ウラル彦は宣伝使・日の出神を捜索して捉え、牢獄につないでしまった。そして『飲めよ騒げよ、一寸先は暗よ』という歌を作って四方に宣伝させた。
ウラル彦たちが宴会を開いて、飲めよ騒げよ、と歌っていると、その場に盤古神王が現れて、宣伝歌を歌い始めた。盤古神王の歌を聞くと、過半数の神々は酔いもさめて畏れおののいた。
ウラル彦夫妻は負けじと、飲めよ騒げよ、と歌い返して両者争っていたが、牢獄の奥から荘厳な声が聞こえ、神々は苦悶して倒れた。
盤古神王はその声を便りに牢獄に進んでいくと、そこには日の出神がとらわれていた。盤古神王は日の出神を救い出し、丁重にもてなした。日の出神は野立彦命の神意を伝え、改心を迫った。
常世神王は帰順し、ウラル山の上に立派な宮殿を造り、日の神、月の神、大地の神を荘厳に鎮祭し、礼拝を怠らなかった。
一方ウラル彦夫妻は無神説を唱えて反抗した。飲めよ騒げよ、と歌って神務を忘却するに至った。
このとき、轟然と音響が響き、強烈な光が地上に放射された。それは、天の浮橋からの光であった。浮橋の先端から金色の星が幾十となく放出して、ウラル山上の盤古神王の宮殿に落下した。
盤古神王は大神の恵みとして、玉を拾い集めて神殿に安置し、日夜奉祭した。それよりウラル山上は瑞祥があふれるようになった。
そしてこのときより、盤古神王とウラル彦の間には、深い断絶が築かれてしまったのである。