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文献名1霊界物語 第8巻 霊主体従 未の巻
文献名2第5篇 宇都の国よみ(新仮名遣い)うづのくに
文献名3第36章 大蛇の背〔386〕よみ(新仮名遣い)おろちのせ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-06-07 15:44:33
あらすじ一同が蚊々虎の講釈に笑っていると、どこからともなく青臭い風が吹いてきた。駒山彦は大蛇が近づいてきたかと警戒している。駒山彦は空元気を出して、蚊々虎と先を争って峠を下っていった。すると、ものすごい大蛇が道をふさいで横たわっている。淤縢山津見も近くまで寄ってみたが、あまりに大きさに越えることもならず、思案に暮れ、蚊々虎に妙案がないか、と問いかけた。蚊々虎は大蛇につかつかと進みよると、拳を固めて大蛇の腹を叩きながら、説教を始めた。そして、天津祝詞を奏上して立派な人間にしてやるから、その代わりに一同を乗せて珍の国まで送ってくれ、と語りかけた。大蛇は涙を流し、幾度となく頭を下げている。蚊々虎は一同を招いて、大蛇に乗るようにと促した。一同は舌を巻いて呆然としていたが、蚊々虎がひらりと大蛇に乗ると、五月姫が続いた。それを見た一行も大蛇の背に飛び乗った。蚊々虎は出放題の歌を歌っている。大蛇は勢いよく山を降って行った。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年02月10日(旧01月14日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年6月15日 愛善世界社版250頁 八幡書店版第2輯 240頁 修補版 校定版254頁 普及版112頁 初版 ページ備考
OBC rm0836
本文の文字数2841
本文のヒット件数全 1 件/天教山=1
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本文  一同の宣伝使は、蚊々虎の面白き講釈に或は感じ或は笑ひ、其雄弁を口々に褒めちぎり居たる。折しも何処ともなく青臭い風がゾーゾーと音を立てて吹き来たりけり。
 駒山彦は驚きながら、
『ヤア出よつたぞ。あの声は大蛇の音だらう。吾々は一つ覚悟をせなくてはならぬ。腹帯でも締めて行かうかい』
 蚊々虎は、
『正鹿山津見さまが此山には大変な大蛇が居るなぞと、吾々の胆を試して見やうと思つて、嘘言ばかり云つたのだな。長いものと云つたら此処まで来るのに、蚯蚓一匹居やせなかつたぢやないか。マア、一つ此涼しい風を十二分に受けて、大蛇の来るやうに歌でも歌つて踊らうかい。大蛇山には蛇が居るぢやげな、大きな、大きな蛇ぢやげな、嘘言ぢやげな』
正鹿山津見『蚊々虎さま、吾々は苟くも天下の宣伝使、決して嘘言は申しませぬ。大蛇はかういふ木の茂つた処には居りませぬ。この峠を少しく下ると、山一面に茫々たる草ばかりです。その草の生えた所へかかると、大きな奴が彼方にも此方にも、沢山に前後左右に往来して居ます。大蛇の王にでも出会さうものなら大変ですよ。マア道中安全のために神言を奏上しませう』
『それじや蚊々虎のじや推でしたか』
 駒山彦は、
『コラまた洒落てゐるナ、大蛇の峠を通行しながら、ソンナ気楽な事を云つて居るものがあるか。如何に口の達者な蚊々虎さまでも、実物に出交したら、旗を捲いて退却するに決つて居るワ』
 蚊々虎は態と悄気たやうな顔をして、
『さうかなア、此方さまは如何な敵でも恐れぬが、大蛇だけはまだ経験が無いから、些とおろちいやうな気がする。駒公、貴様今度は先に行け、此方は五人の中央だ』
駒山彦『態見やがれ、弱虫奴が』
と争ひつつ大蛇峠をどんどん東に向つて下る。駒山彦はどこともなくびくびく胸を躍らせながら、態と空元気を出し、宣伝歌を歌つて、大蛇峠を下つて行く。その声はどこともなく慄うて居る。蚊々虎は、
『オイ、お先達、その声はどうだい、慄つてるぢやないか。半泣声を出しよつて、ソンナ声を聞くと、大蛇先生、女だと思つて飛びつくぞよ』
 駒山彦は首をスクメながら、
『ヤア、出た出た、ド豪い奴だ。アンナ奴がこの山道に横たはつて居ては、通る事は出来はしない』
と、どすんと道の傍に腰を据ゑる。蚊々虎は、
『どれどれ、俺が見てやらう』
と右の手を額にあて、
