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文献名1霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻
文献名2第8篇 天上会議よみ(新仮名遣い)てんじょうかいぎ
文献名3第43章 勧告使〔193〕よみ(新仮名遣い)かんこくし
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
常世彦は諸神人を常世城に集め、盤古大神を国祖に代えて奉戴しようと会議を開いた。大自在天も常世彦に味方し、諸神は国祖を悪神と貶め、神務に奉仕する大八洲彦命らをも根底の国に追放すべきだ、と一致した。

このときの常世会議は少しも紛糾せず、反国祖で一致した。そして美山彦、国照姫が国祖への勧告使となって聖地に出発した。

その後を追って、常世彦は八百万の神々を率い、堂々と聖地に上ることになった。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年12月29日(旧12月01日) 口述場所 筆録者出口瑞月 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年3月30日 愛善世界社版263頁 八幡書店版第1輯 465頁 修補版 校定版271頁 普及版119頁 初版 ページ備考
OBC rm0443
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本文  常世彦は我が目的とする、八王大神の称号を国祖大神に迫つて、これを獲得し、旭日昇天の勢をもつて天下の諸神人に臨み、盤古大神を首長と仰ぎ、これをもつて国祖の位置に就かしめむと、内々準備を整へ、諸神人をふたたび常世城に集めて神界改造の相談会を開催したり。大自在天大国彦は、八王大神を極力讃美して、この際一日もはやく国祖の退隠を迫り、塩長彦をして神政神務の総統者に推戴するをもつて、世界救済の一大要点なりと主張したり。
 ここに美山彦、国照姫は立つて、大国彦の主張に対しあらゆる讃辞を呈し、かつ、
『国祖大神をして、かくのごとく頑強固陋の神となさしめたるは、前天使長大八洲彦命、言霊別命、神国別命、大足彦および万寿山の頑老、磐樟彦以下の聖地の神人および女性側としては、前天使長高照姫命、真澄姫、言霊姫、竜世姫ら聖地の神司らの一大責任なれば、国祖の退隠に先だち、右の諸神人を聖地より追放し、根底の国に神退ふべきものなり』
と息をはづませ、肩を揺りながら述べ立てたり。
 一旦聖地において全く悔い改め、本心に立帰りゐたる至善の神人も、いまは少しの油断のために、邪神の容器となり、いづれも挙つて国祖にたいし反抗の態度を執るにいたりたるは、果して時節の力か、ただしは因縁か、測度しがたきは神界の経緯なり。
 神諭に曰く、
『時節には神も叶はぬぞよ』
と、全大宇宙の大主神たる大六合治立尊の御分身にして、宇宙の大主権神たる、国祖国治立命も、時節の力は如何ともすること出来得ざりしなり。至正、至直、至厳の行動は、かへつて多数の神人より蛇蝎のごとく忌嫌はれて、つひには悪神と貶せられ、祟り神と強ひられ、悪鬼の巨頭艮の金神と名称を附して、大地の北東に居所を極限さるるにいたりたまへるも、神界経綸上止むを得ざる次第ならむか。
 このたびの常世城の会議は、前回のごとく少しも騒擾紛糾の光景を現出せず、和光同塵、体主霊従的神政を謳歌せる神人(邪霊の憑依せる)のみの集会なりしゆゑ、全会一致をもつて、まづ国治立命をして、大八洲彦命、高照姫命以下の神人を根の国底の国に追放せしめ、その後において、国祖の自発的退隠を迫ることに一決したりける。ついてはその衝にあたるべき神司の選挙をなさざるべからざれば、ふたたび自決勧告使たるべき神人を物色したりしが、この時大国彦の重臣大鷹別は進ンで、この大切なる使命は吾々ごとき小人の能く耐ふるところにあらずとし、智徳兼備の八王大神および大自在天の御尽力を乞ふのほかなきを主張したれど、八王大神は何か心に期するところあるもののごとく、首を縦に振らざりけり。その場に威儀儼然としてひかへたる大国彦も、無言のまま首を横に振りゐたりける。美山彦、国照姫は立上がり、
『今回の勧告使は、畏れながら小神に任じられたし』
と切り出しけるに、常世彦も、大国彦も言ひ合はしたるごとく頓首きて、承諾の意を表示したり。
 美山彦、国照姫は諸神人の一致的賛成のもとに、意気揚々として勧告使となり、聖地ヱルサレムの宮殿に参向し、国祖に対面せむと、数多の神人を引率して聖地に向け帰途に就きける。
 常世彦命はまたもや八王大神の資格をもつて聖地に帰還せむとするに先だち、盤古大神の輔佐として、大国彦の従臣大鷹別をして常世城の主管者に任じ、かつ部下の神人をして、各自に神政を分掌せしめ、八百万の神司を引率して、ヱルサレムを指して旗鼓堂々天地も震撼せむばかりの勢にて、上り来たりぬ。先に勧告使として帰還したる美山彦、国照姫の使命は果して完全に成功せしや疑はしき限りなり。
(大正一〇・一二・二九 旧一二・一 出口瑞月)
(第三六章~第四三章 昭和一〇・一・二二 於佐賀市松本忠左氏邸 王仁校正)
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