持ち帰った神璽は橄欖山の神殿に鎮祭された。それより神殿は一日おきに鳴動するようになった。しかしこの神璽に宿っていたのは、八頭八尾の悪竜の霊であった。
これより聖地エルサレムには怪事が続発して暗雲に包まれた。八王大神はやや反省の色を表し、ひそかに国祖の神霊を人知れず鎮祭していた。
玉春姫と塩光彦は駆け落ちしてエデンの園の大樹の下で、ひそかに暮らしていた。盤古大神は息子がいなくなったのを悲しみ、神示を乞うた。すると、息子はエデンの園の大樹の下に、一人の女性と暮らしているのが見えた。
盤古大神はただちに大樹の周りを探させた。塩光彦と玉春姫は樹上に逃れて捜索の目をくらましていたが、ついに見つかって連れ戻された。
一方常世彦夫婦も、娘がいなくなってしまったために方々を捜索させていたが、何の手がかりもなかった。常世彦は国祖に祈って、エデンの園という神示を得た。
常世彦はそこで、娘・玉春姫の捜索を盤古大神に願い出たが、盤古大神は常世彦に一通の信書を返すのみであった。