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文献名1霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻
文献名2第1篇 千軍万馬よみ(新仮名遣い)せんぐんばんば
文献名3第11章 狐火〔441〕よみ(新仮名遣い)きつねび
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-07-15 22:05:38
あらすじ
一同は、カリガネ半島に上陸した。一同がこれまでの旅程を話し合っていると、前方より人馬の物音が聞こえてきた。

常世城が宣伝使捕縛のために使わした軍隊であった。この軍を指揮していたのは、固虎であった。固虎は一同を取り囲み、上空からは天の鳥船で天を覆い、宣伝使たちを威嚇した。

珍山彦は吹き出して、爆弾を投下するならやってみよ、と怒鳴り返すと、懐から火打ちを出して、枯れ葉につけた。珍山彦の焚き火は、常世城の爆撃の合図と同じであった。

固虎は自分たちが爆撃されてしまうのを恐れて、慌てて珍山彦の焚き火を消すように部下たちに下知した。しかし三姉妹たちが、向かってくる兵士たちを掴んでカリガネ湾にどんどん放り込む。

上空の鳥船は、珍山彦の焚き火を合図と勘違いし、次々に爆弾を投下し始めた。味方の爆弾で、固虎の兵士たちは死傷して、惨憺たる光景を表した。

固虎軍の兵士たちは、口々に降参と改心を申し出る。宣伝使たちが宣伝歌を歌い始めると、固虎をはじめとする兵士たちも歌い舞い始めた。知らず知らずに、爆弾で破れた体も元に戻り、負傷の跡形もなくなっていた。

