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文献名1霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻
文献名2第2篇 中軸移動よみ(新仮名遣い)ちゅうじくいどう
文献名3第15章 石搗歌〔215〕よみ(新仮名遣い)いしつきうた
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
盤古大神の審神によって憑依は沈静した。神々らは盤古大神の神力に感服し、服従することになった。

盤古大神はウラル山中腹の平地に宮殿を造営しようとし、神々らは工事に着手した。

宮殿を造営するに当たり、棟木の材料のみが手に入らなかった。そこで盤古大神は自ら審神者となり、竜山別に神がかりさせて、神示を乞うた。

竜山別にかかった山口の神は、鷹鷲山の大樹を伐って棟木とするように告げた。人々は鷹鷲山に出向いたが、木は稀代の大樹であり、伐るのにほとんど三年を要した。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年01月07日(旧12月10日) 口述場所 筆録者外山豊二 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年4月15日 愛善世界社版88頁 八幡書店版第1輯 549頁 修補版 校定版90頁 普及版41頁 初版 ページ備考
OBC rm0515
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本文  盤古大神は、厳粛なる審神に依つて、常世彦、常世姫、竜山別その他の神々の帰神的狂乱状態はたちまち鎮静した。ここに常世彦以下の神人は、盤古大神の天眼力と、その審神の神術の優秀なるに心底より感服し、何事もその後は盤古大神の指揮に服従することを決議した。
 ここに盤古大神は、ウラル山の中腹の極めて平坦の地を選び、宮殿を造営せむとし、大峡小峡の木を伐り、石を搬びて基礎工事に着手した。神人らの寄り集まつて勇ましく歌ひながらドンドンと石搗く音は昼夜の区別なく、天地もために震動せむず勢であつた。百神の必死的活動の結果、一百余日にして基礎工事は全く終了したのである。
 その時の石搗の歌は、
 神代の昔その昔  常磐堅磐に世を護る
 国治立の大神の  築き固めたる礎は
 雨の朝や風の宵  雪降る空や雨嵐
 ちから嵐のいともろく  覆りたる神の代を
 立直さむとこの度の  ウラルの山の神集ひ
 集ひたまひし塩長彦の  神の命や八王の
 常世の彦や常世姫  常世の暗を照らさむと
 心も赤きアーメニヤ  朝日も清く照りわたり
 光さやけき夕月夜  星もきらめく天津空
 高行く雲も立つ鳥も  伊行き憚るウラル山
 表とウラルに朝日子の  輝きわたる祥代に
 造り固めて常久に  開く神代のまつりごと
 天にまします日の御神  大空伝ふ月の神
 影もさやかに足御代を  祝ひたまふか今日の日を
 風清らけく花の木は  枝もたわわに実りして
 正しき神を松の山  実にも目出度き千代の春
 四方にたなびく春霞  みどりの袖を振り栄えて
 春の山姫しとやかに  舞ひてをさむる盤古の
 万古不易の神の御代  万古不易の神の御代
 百の神人勇み立ち  神の恵に四方山の
 草木も靡く目出度さよ  アヽ千秋万歳楽境の
 この礎をいや固に  いや強らかに築かむと
 上津岩根に搗き凝らし  下津岩根に搗き固め
 ついて固めて望の夜の  月の光の雄々しさよ
 ウラルの山の常久に  空に輝くアーメニヤ
 野は平けく山遠く  そよ吹く風の音聞けば
 ばんこばんこと響くなり  ばんこばんこと響きたる
 この石つきはいや堅く  万古不易の礎ぞ
 万古不易の礎ぞ
 ヨイトサー、ヨイトサ、ヨイトサツサー
 ヨイトサ、ヨイトサ、ヨイトサツサー
 いよいよ基礎工事は竣工した。これより八王大神指揮の下に、神人らは四方八方に手分けをなし山の尾の上や谷の底、大木や小木を探ねつつ、本と末とは山口神に捧げて、中津御木を伐り採り、エイヤエイヤと日ごと夜ごとにウラル山の山腹めがけて運び上ぐるのであつた。
 神人らの昼夜の丹精によつて、用材はほとんど大部分山のごとく集まつた。されど最も必要なる宮殿の棟木を欠いてゐた。神人らは四方山をあさり探し求むれど、適当のものは得なかつた。ここに盤古大神の命により、竜山別は平地に祭壇を設け、もろもろの供物を献じ、心身を清めて神勅を請ふこととなつた。以前の失敗に懲りて、盤古大神は自ら審神の席についた。竜山別には山口神、懸りたまひ教へ諭すやう、
『この棟木は、これより遥か南方にあたり、鷹鷲山といふ霊山あり。その山腹に朝は西海をかくし、夕は東海をかくす枝葉繁茂せる大樹がある。その大樹には数万の高津神群がり棲み居れば、これを伐り採ること容易ならず。されば、吾はこれより山口神の職権をもつて、彼らを他山の大樹に転居せしめむ。竜山別をはじめ数多の神人は獲物を用意し、一時も早く鷹鷲山に向へ』
と宣示したまま、神霊はたちまち引取つてしまつた。この神示によつて数多の神人は勇みよろこび、時をうつさず鷹鷲山に数百千の神人を引率して、荊棘を開き、谷を渡り、叢を切り払ひ、やうやく大樹の下に達した。
 樹上に在りし高津神は、先頭に立てる八頭八尾の大蛇の姿に肝を消し、山口神の命ずるままに、裏山に転居してしまつた。この木を伐り採らむとして、神人は背つぎをなし、まづ一の枝にかけつき、つづいて数多の神人は鉞、鋸などの得物を携へ、最上部の枝より伐りはじめた。
 名にし負う鷹鷲山の稀代の大木とて、容易にこの事業は捗どらなかつた。この木を伐るに殆ど三年の日子を要したりといふ。
(大正一一・一・七 旧大正一〇・一二・一〇 外山豊二録)
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