天地が分かれて日地月星、草木中魚が現れ、おのおの分掌の神を定めて守護せしめられた。
大神は人体の元祖神として天足彦、胞場姫を生んで天の益人の種となした。しかし天足彦、胞場姫は神勅にそむいて体主霊従の果実を食し、子孫に悪念を残した。また、その邪念からは強力な一群の悪霊が生まれ、世界を混乱に陥れた。
悪霊たちは、力の強い神人らに乗り移って、国治立命らを隠退させ、代わりに盤古大神を奉じ、世界を物質主義・優勝劣敗・弱肉強食の暗黒界にしたててしまう。
そこで天の三体の大神はこの状況を座視するにしのびず、ふたたび国治立命の出現を命じ、理想の神代を実現しようとする。物語はこの次第を略述したものである。
本巻は国大立命、金勝要神、大将軍沢田彦命が隠退するまでを述べたものであり、無始無終の霊界の一部を物語っているに過ぎない。願わくは霊界一部の消息を探知することで、霊主体従の身魂に立ち返り、世界万国のために弥勒の神業に奉仕されるようになることを望む次第である。