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文献名1霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻
文献名2第11篇 新規蒔直しよみ(新仮名遣い)しんきまきなおし
文献名3第48章 常夜の闇〔148〕よみ(新仮名遣い)とこよのやみ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじそのほかにも、真心彦が帰幽した後に従者・国比古の態度が一変し、広宗彦や事足姫を軽んじて自由行動を取り、そのために神々を混乱に陥れた。国比古の三人の息子はなんとかして父を正道に帰そうと努力を続け、その魂は生き変わり死に変わり、神界にて神政成就のための大活動を今も続けているという。一方広宗彦は弟・桃上彦の悪行に悩まされることになるが、広宗彦は温柔な性質で、弟を戒めることができなかった。天使長・沢田彦命の妻・沢田姫命は、部下の出雲姫とともに神業に奉仕し、現在に至るまで苦難をなめながらも、必死の活動を続けているという。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年12月10日(旧11月12日) 口述場所 筆録者桜井重雄 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年3月3日 愛善世界社版283頁 八幡書店版第1輯 361頁 修補版 校定版286頁 普及版129頁 初版 ページ備考
OBC rm0348
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本文  真心彦の帰幽されし後は、その従者たる国比古の行動一変し、広宗彦の命を奉ぜず、利己的に何事も振舞ひ、いたづらに権力をふるひ、事足姫を軽蔑し、自由行動をとりて神人を籠絡し、つひに神界の混乱を来たさしめたるも、国比古の行為の不正なるに基因するもの多大なりけり。
 この国比古と国比女夫婦のあひだに真道知彦、大森雪成彦、梅ケ香彦の三柱の男子生れたり。この三人は、両親に似合ぬきはめて厳正にして、智仁勇兼備至誠の神人なりける。三人は、父母の不忠不義の行動を改めしめむと、交るがはる涙をふるいて道法礼節を説き、幾度となく諫言したれど、父母は吾が子の諫言には少しも耳を傾けむとはなさざりける。
 三人は是非なく、父母の発菩提心を待つのやむを得ざるを覚り、五六七神政の時まで善道を修め、天則を遵守し、二度目の岩戸開きの神業に奉仕し、抜群の功名手柄を顕はし、国治立命の大神業を輔翼し、もつて父母の罪を償はむと、古き神代の昔より現今にいたるまで、その神魂は生きかはり死にかはり、神界において神政成就のため一生懸命の大活動を今につづけゐるといふ。
 広宗彦は桃上彦の傍若無人の行動に妨げられて、非常に困難の地位にたち、筆紙口舌のつくしがたき艱難辛苦を嘗めたりにけるが、父の真心彦は、清廉潔白の心より悪評を世間にたてられ憤慨の結果職を退き、つひには帰幽したるより、父の光を現はさむため善道をおこなひ律法を守り、至誠の結晶力をもつて天地神明の稜威を宇内に輝かし、森羅万象をしておのおのその安住の所を得せしめ、父母の失敗と罪科をつぐなひ、その神霊を助けむとして、現代にいたるまで地上の各所に放浪し、神政成就の暁に処するため、犠牲的艱苦をなめつつありといふ。
 広宗彦は至善至愛の神人なりけるが、元来温柔なる身魂の性質として、弟の桃上彦の行動にたいして厳戒することを躊躇したり。そのゆゑは、桃上彦の行動を一言にても批評し訓戒するときは、継父たる春永彦の気色を損することを恐れたるが故なり。ゆゑに桃上彦の悪行を戒め、暴政を改めしむること能はざりしは、命にとつて末代の不覚にして、終生の大失敗なりける。神の道に奉仕する神人は、右の次第をよく了解し、天則を遵守し、情義にからまれて末代の悔をのこさざるやう注意すべきなり。
 桃上彦の体主霊従天則違反の行動の結果は、上は下に押へつけられ、下はまた世とともに悪化し、慢神の空気は天地にみなぎり溢れ、下はおひおひ自己本位の波たち騒ぎ、神人の階級までも根元より破壊せしめたり。至誠一貫的に奉仕せる善良なる神人も、つひには忍びかねておひおひに退職し、神界の神務は如何ともすること能はざる惨憺たる形勢とはなりぬ。
 広宗彦は、弟の行成彦と力をあはせ心を一にして、天則を厳守し、善一筋の模範を世界に示し、回天的神業をおこして、地上の神界を根本より改造せむと焦慮したれども、放縦と怠慢と逸楽のみを希求するにいたりたる神人は、一柱としてその神業に参加するものなく、神界はますます混乱紛糾の度を加へ、万妖億邪一度に突発して収拾すべからず、常夜の暗黒世界とたちまち変ずるにいたりける。
 大将軍天使長沢田彦命の妻沢田姫命は、出雲姫とともに、神政の紛乱と律法の破壊とをおほいに煩慮し、心身を傾注しつつ神界幽界大改造の神業の一端にも奉仕せむと、雄々しくも女神の身魂をもつて、神代より今にいたるまで久遠の歳月を一日のごとく、筆紙口舌につくしがたき大艱苦をなめ、必死の活動をつづけたまふという。
 三千世界一度に開き、艮の金神ふたたび表に現はれて、五六七の神業を開始したまふ時運の到来したる今日なり。ゆゑに今度こそは、苦労の結晶の花の咲き匂ひ、うるはしき実を結ぶ神政の世に近づけるものにして、世界は神界現界に論なく、神人ともに必死の活動をなし、末代しほれぬ生き花を咲かし、神国のために十分の努力を励まねばならぬ時期に迫りきたれるなり。
(大正一〇・一二・一〇 旧一一・一二 桜井重雄録)
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