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文献名1霊界物語 第9巻 霊主体従 申の巻
文献名2第5篇 百花爛漫
文献名3第30章 救の神〔423〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ春山彦、夏姫、月・雪・花の三人娘、松・竹・梅の宣伝使らは、鷹取別の手下に連れて行かれた身代わりの宣伝使たちが何神の化身であったかと、合点がいかない様子であった。
夏姫は身代わりの神の化身にわが子を宣伝使を助けられた嬉しさに、三五教への感謝の念を深くした。
一同が喜び感謝を捧げているところへ、鷹取別の手下として身代わりの宣伝使らを捕縛して連れ去ったはずの竹山彦が、再び門内に入ってきた。春山彦は宣伝使を守ろうと竹山彦に斬ってかかる。
竹山彦は春山彦をかわして奥殿に進むと、一同に自分の正体を明かした。竹山彦は大江山の鬼武彦の化身であった。これより、松・竹・梅の宣伝使は鬼武彦の守護の下に目の国に宣伝に進んで行く。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年02月16日(旧01月20日) 口述場所 筆録者河津雄 校正日 校正場所
OBC rm0930
本文の文字数1520
本文のヒット件数全 1 件/木花姫=1
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本文  春山彦、夏姫を始め、松、竹、梅の宣伝使、並に月、雪、花の姉妹はこの場の不思議に合点ゆかず、夢かとばかり驚喜の念に駆られゐる。夏姫は漸くに口を開き、
『実に尊き有難き神様の御恵、誠と誠が天地に通じて、神様の尊きお救ひに預かつたので御座いませう。日頃信ずる野立彦、野立姫、木花姫の御身代り、思へば思へば有難し、勿体なし三五教の御教』
『オー、女房、解つたか。娘でさへも、父の心を酌み取つて、宣伝使様のお身代りに立たうと言ふ健気な心を有つて居るに、汝はまた何とした未練な心であつたか。夫が女房に手を合はして、どうぞ娘を身代りに立てて呉れと頼んだ時、其方は一言の返辞もせなかつたであらう。腹を痛めて藁の上から育て上げた、天にも地にも懸がへのない三人の娘を、身代りに立てるのであるから、そなたが一遍に、ウンと言はぬのも強ち無理ではない。お前は信仰が徹底してゐないのだ。信仰の力は山をも動かすとかや。斯くのごとき結構な霊験の現はれたるも、まつたく松、竹、梅の宣伝使様の御神徳と御盛運の強いのは申すに及ばず、吾々親子の天地に通じた真心を皇大神は憐み給ひ、救うて下さつたのであらう。アヽ、有難や忝けなや』
と又もや嬉し涙をしぼる。
 松、竹、梅の宣伝使、月、雪、花の三人の娘は、夫婦二人を労はりながら、改めて宣伝歌を歌ひ神言を奏上する折しも、門戸を叩く者あり。春山彦は僕にも言付けず、自ら起つて表門に駆け行き、戸を開くや否や、ヌツと入り来る一人の男、見れば今三人の宣伝使を伴れ帰つた竹山彦なるにぞ、春山彦はハツと驚き、一つ免れてまた一つ、折角助かつて、ヤレ嬉しやと思ふ間もなく、竹山彦のあとへ引返して、これに来りしは、途中に於て身代りを悟り、再び来りしならむ。吾家に入れては一大事と、物をも言はず猿臂を延して首筋をグツと掴み、大地へ撃ち倒し、一刀の柄に手をかけて、頭上より真ツ二つにせむと、真向に振り翳すを、竹山彦は大地に倒れながら悠々迫らず、
『春山彦、心を落着けられよ。これには深い仔細がある。吾が申す事を一通り聞いて疑ひを晴されよ』
と起き直つて、門口の閾を跨げようとする。跨げさしては大変と、春山彦は、
『主人の許しなくして、たとへ荒屋なりとも、勝手気儘に吾家の閾を跨ぐるとは無礼千万、思ひ知れよ』
とまたもや斬つてかかるを、竹山彦はヒラリと体を躱したまま、ツカツカと座敷へ進み入る。夏姫を始め六人の娘は、竹山彦の再び現はれしに驚き、夢に夢見る心地し、呆然として顔を凝視ゐる。春山彦は、両刃の剣を抜き翳し、座敷に上り、
『ヤア、悪逆無道の鷹取別に組する悪魔の張本竹山彦、この春山彦が正義の刃喰つて見よ』
と、又もや斬り付くるを、竹山彦は利腕を確乎と握り、
『アハヽヽヽ、春山彦、心を落着けられよ。吾こそは、大江山に現はれたる鬼武彦の化身にして、竹山彦とは仮の名、松、竹、梅の三人の宣伝使を救はむがために、竹山彦命と偽つて、悪神鷹取別の部下となり、今日あるを前知して、吾部下の白狐、高倉、旭、月日の眷属神を使ひ、身代りを立てたは狐の七化、もうかうなる上は大磐石、何方も御安心なされよ』
と一部始終を物語れば、春山彦夫婦を始め六人の娘は、一度に思はず手を拍つて神徳を讃美し、鬼武彦に向ひて感謝の意を表しける。
 これより、松、竹、梅の三人は、鬼武彦に護られて目の国に渡り、追々進んでロッキー山に登り、再び船に乗り黄泉島に無事安着し、黄泉比良坂の神業に参加しぬ。
(大正一一・二・一六 旧一・二〇 河津雄録)
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