盤古大神の信書には、塩光彦と玉春姫の間柄の経緯がのべられ、玉春姫を読めとしてつかわすように、と書かれていた。
常世彦は、娘が主上である盤古大神の息子の妃となるのは、立身であるとして、承諾することとなった。そして、自分の息子の常治彦には、盤古大神の娘・塩治姫をめあわすように、と要求した。
盤古大神夫妻は娘に対し、常治彦の妃となるよう言い渡した。塩治姫は悲しんで、ついにエデンの園の宮殿を飛び出してしまった。
いつまで経っても塩治姫がやってこないので、常治彦はみずから盤古大神の宮殿に出向いた。宮殿内は、塩治姫を捜索する神々で騒然としていた。
常治彦はこの様子に身の危険を感じて引き返した。常治彦がエデンの河辺までやってくると、人々が騒いでいる。何事かと聞いてみると、盤古大神の娘・塩治姫が河に飛び込んでしまった、という。
騒ぎを聞きつけて、宮殿から塩光彦と玉春姫もやってきた。常治彦は妹の玉春姫を認めると、聖地へ帰ろうと言って小脇に抱えると、共にエデンの大河に飛び込んでしまった。
塩光彦は玉春姫が奪われたことを悲しんでいたが、白雲が降りてくると、雲の中から玉春姫が現れた。塩光彦は喜んで手をとって宮殿に帰還した。
一方、聖地エルサレムには常治彦が塩治姫を携えて無事に帰還していた。本物の常治彦はエデンの大河に妹と飛び込んでしまっている。聖地に帰還した常治彦と塩治姫は、一体何者であろうか。