三宣伝使は蚊取別に自己紹介し、挨拶を交わした。三兄弟の宣伝使は、豊の国の白瀬川の滝に潜む魔神を言向け和すために旅をしている、と蚊取別に旅の目的を告げた。
偶然にも、蚊取別も白瀬川の大瀑布の魔神を退治にやってきたことを知った。
蚊取別は、霊縛をかけた群集たちに宣伝しようと、固まっている初公に、宣伝歌を歌わせる。初公は、かつての大自在天の部下であった。そのため蚊取別の昔の悪行を覚えていて、それを宣伝歌に歌いこんだ。
初公は、町の者がかわいそうだから、悪の仮面をかぶって酋長や春公に強談判をしただけなのだ、と言い訳をする。そして、蚊取別の改心を信用せず、三五教の仮面をかぶって悪いことをしているのだろう、と逆に問いかける。
蚊取別は、初公が霊縛をかけられながらも歯に衣を着せぬ物言いをするので、逆に感心して霊縛を解く。
初公は、他の者の霊縛も解くように懇願する。蚊取別は、神様の力で鎮魂ができるのだと諭し、初公に神様の機械になってやってみろ、と促す。
初公は不安の念にかられながらも、惟神霊幸倍坐世を二回唱えて人々に鎮魂術をかけると、一同は元の姿に戻った。人々は涙を流して宣伝使一同に感謝を現した。
初公は、酋長が自分を逮捕しに来ることを心配している。蚊取別は初公に、酋長や春公を言向け和しておいて、白瀬川の魔神退治に一緒に出かけよう、と誘う。
蚊取別はその場の村人一同に教えを諭し、四人の宣伝使は初公を伴って、酋長の館を指して進んでいった。