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文献名1霊界物語 第7巻 霊主体従 午の巻
文献名2第1篇 大台ケ原よみ(新仮名遣い)おおだいがはら
文献名3第4章 石土毘古〔304〕よみ(新仮名遣い)いわつちびこ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2017-04-12 07:19:49
あらすじ
日の出神らはなおも油断ならじと白竜に詰め寄った。真鉄彦が長剣をもって白竜の頭部に斬りつけると、一条の血煙とともに白雲がもうもうと立ち込め、中から最前の女性が現れた。

女性は、自分は天の御柱神(神伊弉諾命)の御子で、石巣比売であると明かした。夫の石土毘古とともに、父大神が松の世の礎として造った岩窟に住んでいたが、八岐大蛇が邪神軍を引き連れて襲い掛かり、我ら夫婦を亡ぼして岩窟の主となろうとしているのだ、と明かした。

そこへ、ひとりの従者があわただしく走り来て、石土毘古が今にも殺されそうになっている、と注進した。

岩窟の奥では、邪神が石土毘古を拷問していた。石土毘古はそれに屈せず、逆に日の出神・康代彦・真鉄彦が岩窟に進んできた今、降伏すべきは邪神の側である、と毅然と言い放った。

怒った八岐大蛇の号令により、石土毘古は邪神の手下どもに攻め囲まれてしまった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年01月30日(旧01月03日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年5月31日 愛善世界社版23頁 八幡書店版第2輯 44頁 修補版 校定版25頁 普及版10頁 初版 ページ備考
OBC rm0704
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本文  日の出神は白竜に向ひ、
『いま汝が我が前に正体を現はし、帰順の意を表したるは何故ぞ。汝には最も深き謀計あらむ。一旦帰順と見せかけ、神々が心を緩ませ、その虚に乗じて我々を亡ぼさむとするか。その手は喰はぬぞ、有体に白状せよ』
と三方より詰め寄れば、白竜は両眼に涙を湛へ、頭を大地に摺りつけ絶対帰順の意を表するにぞ、真鉄彦は長剣を揮つて、電光石火、白竜の頭部を目がけて斬りつくれば、一条の血煙上空に向つて立ち昇るよと見る間に、白雲濛々として起り、咫尺を弁ぜざるに到りぬ。やや暫くありて、濛々たる白雲の中より以前の女性茫然と現はれ来り、声も微に語るやう、
『妾こそは、天の御柱神の御子にして、石巣比売と申すものなり。我夫は石土毘古と申し侍る。常磐堅磐の松の世の礎たらしめむとしてわが父大神は、この御山に巌窟を作り我ら夫婦を此処に住はせたまふ。然るにアーメニヤのウラル彦に憑依せる八岐の大蛇は、如何にしてこの仙郷を探りたりけむ、数多の邪神を引き連れ当山に襲ひ来りて我ら夫婦を亡ぼし、自ら代つて当山の主たらむとしたりしを、妾は佯つて彼が味方となり、汝ら救ひの神の来るを待ちつつありしが、今や天運循環してこの喜びに遇ふ』
と初めて語る巌窟の秘密、三柱の神は言葉を揃へて、
『貴女は噂にきく石巣比売に御座せしや、思はぬところにて不思議の対面、これぞ全く幽界に鎮まりたまふ、野立彦神の御引き合せ、嬉しや忝なや』
と四柱一緒に手を拍つて神言を奏上したりける。この時前方より一人の男慌しく走りきたり石巣比売に向ひ両手をつきながら、
『一大事が出来いたしたり。石土毘古は今や八岐の大蛇のために虐殺されむとしたまふ。我はその惨状を見るに忍びず、貴女に報告に参りたり。すぐさま来らせたまへ』
と云ふより早く、ひらりと体を躱し一目散にもと来し道を走り行く。
 ここは巌窟の最も奥深き一室にして、幾百丈とも知れぬ大瀑布が落ちゐたり。瀑布の傍には大小無数の鍾乳石よりなれる自然の石像、数限りなく停立し、かつ一方瀑布の左側には、水晶の母岩針のごとく立ち並び、あたかも氷の刃を立てたる如くなりき。傍の高座には白髪異様の大男、大蛇の変化は、数多の部下を従へ石土毘古を高手小手に縛め、従者共をして石土毘古の身体を氷の刃の上に、どつとばかりに投げつけ、またもや之を頭上に差し上げ、再び投げつけ、終つて大瀑布に投じ、浮み来るを見るや再び刺股をもつて前後左右より滝壺に押し込み、虐待の限りをつくし、再び大蛇の前に引き据ゑきたつて厳酷なる訊問を始めたり。その中の大男の一人は、
『汝は石土毘古ならずや。今まで大台ケ原の竜神と佯り我らを籠絡し、日ごろの大望を破壊せむとする悪逆無道の敵なり。表面帰順せし如く見せかけ、汝が妻の石巣比売と共に我に近く仕へ巌窟の秘密を探り、これを聖地の日の出神に密告せしならむ。すみやかに白状におよべ。この上一言にても詐言をなさば汝を首途の血祭りとなし、妻も同じく虐殺し、次で日の出神を亡ぼし、直に天下に躍り出でて葦原の瑞穂の国を我意のごとく蹂躙せむ。汝いかに勇猛なりとも、敵中に陥り如何に焦慮するも衆寡敵せず及ばぬ忠義立をなさむよりは、今より我に降服し、心底より我に従ふか。返答次第によつては汝夫婦の生命は風前の燈火、所存は如何に』
と厳しく責め問ひけるに、石土毘古は些も恐れず、
『いかに衆寡敵せずとは雖も、我ら夫婦は神伊弉諾命の御子にして当山の主たり。悪魔の張本八岐大蛇の如き素性卑しき悪神に、如何でか降服せむや。汝今より悪を悔い善に移り、我々に従つて神業に参加せざるか。神は一切の神人を愛したまふ。徒に悪神を殺すは、我の欲するところに非ず。もはや今日は日の出神、康代彦、真鉄彦の三柱の勇将、巌窟の奥深く進み来れり。我こそ実に鬼に鉄棒なり。汝悪神の運命はもはや尽きた。鶏卵をもつて巌より堅きわが石土毘古に抵抗するは、自ら滅びを招くものぞ、汝速かに悔い改めよ』
と手足を縛られながら説き諭せば、八岐大蛇は大に怒り、
『いまはの際に何の繰言。皆の奴ども彼を突け、彼を打て、斬れよ』
と厳しく命令すれば、
『アイ』
と答へて数多の部下は、各自に柄物を携へ、四方八方より攻囲む。一人の伴の奴は何思ひけむ、一目散にこの場を駆け出し、行衛をくらましける。
(大正一一・一・三〇 旧一・三 加藤明子録)
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