固虎は翻然として悟り、三五教に改心して、ロッキー山への道案内を務めることとなった。固虎は後に、固山津見という神名をいただき、大活躍をすることになる。
主な人物 舞台カリガネ半島 口述日1922(大正11)年02月22日(旧01月26日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年8月20日 愛善世界社版90頁 八幡書店版第2輯 423頁 修補版 校定版94頁 普及版42頁 初版 ページ備考
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本文  川田の町を離れたる  常磐の森の岩の根に
 心も堅き五柱  珍山彦を始めとし
 浪の響や吹く風の  淤縢山津見の宣伝使
 ミロクの御代を松代姫  梅ケ香姫や竹野姫
 ここに五人はいそいそと  アナウの高原打ち越えて
 シラ山峠の東麓を  こと問ひあはすコトド川
 湯津石村にたばしれる  血潮に染むる曲神の
 苦しき悩みを洗はむと  思ふ心もカリガネの
 たより渚のカリガネ湾  東を指して浪の上
 進み行くこそ雄々しけれ。
 南北に帯の如く延長せるカリガネ半島に、五人の宣伝使は上陸した。宣伝使の影は細き竹の如く、長く地上に東に向つて倒れる。遉に長き春の日も、カリガネ湾の彼方に舂き始めた。立つて行く人、寝て進む人、十曜の紋の十人連、日没と共に惜しき別れを告げにける。
 靄に包まれたる浪を分けて、十四夜の月は東天に輝き始めぬ。照りもせず曇りも果てぬ春の夜の朧月夜に、又もや微な五人の姿は西枕に現はれて来た。蚊々虎は、
『ホー淤縢山さま、吾々は常磐の森から、斯うぶらぶらと、シラ山峠の麓を廻つて、音に響いたコトド川をやうやう渡り、草の褥の仮枕、沈んだ浮世をカリガネの、入江を渡つて十人連、アヽ世は日の暮るるとともに、親密な五人に分れ、ヤレ淋しやと思ふ間もなく、又もや五人のおつきあひが出来た。矢張り世の中は神歌ではないが、十でなければ治まらぬ。遠い遠い海山越えて、どうやらかうやら此地まで青息吐息の為体でやつて来た。心も荒き荒浪の、淤縢山津見の宣伝使、松吹く風の松代姫、ミロクさまがお上りになつた。サアサア、これから言霊姫の鎮まり給ふ常世国、常世の暗をとことんまで晴らして、常世神王に改心させねば吾々の役目がすまぬ。烏羽玉の夜も、月の光にシラ山山脈、サアサアこれから行きませう』
淤縢山津見『モシモシ珍山彦様、吾々は今まで五人連れで来た筈だ。それにあなたは十人連れと云ひましたねえ。いつも途方途轍もない法螺を吹いて吾々に栃麺棒を振らすのですか』
珍山彦『日の神様のお蔭で十人連れぢや、神のお蔭がなければ、矢張り男女五人だ。日の神のお蔭にはづれたと思へば、今度はミロク様のお蔭でまた元の十人連れ。情ない浮世と人は言へども、蛸さへ釣れる世の中だ。貴下も深山の谷底で、照彦神に蛸をつられたさうですなア』
『その話は聞いて下さるな。一時も早くこのシラ山峠を向ふに渡つて、常世の国へ参りませう。実はアナウ高原を渡つて、テキサスの方から常世城の背面に出る考へでしたが、何だか俄に足が東に向つて、川田の町で不思議にも三人の姫に出会ひ、又もや常磐の森で貴下にお目にかかつたのも、何かの霊界からの御指揮でせう』
と話す折しも、前方より幾百とも知れぬ人馬の物音聞え来る。五人の宣伝使は又もや敵の襲来かと、腹帯を締め、直に月光に向つて手を合せ、神言を奏上し、声を揃へて宣伝歌をうたひける。
 追ひおひ近づき来る群衆の中より、一人の棟梁らしきもの現はれ、
『ヤアヤア、それに居る五人の者は三五教の宣伝使であらう。テツキリ松、竹、梅の三人の女に相違はあるまい。常世城を夜陰に乗じて逃げ出し、又もやこのカリガネ半島に来つて宣伝歌を歌ふ不届至極の奴。常世神王の命に依つて、腕力鉄より固き固虎が召捕に向うたり。サア尋常に縛に就くか。否と申さば、この槍のキツ尖にて貫かうか。返答如何に』
と馬を進ませ呶鳴りつつ迫り来る。
 一行は何の応答もなく、黙然として佇立し居たるに、前後左右に忽ち起る鬨の声、追ひおひ身辺に近寄り来る。空には数十の天の鳥船天を覆ひて猛り狂ひ、威嚇運動が開始されて居る。固虎は、
『ヤア、汝らは此方の威勢に恐れて、一言半句も言葉はなく、がたがた慄うて居るのか。今にこの固虎が合図を致さば、空の鳥船より下す投弾に、汝ら五人の身体は木端微塵。微塵となつて滅ぶるよりも、一寸延びれば尋とやら、一息の間も命が惜しからう。サア此方に四の五の吐さず随いて来い。六でもない事囀つても、この方はエエ七面倒くさい、頤を叩くと八り倒して九て仕舞ふのだ。十こよの国の固虎の旭日昇天の御威勢を知らぬか』
