文献名1霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻
文献名2前付よみ(新仮名遣い)
文献名3総説よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
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データ凡例
データ最終更新日----
あらすじ
主な人物
舞台
口述日
口述場所
筆録者
校正日
校正場所
初版発行日
愛善世界社版
八幡書店版
修補版
校定版
普及版
初版
ページ備考
OBC rm030003
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本文
天地剖判して大地、日、月、星辰現はれ、地上には樹草、人類、獣、鳥、魚、虫を発生せしめ、各自分掌の神を定めてこれを守護せしめたまひける。
大神は人体の元祖神として天足彦、胞場姫を生みたまひ、天の益人の種と成したまひたり。しかるに天足彦は胞場姫のために神勅にそむきて霊主体従の本義を忘れ、つひに体主霊従の果実を食し、霊性たちまち悪化して子孫に悪念を遺したるのみならず、邪念はおのづから凝つて八頭八尾の大蛇と変じ、あるひは金毛九尾の悪狐と化し、六面八臂の魔鬼となり、世界を混乱紛擾せしめ、国治立大神、国直姫命、大八洲彦命以下の諸神を根の国に隠退せしめ、盤古大神(塩長彦)を奉じて国治立大神の聖職に代らしめ、塩長姫をして国直姫命の職をおそはしめ、八王大神(常世彦)をして大八洲彦命の職を司らしめ、常世姫をして豊国姫命にかはらしめ、和光同塵的神策を布き、一時を糊塗して、大国彦と結託し、世界を物質主義に悪化し、優勝劣敗、弱肉強食の端を開き、つひには収拾すべからざる悪逆無道の暗黒界と化せしめ、その惨状目もあてられぬ光景となりたれば、天の三体の大神も坐視するに忍びず、ここに末法濁世の代を短縮して再び国治立命の出現を命じたまひ、完全無欠の理想の神世の出現せむとする次第を略述せるものなれども、製本上の都合により本巻は、国大立命および金勝要神、大将軍沢田彦命の隠退さるるまでの霊界の消息を伝ふることとせり。ゆゑにこの霊界物語は、あたかも大海の一滴、九牛の一毛にもおよばず、無限絶対、無始無終の霊界の一部の物語なれば、これをもつて霊界の全況となすは誤りなり。願はくはこの書をもつて霊界一部の消息を探知し、霊主体従の身魂に立ちかへり、世界万国のために弥勒の神業に奉仕されむことを懇望する次第なり。数千年間の歴史上の事実のみ研究さるる現代の人士は、この物語を読みて或ひは怪乱狂暴取るにたらざる痴人の夢物語と嘲笑し、牽強附会の言となさむは、むしろ当然の理といふべし。神諭に曰く、
『世の元の誠の生神が、時節きたりてこの世に現はれ、因縁ある身魂にうつりて太古から言ひおきにも、書きおきにもなきことを、筆と口とで世界へ知らすのであるから、世界の人民が疑ふて真実にいたさぬのは、もつとものことであるぞよ云々』
と示されあり。また、
『この神の申すことは、因縁の身魂でないと、到底腹へは這入らぬぞよ』
と示されあり。ゆゑに神縁深き人士にあらざれば、断じて信じ難からむ。
要は、単に一片の小説と見なしたまふも不可なく、また痴人の夢物語として読まるるも可なり。ただ天地の大神たちの天地修理固成の容易ならざる御艱難と御苦心の径路を拝察したてまつり、かつ洪大無辺の神恩に報ひたてまつり、人生の本分を全ふしうる人士の一人にても出現するにいたらば、口述者にとりて、望外の欣幸とするところなり。惟神霊幸倍坐世
大正十一年一月 王仁識