『ヤア、おい出たおい出た。素適滅法界に太い奴だ。向ふの山から此方の山まで、橋を懸けた様になつて居よるなあ。こいつは面白い。ドツコイ尾も頭も黒い大蛇峠。オイ駒さま、今日は一番槍の功名だ。毎度此方さまが先陣を勤めるのだが、あまり厚顔しうすると冥加が悪い。今日は先陣をお前に譲つてやらう。サア立たぬか、ハヽヽ腰を抜かして、胴の据わつとる駒山彦の宣伝使様か』
 駒山彦は、
『ナヽ何だか足が重たくなつて歩けませぬわ。蚊々君、頼みだ。お前先へ行つて呉れ』
『ドツコイさうはいかぬ、君子は危きに近づかずだ。飛んで火に入る夏の虫だ、アンナ長い奴にピンと跳ねられて見よ。それこそ吾々のやうな人間は、天に向つてプリンプリンプリンぢや。此方はプリンプリンプリンとやられた機みに天教山までポイトコセーと無事の御安着だ。貴様達はお上りどすか、お下りだすかの口だよ』
淤縢山津見『刹那心だ、蚊々虎も屁古垂れたな。どれ私が責任を帯びて先陣を勤めませう』
と怯まず怖れず、どしどしやつて行く。大蛇の横たはる数十歩前まで淤縢山津見は進んだが、
『ヤア、あれ丈太い奴が居つては跨る訳にも行かず、飛び越える事も出来ず、これや一つ考へねばならぬなあ。蚊々虎妙案は無いか』
『有るの無いのつて、越えられるの越えられぬの、怖いの怖くないの』
駒山彦『何方が真実だい。越えるの越えられぬのと、どつちが真実だい』
『まあ蚊々虎さまの離れ業を見て居なさい』
と云ひながら、大蛇の前につかつかと進み、拳を固めて、大蛇の腹をポンポンと叩きながら、
『オイ、オイ大蛇の先生、同じ天地の間に生を稟けながら、なぜ此様な見苦い蛇体になつて生れて来たのだ。俺は神様の救ひを宣べ伝ふる貴き聖き宣伝使だ。貴様も何時までも此様な浅間しい姿をして深山の奥に住居をしてゐるのは苦からう。日に三寒三熱の苦みを受けて、人には嫌はれ、怖がられ、ホントに因果なものだナ。俺は同情するよ。是から天津祝詞を奏上してやるから、立派な人間に一日も早く生れて来い。其代りに俺たち五人を背に乗せて、珍の国の都の見える所まで送るのだよ。よいか』
 大蛇は鎌首を立て、両眼より涙をぼろぼろと落し、幾度となく頭を下げてゐる。
『よし、分つた。偉い奴だ。此処に居る四人の宣伝使は盲目だから俺の素性を些とも知らないが、貴様は俺の正体が分つたと見える。よしよし助けてやらう』
 大蛇は又もや両眼より涙を垂れ、俯伏せになつて、早く乗れよと云ふものの如く、長き胴体を三角なりにして待つて居る。
 蚊々虎は手招きしながら、
『オイ皆の奴、ドツコイ皆の先生方、早く乗つたり乗つたり。随分足も疲労たらう。大蛇先生、吾々一行を珍の国の都近くまで、送らして下さいと頼みよつたぞ。サア早く早く乗りなさい。乗り後れるとつまらぬぞ』
 一同は舌を巻いて、何とも彼とも云はず、呆然として佇立み居る。五月姫は、
『御一同様、どうでせう、乗せて頂きませうか』
 駒山彦は呆れて、
『これはこれは大胆な女だなあ。アンナものに乗せられて耐るものか』
 蚊々虎は、ひらりと大蛇の背に飛び上り、手を振り足を踊らせて、平気の平左で宣伝歌を歌ひ出す。五月姫はつかつかと走り寄つて大蛇の背にひらりと飛び上りける。
駒山彦『ヤア女でさへもあの膽玉だ。エイどうならうと構ふものか。皆さま如何でせう、乗つてやりませうか』
淤縢山津見『よからう、正鹿山さま、如何でせう』
正鹿山津見『イヤ私も乗りませう』
と茲に五人の宣伝使は、大蛇の背に飛び乗りたり。
 蚊々虎は、
『サア大蛇大急行だ。走つたり走つたり。
 大蛇の背に乗せられて  じや推の深いじや神らが
 如何じや斯うじやと案じつつ  珍の都へ走り行く
 大蛇に乗つた蟇蛙  軈ては珍の都まで
 引かれて帰る蟇蛙  ホントに愉快じやないかいな』
 蚊々虎は出放題に歌ひゐる。大蛇は蜒々と、前後左右に長大なる身体を振動かしながら、勢よく山を下り行く。
(大正一一・二・一〇 旧一・一四 加藤明子録)
(第三二章~第三六章 昭和一〇・三・四 於綾部穹天閣 王仁校正)
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【霊界物語誕生百周年】
大正10年(1921年)10月18日に王仁三郎が霊界物語の著述を開始してから
令和3年(2021年)10月18日で百年目を迎えます。
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