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文献名1霊界物語 第9巻 霊主体従 申の巻
文献名2第5篇 百花爛漫よみ(新仮名遣い)ひゃっからんまん
文献名3第32章 一絃琴〔425〕よみ(新仮名遣い)いちげんきん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-06-23 23:37:06
あらすじ
高砂洲から間の国へ宣伝の旅を続けていた駒山彦は、鷹取別の手下である春山彦の館から、梅ケ香姫の一弦琴の音色が聞こえてくるのを聞きつけた。

もしや姫が囚われの身になっているのではないかと案じた駒山彦は、春山彦の館の門を叩いて、中に入れるようにと大音声で呼ばわった。

迎えに出た竹野姫、梅ケ香姫と駒山彦は、久々の再会を果たした。奥へ通された駒山彦は、常世神王の部下である春山彦が主神を祀っているのを見て驚いたが、松代姫から一部始終を聞かされて納得した。

駒山彦は喜び、神に感謝してこれまでの来歴を歌に歌いこんだ。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年02月17日(旧01月21日) 口述場所 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年7月5日 愛善世界社版248頁 八幡書店版第2輯 363頁 修補版 校定版259頁 普及版105頁 初版 ページ備考
OBC rm0932
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本文  空に轟く磐船の  響きは何時か消え失せて
 冬樹を渡る木枯の  声も寂しく聞ゆなる
 冬の初めとなりぬれど  春めき渡る春山彦の
 神の屋敷に神寿の  言霊清き一絃琴
 天地に通ずる一条の  その声清き琴糸の
 捌の音色もサヤサヤに  五臓六腑を洗ふなり
 折りから門前に佇む男  片手を耳にあてながら
 木枯荒ぶ初冬の  峰の嵐か松風か
 訪ぬる人の琴の音か  心の駒山彦の神
 とどめて聴くも縁の端  心に通ふ琴の音は
 常磐の松の松代姫  思ひの竹野著く
 戸外に響く床しさよ  一度に開く梅ケ香姫の
 貴の命の御すさび  何処とはなしに潤ひの
 声をしるべに独言。
駒山彦『合点のゆかぬこの館の様子、梅ケ香姫の日頃奏でさせ給ふ一絃琴のその音色、様子ありげな春山彦のこの館、進み入つて事の実否を探らむと、心の駒は逸れども、人目の垣に隔てられ、何とせむ方冬の日の、心短き門番に怒鳴りつけられ、追つ払はれなば如何にせむ。虫が知らすか何となく、立ち去り兼ねしこの門口、神の誠の教を以て叩かば開く胸の裡、叩いて見むか待て暫し、ここは春山の郷の司、ウラル彦の教を奉ずる曲神の住所、言向け和すは易けれど、大事の前の一小事、くだらぬ事に暇をとり大切なる吾が使命を仕損じなば、天地の神に対し奉り、何と言訳あるべきぞ。嗚呼恨めしやウラル彦、開けて入らうか、開けずに居らうか、開けて口惜しき玉手箱』
 魂の御柱搗き固め、心の駒に鞭うちて、思ひきつたる大音声。
『三五教の宣伝使駒山彦とは吾事なり。悪逆無道の鷹取別が魔神に組する春山彦、この門開け』
と右手に拳を固めつつ、割れむ許りに門の扉を打叩く。声に驚き松代姫は、何となく聞き覚えある門の声、
『竹野姫、梅ケ香姫、そなたは御苦労ながら門口に出で、いかなる人か、調べて給も』
『ハイ』
と答へて両人は徐々と起つて門の口。
『何方なれば門戸を叩きたまふぞ。何となく床しき、聞き覚えのある御声、名告らせたまへ』
と声かくれば、駒山彦は門外より、
