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文献名1霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻
文献名2第3篇 正邪混交よみ(新仮名遣い)せいじゃこんこう
文献名3第17章 殺風景〔167〕よみ(新仮名遣い)さっぷうけい
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2023-09-14 01:22:47
あらすじさすが常世姫は稚桜姫命の娘(国祖の孫神)であるだけあって、反対派の神々の攻撃も悠然として対処し、反論の余地のないほどの反歌を返した。諸神は常世姫の余裕ある態度に呑まれ、あえて反論するものも無くなってしまった。ここにモスコーの従神・森鷹彦は登壇すると、堂々と八王大神の野心をあげつらい、常世会議を開くこと自体が、国祖の御心に反したことであるとはっきり言い放った。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年12月20日(旧11月22日) 口述場所 筆録者出口瑞月 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年3月30日 愛善世界社版105頁 八幡書店版第1輯 410頁 修補版 校定版111頁 普及版48頁 初版 ページ備考
OBC rm0417
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本文  さすがは稚桜姫の娘にして、智勇兼備の常世彦の妻だけありて、かかる紛糾混乱せる議場の猛烈なる反対派の神たちの反駁も、攻撃も、突喊もほとんど鎧袖一触の感じも抱かざるごとき悠然たる態度をもつて、よく胸中の野心と不満とその希望を、優雅なる歌もて遺憾なく表白し、諸神人の心胆を柔げ、且つその大度量に敬服せしめ、反対側をして一言一句を挟むの余地無からしめたる手腕は実に天晴なり。あたかも清風爽々として巷塵をおもむろに吹き散らして一片の埃影をも止めざるの概ありき。
 満座の神人は常世姫の堂々として動かず、悠々として騒がず焦慮らず、小児にたいする大人のごとく、綽々として余裕ある長者の態度に心胆を呑まれ、一柱といへども立つて之を反駁する神人なかりたり。
 この時、モスコーの従臣森鷹彦は瓢然として自席より身を起し、八王大神に向つて発言権を請求し、骨格衆に秀でたる仁王のごとき巨躯を提げ、足早に一歩一歩場内をヤツコスの六方踏みしごとき調子にて、節くれ立つた両腕に拳を固く握り、腕を広く左右に張りつつ威勢よく登壇したり。森鷹彦はモスコーの爆裂弾と称へられ居る強力にして、無鉄砲なる英傑なりける。
 常世姫の言霊の威力に呑まれて堂々たる八王、八頭をはじめ、その他の神人らの一柱として反駁を試むるものなき腑甲斐なさを見て心中深く憤懣し、終に耐へかねて登壇を試みたるなり。森鷹彦は壇下に居並ぶ諸神人に赭顔を曝し睨みつけ、つぎに身体をクルリと常世姫の方にむけ、嬋娟たる美容を頭上より脚下まで熟視し、口唇をへの字形にかたく結び、巨眼をむき出し、忌々しげに太き息を猛虎の嘯くごとく吹き立てたる。その形相の凄じきこと、悪鬼羅刹の怒りたる時の如くなりけり。
 森鷹彦は舌端火を吐きながら満座に向つて声を励まし、
『そもそも今回の大会議については、八王大神の世界を永遠に平和ならしめむとする、大慈大悲の至誠より発起されたるものと聞きおよぶ。しかし表面的理由は如何とも名づく可けれども、その落着く心の真の精神の如何については、十分考量を要すべきことと思ふ。本会議に臨みたまふ八王、八頭は申すにおよばず、その他の神人はいづれも神定の聖地ヱルサレムの地上高天原において、国祖国治立命の神定によりてその身魂々々に匹敵する神界の天職を命ぜられたる、至厳至重の聖職に奉仕すべき天賦的大使命を負はせらるる方々ならずや。しかるに何ンぞや、大神の天使たる八王をはじめ、その他の神司の今日の行動は、天地神明の聖慮を無視したる反逆的悪事にあらざるか。かれ八王大神なるもの果して何の特権あるか。かれは国祖の神任によりて八王大神と成りしに非ず。ただただ時の力を利用し、体主霊従的行為を続行して数多の邪神を蒐集し、自らその頭目となりしものにして、一言にして論ずれば彼のごときは、天則違反自由行動の反道者たるのみ。素性賤しき野蕃神の成り上りにして真正の天使にあらず、天下を掠奪せむとする一大盗賊の徒なり。吾々は彼が如き大盗賊をして心底より悔い改めしめ、善道に導き、大神の慈徳の洪大無辺なるを悟らせ、身魂ともに天国に救ひ与へむとの真情より、はるばると本会議に参列したる次第である。然るに諸神司はかかる天則を破る大盗賊の配下となり、神より任命されたる各自の聖職を捨てむとするや。八王以下の聖職は神の職を任けられたる貴き天職にして、決して個人の自由に左右すべきものにあらず、諸神司はよろしく我が天職を反省し、軽々しくかかる暴論暴挙に耳を藉し、参加して国祖の神慮を怒らしむる勿れ。吾々は八王大神にして心底より省み、前非を悔い改め、天地の真理を覚り大神の律法に背戻するの罪を畏こみ、また八王大神らの奸策にのりて野天泥田に陥りたるその無智を恥ぢ、断然として今回の会議を脱退し、天賦の聖職を尊重し、聖地ヱルサレムにおいて神慮に叶へる至善至真の会議を開催されむことを望む』
と大声疾呼しつつ降壇せむとし、たちまち巨躯をクルリと返へし、ふたたび演説を始めたり。
『諸神司はくれぐれも真の神の恩徳を忘れたまふことなく、至誠の真心を発揮し今日の失敗を大神に泣謝し、蕃神八王大神大自在天の陰謀を根底より破壊し、以て神の前に清き、赤き、直き、正しきを顕彰されよ。我は微賤の者なりといへども、世界平和のため、律法保護のためには、決して諸神司の後に落ちざるものである。アヽ八王大神よ、常世姫よ、寸時も早く至誠にかへれ。アヽ満場の諸神人も、片時も速かに迷夢を醒ませ。悪魔は善の仮面を以て善なる神人を誑惑す。正邪理非曲直の判断に迷ふなかれ』
と現在名声を世界にとどろかし、勢力巨大なる八王大神の前をも憚らず、洒々然として猛烈に攻撃の矢を放ちたるその大胆不敵さに驚かざるはなかりける。要するに森鷹彦は一意専心に大神の神威を畏れ、神徳の洪大無辺なるを確信するより、かくのごとき強敵の前をも憚らず、諄々として大胆に、率直に所信と抱負を無遠慮に叶露することを得たるなり。アヽ信仰の力は山をも動かすとかや、千祈万祷至誠一貫して以て山動かざる時は、吾より往きて山に登らむてふ確固不抜の信仰あらば、天下何ものか之に敵し得むや。森鷹彦の熱心なる大々的攻撃も悪罵も流石の八王大神において、如何ともすること能はざりしは、全く信念の力の致す所といふべし。
(大正一〇・一二・二〇 旧一一・二二 出口瑞月)
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