白瀬川、下は音無瀬由良川、和知川、上林川清流静かに流れ、そ中央小雲川、並木老松川辺に影を浸して立ならぶ、流れも清く、風清く、本宮山麓なる、並松に、新に建ちし松雲閣書斎間にて五人連れ、口から語る、筆を執る、五人が活気凛々として、神示ままを口述発表することとなつたであります。
   大正十年十一月 旧十月九日
      於松雲閣 瑞月 出口王仁三郎誌
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