須佐之男命は根の堅洲国に行く前に、姉神である天照大御神にいとまごいを告げに高天原にやってきた。これは大事件であるというので、国内が大騒ぎになった。
天照大御神はこの騒ぎを聞いて、弟神に何か悪い心があって高天原にやってくるのではないか、と疑いの心を持った。そこで、戦闘の準備をして荒々しく弟神を迎えた。ちょうど、今日の新聞が、大本を疑ってかかるような状態である。
そこで須佐之男命は姉神に弁解をされたが、姉神は証拠を見せろと仰せになる。そこで、御子生みの誓約をすることになった。
須佐之男命の剣から生まれたのは、多紀理姫命、市寸嶋比売命、多気津姫命の三女神であった。それぞれ尚武勇健、稜威直進、正義純直という言霊学上の解釈になる。これが瑞霊の霊性である。
須佐之男命の武器からは従順な女神がお生まれになった。
一方、天照大御神の鏡からは、猛々しい五柱の男神がお生まれになった。これによって、天照大御神は変性男子、須佐之男命は変性女子である御魂が立て別けられたのである。
須佐之男命には悪い心がなかったことが明らかになった。つまり誓約には勝ったのだが、須佐之男命に従う者らはこの結果に増長し、さまざまな乱暴を行い始めた。
天照大御神は、弟神がこのような乱暴を行うはずがないとして静観していた。しかし機織り(世界経綸)をしているときに、馬の皮を上から落とされて邪魔をされた。またそれで機織り女が死んでしまうという事件が起きた。