芳彦は、八島姫の父に仕える従者・玉純彦であった。大道別はそこで、玉純彦と八島姫に夫婦の契りを結ばせた。
八島姫はただ、父のゆるしなく結婚することにためらいを覚えたが、大道別は一通の信書を姫に差し出した。それは父・大島別からの手紙であり、八島姫は玉純彦と夫婦となって、南高山の後を継ぐべし、と書かれていた。
実は大島別自身も大道別のはからいで顕恩郷に隠れていた。玉純彦・八島姫の結婚の席にて三人は再会を果たした。そして、三人は密かに逃れて南高山に帰り、玉純彦は南高山の八王となった。
後には、白狐の旭が八島姫として顕恩郷にとどまっていた。南天王は鷹住別・春日姫に顕恩郷の王の位を譲ると宣言して、日の出の神としての神業に旅立ってしまった。
鷹住別は南天王の位を継ぐこととなり、祝宴を張った。この様子を棒岩の上から見ていた常治彦は悔しがって暴れ回った。すると、神輿はぐらついて岩の上からまっさかさまに落下してしまった。