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文献名1霊界物語 第8巻 霊主体従 未の巻
文献名2第5篇 宇都の国
文献名3第33章 天上眉毛〔383〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ日が暮れてきたところで、一同は夜を明かすことになった。正鹿山津見によると、この先は大蛇峠と言って大蛇がたくさん出るところで、夜に越えるのは危ないという。
一行は宣伝歌を歌い、野宿することになった。
蚊々虎は目を覚まして、寝ている一同の顔を評論しながら、草の汁で落書きを始めた。そして自分には「世界一の色男」と書いて面白がっている。駒山彦が蚊々虎の笑い声に目を覚まして蚊々虎をたしなめるた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年02月10日(旧01月14日) 口述場所 筆録者外山豊二 校正日 校正場所
OBC rm0833
本文の文字数3238
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本文  炎熱焼くが如き夏の空  花の都と謳はれし
 巴留の都を後にして  淤縢山津見の一行は
 漸うここに辿り着き  桃上彦を相添へて
 天津御神の珍の御子  世の民草を救はむと
 声も涼しき宣伝歌  足を揃へて珍山の
 峠を下る雄々しさよ。
 日は漸く西に傾き、山と山との谷道には大なる影映し来たる。
 駒山彦は、
『ヤア、大分に涼しくなつて来たねー。無ければならず、有つては困るものは太陽の光熱だ。斯うして山蔭に日が隠れると、夜のやうに涼しくなつて来た。斯う云ふ涼味は旅行をして見ねば味はふことは出来ぬものだナア』
 蚊々虎は口を尖らせ、
『貴様何を言ふか、罰当り奴が。無ければならぬものの、有つては困るとは、そら何だ、宣り直せ宣り直せ。無ければならぬもので、無くては困る日天様、暑い光熱を頭の上から照して下さつたのは、神様の厚い御恵だ。さうして涼しき蔭を吾らに投げ与へ、澄み切つた風を吹かして下さるのは、神様の吾々を保護したまふ清き涼しき御恵の御かげだと宣り直さぬか』
『やあ、此奴は一つ失策つた。御天道様、いま蚊々虎の云つた通りに駒山彦は宣り直します』
『ソラ見たか』
『空見たつて日天様は、山に御隠れになつてゐるじやないか』
『空呆けるない』
 淤縢山津見は、
『ヤアヤア、また始まつたか。面白いねー』
 五月姫は俯むいて、
『ホヽヽヽヽ』
と微かに笑ふ。
 蚊々虎は、
『五月の空の五月姫、床しい声で花の唇を開いて、ホヽヽヽヽ杜鵑、声も聞えりや姿も見える。見れば見るほど気高い姿の花菖蒲、黒白も分かぬ暗の夜に、綾に尊き五月姫の御道伴れ。世の中は何うしても女に限るねー。男ばつかり歩いて居ると、何時となしにゴツゴツとして角張つて、どうもうまく車の運転がつかぬやうだ』
駒山彦『蚊々虎、貴様はくの字形の腰付きで、女が無ければ角が立つの、ゴツゴツするのとようも言へたものぢや。貴様らに、何ぼ五月姫だつて暑苦しい、誰が秋波を送るものかい。好い気になりよつて、煽て揚げられて、天下の色男は俺だいと云ふやうな、その鼻息は何だい』
『大分駒の息も荒くなつたが、弱い奴だな。苦しいのか、夫れ程苦しければ恰度其処に都合の好い岩がある。其処で一服やつたら何うだ。足の弱い、腰の弱い宣伝使を伴れて歩くと、足手纏ひになつて困る。まあ貴様一服でもするが好いわ。モシモシ淤縢山さま、正鹿山さま貴方達も何なら一服なさつたら如何ですか。五月姫さま貴方は女にも似合はぬ御脚は達者だ。脚の達者なもの同士一足御先へ失敬しませうか』
『ヤア、うまい事を云ひよる。貴様の腹は読めたぞ。五月さま、貴方も休みなさい。蚊々虎一人先に行つて、道を踏ん迷つて谷底へ落ちて寂滅為楽だ。先へ行け、骨くらゐは駒山彦が道伴れの好意で拾つてやるワイ』
『ヤア、邪魔臭い縁起でも無いこと云ひよるから、俺も一つ達者な足を辛抱して休ましてやろかい』
『倒頭本音を吹きよつた。アハヽヽヽ』
 一行は、平面な岩の上に足を伸ばして暫時休息する。太陽は全く地平線下に没せしと見えて、四辺は追々と暗くなり来たる。
 正鹿山津見は不安な顔で、
