文献名1霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻
文献名2第10篇 神政の破壊よみ(新仮名遣い)しんせいのはかい
文献名3第40章 国の広宮〔140〕よみ(新仮名遣い)くにのひろみや
著者出口王仁三郎
概要
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データ最終更新日----
あらすじ国直姫命が突然昇天した後、地の高天原は混乱に陥っていた。
大八洲彦命らは神殿を造営し、国直姫命の神霊を奉安して神助を得、地の高天原を収拾しようとした。
しかし竜山別一派は神殿造営に極力反対した。しかし神国別らの重臣たちも神殿造営に賛成したため、天の原という清浄の地に、国の広宮という神殿が造営された。
造営が終わると、たちまち神殿が鳴動して美山彦、竜山別らの一派を強烈な光線が照らし出した。すると、彼らの身体からは悪狐・悪狸らが数限りなく飛び出して、どこかへ逃げてしまった。
美山彦らは内なる悪を暴かれてすごすごと立ち去ったが、第二の策略をめぐらしていた。
主な人物
舞台
口述日1921(大正10)年12月07日(旧11月09日)
口述場所
筆録者外山豊二
校正日
校正場所
初版発行日1922(大正11)年3月3日
愛善世界社版237頁
八幡書店版第1輯 344頁
修補版
校定版241頁
普及版106頁
初版
ページ備考
OBC rm0340
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本文
国直姫命の上天されしより、地の高天原も、竜宮城も綱紀紊乱して、諸神司は日夜に暗闘をつづけ、ほとんど収拾すべからざるに立いたりぬ。ここに大八洲彦命、神国別命は国直姫命の神霊を奉安し、神助をえて地の高天原を統治せむことを企てたまひぬ。
このとき竜山別、広若、船木姫らの一派は神殿造営に極力反抗し、竜山別は大八洲彦命にむかひ、
『国直姫命は、すでに上天したまひたれば、肉身ある神にあらず。神はすべて霊にして、形体なし。いたづらに土木を起し、神殿を造営するは、かへつて天地の神慮に反くものなり。神は金石木草をもつて造りたる社殿には住みたまはざるべし。霊を拝するには霊をもつてせざるべからず。神殿を造りて、これに拝跪するごときは、いはゆる偶像を拝する悪逆無道の行為にして神慮を傷つくるものなり』
と強弁したれば、広若、船木姫らも手をうつて、その説に賛成の意を表しける。
大八洲彦命は憤然として立上り、
『貴下の言一応は道理のごとく聞ゆれども、神は霊なりとしてこれを放任し、いたづらに天を拝するは、顕幽一致の神術に相反するの甚だしきものなり。神は絶対無限の神霊にして、かつ無形無声にましますは真理なれども、そは宇宙の大元霊たる天之御中主大神の御事にして、一旦肉身をもつて地上に顕現されし国直姫命のごときは幽神に非ず。今日は顕の幽神として上天したまへば、かならず荘厳なる宮殿を造り、神霊を祭祀し神助を仰がざるべからず』
と宣言したまひければ、神国別命は、一も二もなく大八洲彦命の説に賛成し、いよいよ天の原といふ聖浄の地を選み、宮殿を造営することとなり、これを国の広宮ととなへられける。
国の広宮には、宮司として武直彦、玉国彦が奉仕することとなりぬ。大八洲彦命はあまたの神司とともに、神霊鎮祭の祭典を執行されたりしが、その場に美山彦、国照姫、竜山別、広若、船木姫、田糸姫などの面々も、不承不承に参列しゐたりけり。
神霊鎮祭の儀式をはるや、たちまち神殿鳴動して扉は自然に開かれ、殿内よりは強烈なる光線矢を射るごとく、美山彦、国照姫、広若、船木姫、田糸姫らの面上を射照したるに、神威におそれて美山彦以下の面々は、その場に顛倒し、ふたたび起あがり手をふり、身体を動揺させ、怪しき声をたてて庭前を狂気のごとく飛びまはりける。
しかして美山彦以下の身体よりは銀毛八尾の白狐、古狸等数限りもなく現はれ、たちまち妖雲を捲きおこし、雲に隠れてどこともなく散乱したりける。国の広宮は、天神地祇諸神の審神をなす聖場と定まりてより、美山彦、国照姫、竜山別は呆然として気抜けせしごとく、神司らの前をはづかしげにすごすごとして竜宮城に立ちいたり、第二の計画をめぐらしにける。
(大正一〇・一二・七 旧一一・九 外山豊二録)