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文献名1霊界物語 第11巻 霊主体従 戌の巻
文献名2第4篇 満目荒寥
文献名3第20章 醜の窟〔487〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ梅ケ香姫は、コーカス山に進んで大気津姫を言向け和す決意を宣伝歌に歌った。
船中では、コーカス山側だった大工の馬公、牛公、鹿公、虎公が、宣伝使たちの共になって一緒にコーカス山に進んで行くことになった。
船が岸に着き、降りて雪深い山道を進んで行く。途中で日が暮れたため、牛公の提案で、近くの岩窟に宿を取ることになった。
牛公の話によると、竹野姫の前にも於縢山津見という宣伝使がやってきたが、やはり大気津姫の部下に捕まって、岩窟の中に閉じ込められてすでに百日以上になる、とのことであった。
牛公は自分がウラル教の目付けであることを口走ってしまう。一同が休んでいる岩窟の外には、ウラル教の捕り手の足音が聞こえてきた。時公はとっさに牛公に当身をくわせて気絶させた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年03月03日(旧02月05日) 口述場所 筆録者岩田久太郎 校正日 校正場所
OBC rm1120
本文の文字数4691
本文のヒット件数全 1 件/木花姫=1
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本文  梅ケ香姫は立上り、
『四方の山野を見渡せば  雪の衣に包まれて
 見るも清けき銀世界  世界の曲や塵芥
 蔽ひかくしてしらじらと  表面の光る今の世は
 何処も彼処もゆき詰る  青きは海の浪ばかり
 青木ケ原に現れませる  神伊邪諾の大神や
 木花姫の御教を  照し行くなる宣伝使
 乗りの友船人多く  皆口々に囁きの
 言の葉風に煽られて  心も曇る胸の闇
 闇夜を照す朝日子の  日の出神の命もて
 曲津の猛ぶコーカスの  大気津姫のあれませる
 雪積む山に向ひたる  竹野の姫は如何にして
 岩窟の中に捕はれし  嗚呼我々は千早振
 神の光を身に受けて  黒白も分ぬ岩窟の
 憂に曇る姉の君  救ひまつらで置くべきか
 コーカス山の山颪  何かあらむや神の道
 踏み分け進む我一行  時は来れり時は今
 天の窟戸押し分けて  コーカス山に集まれる
 百の魔神を言向けむ  言向和す皇神の
 広き心の神直日  恵の露も大直日
 曲の身魂をスクスクに  直日に見直し聞直し
 宣り直させん宣伝使  千変万化の神界の
 神の御業を畏みて  言霊清き琵琶の湖
 渡りて進む五人連  心竹野の姫の神
 神を力に神嘉言  讃美へて待てよ今暫し
 暫し隠るる星影も  雲たち退けば花の空
 月は盈つとも虧くるとも  虧けてはならぬ姉妹の
 月雪花の桃の実は  意富加牟豆美と顕はれて
 黄泉戦に勲を  建てたる如く今一度
 天照神の御前に  岩戸開きの神業を
 つかへまつらむそれ迄は  虎狼や獅子熊の
 醜の刃をかい潜り  清き命を保つべく
 守らせ玉へ金の神  神須佐之男大御神
 国治立の大御神  三五教を守ります
 百の神達八十の神  松竹梅の行末を
 厚く守れよ克く守れ  下国民の血を絞り
 膏を抜きて唯一人  奢りを尽す大気津姫の
 神の命と現はれし  ウラルの姫に附き纏ふ
 八岐大蛇や醜狐  醜の鬼神八十曲津
 神の御息に悉く  服ろへまつる今や時
 アヽ時さまよ八さまよ  牛馬鹿虎鴨さまよ
 勇み進んでコーカスの  山吹きまくる醜の風
 皆一息に吹き払ひ  祓ひ清むる神の国
 神と国との御為に  力を合せ身を尽し
 鑿や鉋をふり捨てて  神の道のみ歩みつつ
 神の御魂の惟神  霊の幸を受けよかし
 進めよ進めいざ進め  進めよ進めいざ進め』
と歌ひ了りぬ。