『まだ是から珍の都へは余程の道程があります。この先にモー一つ大きな山を越さねばなりませぬが、何分荊棘の茂つた猪より通つたことの無い、而して嶮しい山道ですから、悠くりと此処で夜を明かしませうか。この先の山は天雲山と云つて此珍山峠よりも余程高いですよ。而して此頃は大変な大蛇や毒蛇が道に横たはつて居ますから、夜の旅は危険ですからな。此の峠を大蛇峠と云ふ位ですから』
『何ツ!、大蛇峠ですか、大蛇が出ると、其奴は面白い。日頃の腕試し度胸試しだ。夫れを聞けば蚊々虎の腕はりゆうりゆうと鳴つて来る。ヤア、面白い、矢も楯も堪らぬやうになつて来たワ。オイ、一同の宣伝使、一つ大蛇に向つて宣伝歌でも聞かしてやらうじやないか。宣伝歌の徳に依つて大蛇は神格化して大変な美人になるよ』
 駒山彦は呆れて、
『また美人のことを云ひよる。貴様一人行くが好いワ』
『驚いたか、肝を潰したか、おつ魂消たか、何だい其の顔色は。青大将のやうに真蒼になりよつて、阿呆大将奴が』
『コラコラ、蚊々虎、阿呆大将と云ふことがあるか、駒山の前で宣り直せ』
『宣り直すとも、今まで駱駝に乗つてゐたが、今度は大蛇の背に乗り直しだ』
『偉い法螺を吹くね。実物を拝見したら反対に蚊々虎の方から、尾を巻いて遁げるだらう』
 正鹿山津見は静かに、
『闇夜の事と云ひ、峻山絶壁といひ、夜道に日は暮ませぬ。まあ、悠くりと致しませう』
 淤縢山津見は、その尾について、
『また新しい日輪様を拝むまで、此処で祝詞を奏上て御日待ちを致しませうか』
一同『よろしからう』
と巌上に端坐し、天津祝詞を奏上し、宣伝歌を一通り歌つて、岩の褥に腕枕、星の紋のついた青い蒲団を被つて、華胥の国に遊楽の身となりぬ。半円の月は東天をかすめて昇り来たる。五人の姿は手に取る如く明かに見え出し来たりぬ。
 蚊々虎は目を醒し、
『ヤア、何れも此れも、よく臥せり居つたものだナア。人間も罪の無いものだワイ。何奴の顔が一番罪のない顔をしてゐるか、一々点検をしてやらうかい。まづ第一に淤縢山津見の首実検に及ぶとしようか。ヤア、此奴は昔から悪い奴だと思つたが、ホンニ一寸悪さうな顔をしてをるワイ。この口許が一寸憎らしい。大きな口を開けよつて、涎を出して居る所の態と云つたら、見られたものぢや無いワイ。幸ひ峠を下る時にむしつてきた桑の実がある。此奴で一つ顔を彩つてやらうかナア』
と独語を云ひながら、口の辺り目の周囲に紫の汁を塗つけた。月影にすかして見て、
『ヤア、面白い面白い、明日の朝になつたら随分吃驚することだらう。此奴は「地獄行き」と書いて置いてやれ』
と頬辺に印を入れる。
『ヤア、正鹿山津見の顔か。此奴は割とは悪人に似合はぬ好い顔だな。彩ると却つて似合はぬかも知れないが、片怨みがあるといかぬから、何なと書いてやらうか』
と鼻を紫に塗つて了つた。
『サア、これから矢釜敷家の駒公だ。此奴の額に何と書いてやらうかナ。分つた「五月姫欲しさに、よう妬く男」と、ハヽヽヽヽ是で好い。サアこれから五月姫の番だ、花の顔月の眉、何処にも欠点がないワイ。それでも御附合に何とかせなくてはなるまい。オーさうだ、角隠しの天上眉毛だ』
と、チヨボチヨボと額に円を描いた。
『やあ、此奴は素的だ。ますます別嬪になつた。何処とも無しに愛嬌が弥増て威厳が加はつた。ヤア、これで済みか。俺だけ無疵で居つては面白くないから、俺も一つやつてやらうかな、ウンさうだ。「世界一の色男」と書いて置いてやろかい。ハヽヽヽヽ面白い面白い、ドツコイ面黒い面黒い、五百羅漢の陳列場見たやうになつて了つた。ワハヽヽヽ』
 駒山彦は目を醒まして、
『誰だ、安眠の妨害する奴は。人間はな、刹那心だよ。寝る時にはグツと寝て、働く時には働くのだぞ。気違ひの様に五月姫と婚礼でもしてゐるやうな夢でも見居つたのか。何だい、夜中に笑ひよつて早く寝ぬか』
『ハイハイ、寝ます寝ます、お前等も頭を上げぬと寝るがよいワイ。ヤア、早く寝て了つたな。全で鱶の化物を見たやうな奴だ。ワハヽヽヽ、誰も彼も罪の無いやうな有るやうな顔してよく寝てるワイ。この蚊々虎も附き合ひだ。狸の空寝入りでもやらかさうかナア』
とゴロツと肘を枕に横たわりける。
  真心や巌面寝暖桑の夢(弓)
(大正一一・二・一〇 旧一・一四 外山豊二録)
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