文献名1霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻
文献名2前付よみ(新仮名遣い)
文献名3凡例よみ(新仮名遣い)はんれい
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データ最終更新日----
あらすじ本巻の前半は、亀岡の瑞祥閣で口述された。後半は綾部の竜宮館である。谷口正治氏が第二巻完了とともに、出口教祖伝編集のために、筆録者から抜けている。盤古大神は、支那の人民が天王聖母として尊崇する盤古大神のことである。盤古大神は体主霊従(われよし)、国常立命は霊主体従(ひのもと)である。本書では国常立尊は、「国治立命」と申し上げている。大自在天は力主体霊(つよいものがち)である。バラモン教徒が言う世界の造物主である。仏教で大自在天と命名された神である。常世の国は、海外の絶域を指している。日本から見ればアメリカが常世であり、アメリカから見れば日本が常世である。
主な人物
舞台
口述日1922(大正11)年01月29日(旧01月02日)
口述場所竜宮館
筆録者
校正日
校正場所
初版発行日1922(大正11)年3月3日
愛善世界社版前付 15頁
八幡書店版第1輯
修補版
校定版301頁
普及版前付 6頁
初版
ページ備考校定版では『あとがき』になっている。
OBC rm030002
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本文
一、本巻はその前半を亀岡の瑞翔閣において口述筆録せしめられ、後半は綾部竜宮館において完成されたものであります。恒定筆録者の内、谷口正治氏が第二巻完了とともに、出口教祖詳伝編集の任にあたることとなり、霊界物語に関係せざるにいたりましたことを、筆録者一同遺憾に思ひますとともに、前巻まで筆録されし労を多謝する次第であります。
一、第一巻に国治立命、盤古大神、大自在天の各派が、三つ巴となつて悪戦苦闘をつづけ、神界を混乱せしめたる記録を読み、盤古大神および大自在天につきその真相を識らむとする人々のために、ちよつと説明を加へておきたいと思ひます。
盤古大神とか、盤古神王とか、また盤古真王といふのは、平田篤胤翁の赤県太古伝成文といふ著書の、盤古真王記に、
『古昔天地未だ分れず、渾沌として鶏子の如し。盤古氏其の中に生ず。九万八千歳にして天地開闢せり。清軽のものは上つて天となり、濁重のものは下つて地となる。盤古其の中に在り。一日に九変して、天に於ては神に、地に於ては聖なり。天日に高きこと一丈、地日に厚きこと一丈、盤古日に長ずること一丈、此の如きこと九万八千歳、天極めて高く、地極めて邃く、盤古極めて長ぜり。数は一に起りて三に立ち、五に於て成り、七に於て盛りに、九に於て処す。
盤古氏夫妻は陰陽の始めなり。大荒に生じて其の初めを知ること莫し。蓋し陶鎔造化の主にして、天地万物の祖なり。乃ち元始天王、大元聖母は是れなり。盤古氏の後に三皇あり、これ天地人の始めなり』
とあるごとく、「支那」の人民が天王聖母として尊崇するところのものが盤古大神であります。
さうして盤古大神は体主霊従(われよし)で、国常立尊は霊主体従(ひのもと)であります。しかし本書には神名を国治立命と申し上げてあります。
つぎに大自在天は、力主体霊(つよいものがち)であつて、仏典によりますと波羅門教徒は、この神は世界万物の造物主であり、また世界の本体であり、この神の支配のままに吾人苦楽の果報が割り当らるるのであるといつて、あらむ限りの崇拝の的としてをるのであります。ところが仏教が起つてから後といふものは、大自在天神と命名されて、やうやく第六天の統治者として、きはめて平凡な取扱ひを受くるものとなつたのです。
一、次に常世の国について一言しておきます。「稽古要略」といふ書物に、
『少彦名神、粟茎(方船のこと)に乗りて、常世の国に渡りき。按ずるに常世の国とは本神仙の幽境をいふ。因つて以て海外の絶域、人到り易からざる地を称す』
とありますから、日本からいへば海外の絶域たる亜米利加は常世の国となりますが、亜米利加からいへば日本が常世の国となるわけです。ゆゑに霊界物語と古文書と比較研究して見ることが肝要だと思ひます。
大正十一年一月廿九日
竜宮館に於て 識す