『ヤアさう聞く声は竹野姫殿、梅ケ香姫殿、吾こそは智利の国にて別れたる駒山彦の宣伝使にて候。三五教の宣伝使たる身を以て、而も御二方様、悪逆無道の鷹取別が幕下の春山彦、ウラル教を奉ずる曲神の館に忍ばせ給ふは何故ぞ。これには深き様子もあらむ、委細包まず述べられたし』
『これには深き仔細のござれば、先づまづお這入り下さいませ』
と門の閂をとり外し、左右に開いて現はれ出で、駒山彦の手をとつて奥へ奥へと進み行く。二人の娘は手を支へ、
『アヽこれはこれは駒山彦の宣伝使様、魔神の猛る荒野原、さぞお困りでございませう。先づまづお這入り下さいませ』
と門の戸ガラリと押し開く。駒山彦は、
『然らば御免』
と言ひつつズツと座敷に通れば、思ひがけなき松代姫、春山彦が家内の各々、皇大神の御前に山野河海の供物を献じ、神を慰むる真最中、駒山彦は不審の面色にて、
『思ひ掛なき松代姫殿、この家の御主人春山彦殿、貴下はウラル教を奉じ鷹取別に媚び諛ふ春山の、郷の司と聞きしに拘はらず、神前恭しく三五教の奉ずる皇大神を祀り、神慮を慰め居給ふこの場の光景、合点ゆかず、包み隠さず委細物語られたし』
と迫るにぞ、松代姫は、
『貴神は駒山彦殿、一別以来何の消息もなく、雨、風、霜の憂き節に、心にかかる汝が身の上、ようマア無事に居て下さいました。妾姉妹三人は、実に愧かしき事ながら、鷹取別の計略にかかり、一命すでに危き処、情も深き春山彦の夫婦の神に助けられ、今やこの場を立ち去らむとするきはどい処、貴神にお目に懸つたのも測り知られぬ神様の御思召、どうぞ御夫婦に、妾に代つて厚く御礼申して下さい』
『久振りの対面と云ひ、春山彦の帰順と云ひ、案に相違の神様の御引き合はせ。アヽこれは御夫婦様、よくもよくも御親切に御世話下さいました、有難う存じます』
と、遉剛毅の駒山彦も嬉し涙の袖をしぼる。
 春山彦は初めて口を開き、
『神の造りしこの国は、恵みの花のパラダイス、何処の空にも神柱、太敷く立てて守ります、その御柱と選ばれし、春山彦が親子夫婦の嬉しさ。御礼は却つて恐れ入る、幾久しくも変りなく、吾らの心を護らせ給へ、四柱の宣伝使殿』
 妻夏姫を始めとし月、雪、花の三人は紅葉の如き手を合はせ、嬉し涙にかきくれて駒山彦の英姿をば伏拝むこそ殊勝なれ。嬉し涙に掻曇る、心の空を霽さむと、駒山彦は衝立ち上り、
『雪に輝く高白の  山に攻め来る御軍の
 言霊別の司をば  撃つて捨てむと常世彦
 常世の姫の仰せにて  数多の神軍引率し
 攻むる折しも大空を  轟き来る磐船や
 鳥船よりは投げ下す  激しき弾に砕かれて
 何かは堪らむ玉の緒の  生命消えなむ折柄に
 この世を救ふ皇神の  情の網に掬はれて
 惜き生命をながらへつ  三笠の丸の船中に
 光り輝く朝日子の  日の出神に助けられ
 この世を救ふ宣伝使  羽山津見の神となり
 深山の奥に捨てられて  心も闇き谷底の
 百日百夜の苦しみを  凌ぎて此処に村肝の
 心も智利の国を越え  足に任せて秘露の国
 夜の旅路を重ねつつ  千座の罪もカルの空
 北へ北へと進み来る  ハザマの森を乗り越えて
 松竹梅の宣伝使  如何ならむと煩ひつ
 縁の糸に操られ  冬とは言へど春山の
 館に立ちて門内の  様子窺ふ折柄に
 耳に馴染の一絃琴  その言霊も澄み渡り
 琴の音色も清々と  縋る思ひの門の口
 佇む折柄竹野姫  梅ケ香姫の御姿
 思ひもかけぬ今日の日の  神の許しのこの対面
 春山彦よ夏姫よ  月雪花の三娘よ
 栄え久しき松の代を  松竹梅の永久に
 教も開く神の前  嬉しし嬉し喜ばし
 御恵み深き野立彦  野立の姫や木の花姫の
 神の命の御高恩  遥に感謝し奉る』
と始め終りの物語、勇みに勇む駒山彦のその顔、他所の見る目も勇ましき。
(大正一一・二・一七 旧一・二一 北村隆光録)
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