と空威張に威張り散らして呶鳴り居る。珍山彦は吹き出し、
『ウワハヽヽヽ、ヤア固虎、ほざいたりなほざいたりな、ロッキー山に常世城に、巣を構へたる八岐の大蛇の尻尾の奴ども、此方を何と心得てをるか、世界に名高い三五教の蚊々虎さまとは俺の事だ。名を聞いて一同の奴、肝を潰すな。何程上から爆弾を投げたとて、それが何恐ろしいか。一時も早く合図を致して、爆弾を投げさせよ。此方は神変不可思議の神力備はる、いづのみたまの五人連れ。貴様の方は烏合の衆だ。うごうご致した密集部隊へ、爆弾投下は此方にもつて来いだ。敵の武器をもつて敵を滅ぼすとはこの事だ。サア、貴様の用ふる合図は此方がやつてやらう。自縄自縛、自滅の端を開く大馬鹿者』
と云ひながら、蚊々虎は懐より火打を取り出し、火口に火を移し、枯葉を集めて三箇所に火を焚き出せば、固虎は、
『ヤア、そりや大変だ。此方の合図をどうして知つたか。味方の武器で味方が滅る。耐らぬ耐らぬ、ヤイヤイ、皆の者ども、一時も早くあの火を消せよ』
 一同は焚火に向つて消しにかからうとする奴を、松、竹、梅の三人は、三ケ所の火の傍に突つ立ち上り、寄り来る奴を手玉に取つて、一々カリガネ湾に投げ込む。
 忽ち轟然たる響聞えて、爆弾は密集部隊の頭上に破裂せしかば、泡を吹いて死傷算なく、命辛々逃げ行くもあり、その場に倒れて呻く声、此処彼処に聞え来る。珍山彦は大音声、
『ヤアヤア、固虎の部下の者共、改心したか。肝を潰し、腰を抜かし、鼻を挫かれ、口は引き裂かれ、眼球は飛び出し、耳はちぎれ、腕は折れ、足はむしられ、実に気の毒千万なるよ。今この場に於て改心致さばよし、否と云ふなら、ま一度合図をしようか』
 一同の中より、泣き声を絞りながら、
『蚊々虎様、三人の姫様、私は改心致します。どうぞ助けて下さいませ』
『改心致した奴は、この場で罪を赦してやらう。改心致すほど世の中に結構はない。サア一同此方の後に随いて宣伝歌を歌へ』
一同『常世の国やロッキーの  山に隠るる曲津神
 八岐大蛇に狙はれて  神の御国を乱さむと
 鼻息高き鷹取別の  醜の魔神の腰抜かし
 鼻みしやがれたその家来  肩で風切る固虎が
 部下の者よ、よつく聞け  旭は照るとも曇るとも
 月は盈つとも虧くるとも  常世の国は沈むとも
 曲津の砦は破るとも  三五教は世を救ふ
 口は引き裂け鼻曲り  眼球は飛び出し耳ちぎれ
 腕は折れて足はとれ  子供の玩具の人形箱
 ぶち開けたやうな今の態  改心するのは此時ぞ
 改心するのは此場合  月日は空に蚊々虎の
 宣る言霊に耳澄ませ  口を清めて目を洗ひ
 鼻を低くして天地の  神を称ふる神言を
 一度に宣れよ皆のもの  のれよのれのれ皇神の
 救ひの船に皆乗れよ  ロッキー山に現はれし
 日の出神や伊弉冊の  神と申すは世を乱す
 大蛇や金狐の化身ぞや  早や目を醒ませ目を醒ませ
 心にかかる村雲を  吾言霊に吹き払ひ
 清めて救ふ神の道  国てふ国は多けれど
 神てふ神は多けれど  常世の国は常久に
 暗ではおけぬ神の胸  ロッキー山の曲神の
 醜の企みを此侭に  捨ててはおかぬ神心
 この世を造りし神直日  心も広き大直日
 唯何事も人の世は  直日に見直し宣り直し
 鬼や大蛇や曲神の  醜の猛びを皇神の
 救の舟に乗り直し  心を直せよ諸人よ
 この世を渡す麻柱の  神の造りし方船は
 どこにも一つ穴はない  あな有難や尊やと
 左右りの手を合せ  祈れよ祈れカリガネの
 この島人や固虎の  部下のものよ逸早く
 神の光に目を醒ませ  神の光に目を醒ませ
 日は照る光る月は盈つ  日の出神が現はれて
 常夜の暗を照せども  行方も知らぬ荒浪の
 中に漂ふ醜船の  舵を取られて人心
 心の海に日月の  光湛へて黄泉島
 黄泉比良坂の戦に  力を尽せ身を尽せ
 神の守りは目のあたり  神の恵みは此通り』
と歌ひ舞ふ。
 固虎を始め部下の者共は思はず知らず、蚊々虎の言霊車に乗せられて、自分の事と知りながら、知らず知らずに歌ひ舞ひ踊り狂ふ。目も鼻も口も耳も手も足も、神の恵みに救はれ、元の通りの完全な肉体に還元して、負傷の痕さへ止めざるこそ不可思議なる。
 これより固虎は、珍山彦の歌に感じ、翻然として悟り、道案内となつてロッキー山に進み行く。固虎は後に固山津見の神名を戴き、神界のために大活動を為すに至れり。
(大正一一・二・二二 旧一・二六 加藤明子録)
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