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文献名1霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻
文献名2第3篇 邪神征服よみ(新仮名遣い)じゃしんせいふく
文献名3第34章 唐櫃〔464〕よみ(新仮名遣い)からびつ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-07-16 02:17:28
あらすじ時公は三五教の宣伝使がやってきたことを酋長に知らせに行った。酋長は、三五教を引き入れたら、ウラル彦配下の蛇掴にまた難題をふっかけられると思い、追い返すように怒鳴りたてた。このとき玄関で石凝姥神は、自分がこの曲事を祓い清めよう、と宣伝歌を歌った。この歌を聞いて酋長をはじめ一同は、蘇生したごとくなり、踊りくるってよろこんだ。このとき、門を潜って入ってきた女があった。そして玄関で三五教の宣伝歌を歌い始めた。これは梅ケ香姫であった。石凝姥神と梅ケ香姫は、この奇遇に互いに顔を見合わせた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年02月27日(旧02月01日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年8月20日 愛善世界社版263頁 八幡書店版第2輯 486頁 修補版 校定版270頁 普及版120頁 初版 ページ備考
OBC rm1034
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本文  曲津の猛る世の中は  かかる例もアルタイの
 山の砦に巣を構へ  鬼か大蛇か蛇掴
 魔神は一日に十あまり  二つの蛇を取り喰ひ
 春夏秋はよけれども  雪降りしきる冬の夜は
 蛇の姿もかくろひて  飢をばしのぐ由もなく
 魔神は遂に遠近の  村町里に現はれて
 世人の妻や娘子を  一日に一人奪り喰ひ
 日々に減り行く女子の  哀にもれず鉄谷の
 村の司の鉄彦が  一人娘の清姫に
 白羽の征矢は立ちにける。
 憂ひに沈む門の内、吹き来る風も湿り勝なる闇の夜に、門の戸叩いて入り来る、心も堅き石凝姥の宣伝使は、門番時公の案内につれ、五人の土人と共に、玄関先に立ち現はれたるを見るや、時公は慌しく奥の間に駆入り、
『申し上げます、申し上げます。三五教の宣伝使がお越しになりました』
 主人の鉄彦は、妻の鉄姫、清姫と共に唐櫃の前に座を占め、門番の言葉も耳に入らぬ体にて憂ひに沈み居る。
 隣の室には、村人の口々に囁く声悲しげに聞え居る。時公は、
『モシモシ、三五教の宣伝使が見えました』
鉄彦『何ツ、三五教の宣伝使とは、そりや大変だ。門を堅く閉ぢて一歩も入れる事は罷りならぬぞ』
 時公は、
『ハイ』
と云つたきり、頭をがしがし掻いて縮まり居る。
『早く行つて門を閉めぬか。万々一、三五教の宣伝使が吾屋敷へ一歩たりとも踏み込ませなば、又もやウラル彦の眷属、蛇掴の神に如何なる難題を吹きかけらるるやも図り難し。疾く門を閉せよ』
『イヽ今、コヽ此処に宣伝使が無理やりに私を突き倒し蹴り倒し、跳ね飛ばし、加之に拳骨を喰はして這入つて来ました。いやもう乱暴な奴で、力の強い剛力無双の私でも、どうする事も出来ませぬ。凶い後にはきつとよい事が来ますから、どうぞ見直し聞き直して下さいませ』
『ホー、貴様は三五教だな、何時そんな教を聞いたのか』
『ハイ、今門の口で聞きました』
 此時玄関に当つて、
『神が表に現はれて  善と悪とを立て別ける
 ウラルの山に巣を構る  ウラルの彦の曲神の
 部下に仕ふる蛇掴  三五教の宣伝使
 現はれ来る上からは  もはや逃れぬ百年目
 神の教の言霊に  人を奪り喰ふ曲神の
 頭挫ぎて鷲掴み  言向け和し鉄谷の
 里に塞がる村雲や  悩みを清く吹き払ひ
 浦安国の浦安き  神の御国に治むべし
 あゝ鉄彦よ鉄姫よ  身魂も清き清姫よ
 案じ煩ふ事勿れ  此世を造りし神直日
 心も広き大直日  唯何事も人の世は
 直日に見直し聞き直し  世の曲事は宣り直す
 三五教の神の道  鬼や大蛇や狼の
 勢如何に猛くとも  神の御稜威の言霊に
 言向け和し村肝の  心も晴れて冬の空
 月照り渡る望の夜の  御空すがしき清姫を
 今宵の内に恙なく  命救ひて曲神を
 アルタイ山の山の尾に  追ひ散らしつつ宇智川の
 河瀬に禊祓ふべし  河瀬に禊祓ふべし
 憂ひを晴らせ疾く晴らせ  喜び勇め諸共に
 朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 仮令天地は覆るとも  三五教は世を救ふ
 あな有難き神の道  あな有難き神の道』
と涼しき宣伝歌の声。鉄彦親子を始め別室に集まりたる村人は、この歌を聞いて今迄とは打つて変り蘇生したる如き面色にて、思はず知らず手を拍ち、ウロー、ウローと叫びながら立ち上り踊り狂ふ。
 此時又もや優しき女の声にて宣伝歌を歌ひながら、門を潜つて入り来る女あり。玄関に立ち止まり、
『闇を縫ひ来る一つ火を  辿りて此処に来て見れば
 鉄谷村の酋長の  鉄門はサラリと開かれて
 憂ひを包む家の内  様子あらむと頭をば
 傾け耳を澄ませつつ  暗さは暗し烏羽玉の
 闇にも擬ふ鉄彦や  妻の鉄姫、清子姫
 アルタイ山の曲神の  醜の餌食になる今宵
 思ひは同じ女気の  娘心を推し量り
 世人を救ふ三五の  教を開く妾こそ
 今宵は此処にみかへるの  神の教に仕へむと
 思ふ心はアルタイの  谷より深く思ひつめ
 宇智の川より尚ほ深く  心定めし宣伝使
 今宵は吾を窟戸に  舁ぎて往けよ疾く往けよ
 神が表に現はれて  善と悪とを立て別ける
 今この時ぞこの時ぞ  時後れては一大事
 早く此門開けよかし  早く此門開けよかし』
 石凝姥神は、思はぬ宣伝使の声を聞きていぶかり、玄関に立ち出で見れば、黄泉比良坂の戦闘に偉勲を奏したる梅ケ香姫なり。二人は思はず顔を見合はせ、互に、
『オー』
と云つたきり、黙然として暫し佇みその奇遇に呆れ居たりき。
(大正一一・二・二七 旧二・一 加藤明子録)
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