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文献名1霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻
文献名2第7篇 宣伝又宣伝よみ(新仮名遣い)せんでんまたせんでん
文献名3第46章 油断大敵〔246〕よみ(新仮名遣い)ゆだんたいてき
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじウラル彦は大蛇の身魂の威力を借り、ウラル姫は金狐の悪霊の指図を受けて、アーメニヤは一時的に隆盛を極めた。アーメニヤに集まってきた神々はいずれも、体主霊従の行動を取った。ウラル彦はついに、日ごろから仲の悪かった盤古神王を暗夜に乗じて攻撃するに至った。ウラル彦は盤古神王の孫神にあたるにもかかわらず、このような恐ろしい挙動に打って出たのである。盤古神王は無抵抗主義を取って泰然としていたが、賓客として滞在していた日の出神に励まされ、妻・塩長姫、娘・塩治姫と共に、夜陰にまぎれてアーメニヤを脱出した。聖地エルサレムに逃れた盤古神王は、形ばかりの仮殿を建てて天地神明を祀り、世界の混乱鎮定を祈願することになった。天変地異が頻発し、地上の神人は非常な苦しみを味わう世界となってしまった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年01月14日(旧12月17日) 口述場所 筆録者井上留五郎 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年4月15日 愛善世界社版282頁 八幡書店版第1輯 616頁 修補版 校定版287頁 普及版119頁 初版 ページ備考
OBC rm0546
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本文  アーメニヤの野に神都を開きたるウラル彦は大蛇の身魂の猛威を借り、ウラル姫は金狐の悪霊の使嗾によつて天下の神人を帰従せしめ、一時衰退に帰したる神政は日に月に降盛の域に達した。
 世の終りに近づきしこの際、かくも勢力頓に加はるのは、恰も燈火の滅せむとする時その光却て強く輝きわたるやうなものである。
 アーメニヤを中心として集まり来る数多の神々は、孰れも体主霊従の行動を取り、自由を鼓吹し天地の神明を無視し、利己一遍に傾き、ここに天地の律法は全たく破壊されて了つた。
 ウラル彦は勢を得て、遂に氷炭相容れざる盤古神王をウラル山上より駆逐せむとし、暗夜に乗じて八方より短兵急に攻め寄た。
 然るに盤古神王は天地の大恩を悟り律法を遵守し、敵の襲来に対して天運と諦め、少しも抵抗しなかつた。
 元来ウラル彦は盤古神王の肉身の子なる常世彦の子にして、云はば神王の孫に当るのである。されど大蛇の霊に左右せられたるウラル彦は五倫五常の大道を忘却し、心神常暗となつて、遂に天位の欲に絡まれ、かくの如き悪逆無道の行為に出でたのである。実に邪神位恐ろしきものは世にないのである。如何に善良なる神と雖も、その心身に空隙または油断あるときは、たちまち邪霊襲来して非行を遂行せしめ、大罪を犯さしむるものである。

 傀儡師胸にかけたる人形箱
  鬼を出したり仏出したり

 善になるも悪に復るも皆精神の持方一つにあるを思へば、精神位恐ろしきものはない。
 ここに盤古神王は覚悟を定め、ウラル彦の蹂躙に一任し、無抵抗主義をとることとなり、天を拝し地を拝し、一切の結果を大神の命に一任し奉つた。
 奥殿に賓客として留まり居たる宣伝使日の出神は、盤古神王を励まし、塩長姫および塩治姫と共に夜陰に紛れてウラルの深林に隠れ、辛うじて聖地ヱルサレムに難を逃れ、荒れ果たる聖地に形ばかりの仮殿を造り、ここに天地神明を祀り、世界の混乱鎮定の祈願に余念なかつた。
 天上の星は常規を逸して運行し、地は絶えず震動して轟々たる音響を立て、空行く諸鳥は残らず地に落下し、日月は光褪せ、雨頻りに降り来つて諸川氾濫し、地上の神人は日夜塗炭の苦しみを嘗むるに至りぬ。
(大正一一・一・一四 旧大正一〇・一二・一七 井上留五郎録)
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