時公『八さま鴨さまどうだ。最前から随分噪いで居た大工さまの牛、馬、鹿、虎の四つ足、オツトドツコイ四人さまは、どうやら時さまの宣伝歌で帰順したらしいぞ。これも時の力と云ふものだ。貴様はいつも俺を、時々脱線する男だから時さまだナンテ、冷かしよつたがどうだ、時々功名を現はすたふとき尊とき時さまだぞ』
八公『何を偉さうに時めきやがる。たふときも尊ときも同じ事ちやないか。貴様クス野ケ原で梅ケ香姫のお洒落にかかつた時と、一つ目小僧に出逢つた時の状態は何だい。知らぬかと思つて法螺を吹いても、チヤンと此八さんは天眼通力で調べてあるのだ。八耳の八さまと云へば俺の事だ。この八さまにはどんな奴でも尾を捲くのだぞ』
時公『八はやつだが、負惜みの強い奴、悪い奴、法螺を吹く奴、困つた奴』
八公『コラコラ時さま、そらまだ八だない四つだ、奴が四ツより無いぢやないか』
時公『奴が四つと貴様の身魂が四つ足だからそれで合して八ツになるのだ。分らぬ奴だなア』
鴨公『アハヽヽヽ、コイツ気味が良い。胸がスツとした。何でもかでも、八かましうする奴だから、村の者が愛想を尽かして、厄介者扱ひにしとる位だから、コイツ余程酷い奴だ』
牛公『オイ、八さま、ギユウ牛云はされて居るな』
馬公『馬鹿野郎、状態見やがれ』
鹿公『シカられ通しにして居やがる』
虎公『トラれてばつかり居やがる、揚げ足と油を』
時公『時にとつての御愛嬌だ』
 かく雑談に耽る折しも船は岸に着いた。船客一同は船を見捨てて思ひ思ひに雪の道を進み行く。松代姫の一行五人に牛、馬、鹿、虎を加へて九人連れ、宣伝歌を歌ひ乍らコーカス山目蒐け、人の往来の足跡をたよりに、谷間を指して進み行くのであつた。
 満山一面の大雪にて、彼方の谷にも此方の谷にも雪の重さにポンポンと樹木の折れる音頻々と聞えて居る。
鴨公『ヤア、モーそろそろ日が暮る時分だ。そこら一面雪で明くなりやがつて、昼だと思つて居る間に、夜になつて仕舞ふのは雪の道だ。何処ぞこの辺に猪小屋でもあつたら一服して、都合がよければ一泊やらうかい』
八公『さうだ、俺も最前から宿屋を探して居るのだが、是から一里許り奥へ行けば、何百軒とも知れぬ、立派な家が建つて居るのだから、そこ迄無理に行く事にしよう』
時公『ヤア、待て待て、其処まで行つたら最早敵の縄張りだ。それ迄に一夜を明し、草臥を休めて、明日の元気を養ふのだ』
牛公『私は何時もこの辺を往来する者です。山の勝手は能く知つて居ますが、此谷は少しく右へ下りると岩窟がある。其処で一夜を明す事にしませうか』
時公『どうです松代姫さま』
松代姫『ハイ、宜敷からう、今晩は久し振で岩窟に逗留さして貰ひませうか』
と衆議一決して、牛公の案内につれ、小さい谷を目あてに進み行く。牛公の云つた通り二三十人は気楽に寝られる、立派な岩窟があつた。ここに一行は蓑を敷き、携へ持てる無花果を食つて、逗留する事になつた。
梅ケ香姫『アヽ都合のよい岩窟ですなア。此岩窟を見るにつけ、想ひ出すのは姉様の事、姉様が押し込められて居る岩窟と云つたら、こンなものでせうか』
牛公『滅相もない。コンナ結構な処ですか、この山奥には七穴と云つて、七ツの岩穴がある。さうしてその穴の中は、こンな平坦な座敷の様な処ぢやない。私も一ぺん這入つて見た事があるが、穴の中は真暗がりで、底が深くて、なんでも竜宮迄続いて居ると云ふ事で、あんな処へ入れられようものなら、ゆつくり腰を掛る事も出来やしない。両方が岩壁になつて居る。そこへ岩の尖に足を掛けて、細い穴を股を拡げて踏ン張るのだ。一寸居眠りでもしたが最後、底なき穴へ落込んで仕舞ふのだ』
時公『そんな穴が七つもあるのか』
牛公『さうです。此間も何ンでも淤縢山津見とか云ふ強い奴が出て来て、大気津姫を帰順さすとか云つて登つて来たところ、大勢の者が寄つてたかつて攻めかけたら、奴さま其穴の中へ隠れよつた。そこで大勢の者が寄つてたかつて岩蓋をピシヤーンとしめて、外から鍵を掛けた。それつきり百日許りになるのに何の音沙汰も無い。大方穴の底へ落つこつて死んで仕舞つたやらうとの噂だ。それから暫くすると、背のスラリと高い竹野姫とか云ふ小ン便使が、小ン便歌を歌つてやつて来た。そいつは日が暮て泊るところがないものだから、自分から穴の中へコソコソとはいつて行きよつた。馬鹿な奴もありや有るもんだなア』
馬公『オイオイ、さう口穢く云ふな。御姉妹が居られるぞ』
牛公『アヽさうだつたなア。その竹野姫と云ふ小ン便使様が、雪が降つてお困りと見えて、穴の中へコツソリとお這入遊ばした。さうすると大気津姫様の手下の悪神様が、「サア御出なさつた」と待ち構へて居らつしやつて、外からピシヤリと戸を御しめ遊ばした。竹野姫さまは中から金切声を立ててキヤーキヤー御ぬかし遊ばした。外からは悪神様が「サア斯うなつたら百年目だ、底無き穴へ落つこちて、クタバリ遊ばすか、飢ゑて御死に遊ばすか、二つに一つだ。是で吾々の御心配もとれて、マアマア御安心だ」と仰有つて………』
馬公『コラコラ、叮嚀に云ふもよいが、余り叮嚀過ぎるぢやないか。竹野姫様の事を御叮嚀に御話してもよいが、悪神の方は好い加減に区別せぬかい』
牛公『そンな融通の利く位ならカチ割り大工をやつたり、ウラル教の目付役をしとるものかい』
時公『牛さん随分現金な男だなア』
牛公『長い物には捲かれ、強いものには従ひ、甘い汁は吸へ、苦い汁は擲かせと云ふ世の中、人間は時世時節に従ふのが徳だからなア』
時公『お前等は今初めて聞いたが、ウラル教の目付役だと云つたね』
牛公『イーエ、ソラ違ひます。ホンの一寸口が滑つたのでモー牛上ました』
時公『イヤ、さうだなからう』
牛公『左様々々、さうだなからう』
松代姫『皆さま、モウ寝ませうか、サア、是から神言を奏上して、宣伝歌を一同揃つて上げませう』
時公『それは宜敷からう。併し今日は私に考へがありますから、籤引をして一に当つた者から、発声する事にさして下さい』
松代姫『時さまの御随意に……』
時公『サアサア、これから籤引だ。御婦人方は免除だ。男七人が籤引だ。一番長い奴を引いた者が発声するのだ』
と云ひながら草蓑の端を千切つて長短をこしらへ、
時公『サア、引いたり引いたり』
と六人の前へ突き出した。六人は争つて是を引いた。
時公『ヤア、牛公が一番長いのを引いたぞ。サア牛公、お前から宣伝歌の発声だ。アレ丈け船の中でも教へてあるなり、途々聞かしてあるから云へるだらう』
牛公『ハイハイ、確に云へます。一遍聞いたら忘れぬと云ふ地獄耳だから、何でもかでも皆覚えて居る。ソンナラ皆様今日は私が導師だ。後から附いて来るのだよ』
と云ひ乍ら牛公は宣伝歌を歌ひ始めた。
牛公『神が表に現はれて  膳と茶碗を立て別ける
 この世で甘いは燗酒ぢや  心持よき大御酒ぢや
 唯何事も人の世は  酒と女が一ツちよい
 呑めよ騒げや一寸先や闇よ  闇の後には月が出る』
一同『アハヽヽヽヽ』
鴨公『コラ牛公、貴様は矢張ウラル教だ。一寸先や闇だなんて吐きやがつて、宣り直せ。膳と椀とを立て分けるとは何だ。法螺事ばつかり云ひやがつて』
牛公『定つた事よ、大気津姫の家来だもの、食ふ事と、呑む事と、着る事より外には何もないのだ。その癖食つたり呑んだりする口から出るのだもの、食ふ事や飲む事を云ふのは当り前だ。サア、鴨とやら、もう一口云ふなら云つて見い。徳利の口ぢや、一口にやられるぞ。土瓶の口ぢや、二口と云ふなら云つて見い』
時公『エー、仕様のない奴だ。こんな処で洒落どころか、仕様がない、発起人の俺が導師になつて、宣伝歌を唱へるから、お前達や随いて来るのだ』
と云ひつつ宣伝歌を歌ひ始めた。一同は其あとに随いて歌つて居る。この時幾百人とも知れぬ足音が岩窟の外に聞えて来た。牛公は岩戸の隙間より一寸覗いて、
牛公『ヤア、御出た、御出た、是れ丈味方があれば何程時公が強うても大丈夫だ』
と口走つた。時公は、
時公『これは大変』
と牛公に当て身を喰はした。牛はウンとその場で倒れた。足音は次第々々に遠ざかり行くのであつた。
(大正一一・三・三 旧二・五 岩田久太郎録)
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