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文献名1霊界物語 第13巻 如意宝珠 子の巻
文献名2前付よみ(新仮名遣い)
文献名3総説よみ(新仮名遣い)そうせつ
著者出口王仁三郎
概要
備考第13巻総説は、『神霊界』大正10年(1921年)1月号p334「八面六峰」(著者名は「王仁」)内の「日本の光明」「皇道大本十曜神旗の由来」「霊力体」を再録したもの。「天岩戸」「鎮魂」「富士山」は第13巻第1章「言霊開」に再録してある。
タグ データ凡例 データ最終更新日2024-06-01 15:20:51
あらすじ天孫降臨以来、幾万年を経た今、ふたたび吾が同胞に大希望の光明が身魂に充満している。顧みれば天地初発のとき、大地球がまだ凝固していなかったので、天神は国祖に対して、ただよえる国を造り固めよ、とお命じになった。我が祖先はこの神勅を奉じて、世界の中心として我が神国を修理固成された。それ以来日本民族は、神勅を奉じて祖先の志を継ぎ、天の下四方の国を平らけく治めようと、静かにこの神洲に修養しながら幾万年もの年を重ねた。今ようやく、その潜在力を蓄積しつつある。東洋文化を吸収し、西洋文明をも集めつつある。吾等神洲の神民は、世界文化の粋を一身に集めてこれを消化し精錬し、天祖の遺訓と父母祖先の志を発揮し、もって世界的文明の建設という大業を為すべき、一大天職を担っているのである。過去の歴史と現在の趨勢を考えると、建国の一大精神が世界人類のために建設されたことを知るに至るのである。大正の御代の現在は、このような大いなる意義を持つ時代なのである。私は大本開祖の御神訓である、「お照らしは一体、一つの王で治める、日本は神国であり神が出て働く、日本の人民用意をされよ」という活きた教えを遵奉し、またこの天啓が現代の民心にますます欠くことができないものであることを、深く信じるものである。(一)神旗の由来十曜の神旗は、日本の国体をあまねく世に知らしめ、日本魂の根本を培養するために、開祖が開教の主旨に基づいて考案したものである。上古天照大神が岩戸にお隠れになったとき、天宇受売命が歌い給える天の数歌に則っている。第一球は正上に位し、宇宙の大本である混沌鶏子の色となす。第二球は白色。第三球は黒色。ここまでは、宇宙の実相である真如を開発して、陰陽二元になる形を造ったものである。そして、二元が感合して森羅万象を生じることから、四から十までを七元色に分別して、日月火水木金土の七曜に配し、すべての球を神統に配して、国体の真相を知らしめようとするものである。色別神旗十曜の色別は、光学上の色の別である。正上の第一球を卵色としたのは、天地が未剖の前の混沌とした鶏子の色を採り、宇宙開発以前の真如を形造ったものである。光学上の卵色とは、各色の光線が一様に集まって何色とも分別しがたいように、宇宙の真象が万有の終始をなし、統一を保有するをもって、このように定めたのである。また、第二球を白色、第三球を黒色としたのは、天地剖判にあたって太極が動いて陰陽が生じた形を造ったのである。二元が相交わって、下の七元色から無数の色が生じるのは、森羅万象が生じるごとくである。以下の七元色は、順序の説明による。万有が生滅変化やまざる無いがごとくである。すべての色の本は、黒白の二色であり、二色を統一するのは卵色である。数別数別は、天の数歌に則っている。天の数歌は、天之宇受売命に始まる。後世は鎮魂祭にて猿女君が歌って天皇の長寿を祈ったものである。『ひと』は霊妙にして活気の最たるものである。『ふた』は宇宙の本体が霊機の力によって初めて開発されることを言う。『み』は物体である。三大要素が『世』になる。『出つ』と数える。動物植物が『萌ゆ』。万有が『生成』、『弥』、『凝る』そして人生の事『足る』。このように、日本語の基数は天地開闢・人生肇出の沿革を語ったものである。天の数歌に則ったのも、知らず知らずのうちに宇宙進化の理法により、国の始めの精神、立教の主旨をあまねく世人に教えようというものである。神統別神別について略解する。宇宙の本体を人格化して、天之御中主神と称し奉る。宇宙の活動力を人格化して高皇産霊、神皇産霊の神と称し奉る。混沌たる無始において、三神が造化の首を為す。二神は夫婦の道を開き、国土山川を生み、日月星辰を生み、風雨寒暑、草木、動物、人類を生み給うた。こうして、我が国の始めにあたり、天神は長く統を垂れ給い、連綿として今日に至るのである。日本国民はこの深厚なる神徳によって陛下の民として生まれ、陛下は吾らが宗家の嫡子にまします。今上にましまして吾ら下を治め給う。これは吾ら大祖先が無始より吾らを愛護したまうものなのである。そのことに報いるためには、まず忠君愛国であることを信仰することで、天賦の職責を果たし人生の面目を達する。そうして宇宙造化の功に資するのは、人生最大の幸福である。私は悠々たる天地の間に、これをもって生き、また死し、ここに住して安心立命し、この境に入って天国楽園の真の楽を稟ける。大本が十曜を神旗と定めたのは、実にこの精神に基づいたものなのである。正上の第一球を一とし、正中の一大球を十としたのも、大本の神旗であるから、大本皇大神を正中に配したのである。(二)霊力体神徳が広大無辺であることは、人間の知恵でよくうかがい知ることができないものである。しかし私は静かに天地万有が燦然として秩序あることを観察し、また活物の状態を仔細に観察して、明らかに宇宙の霊力体の運気妙用を知るに至り、神がこの世に厳として臨み給うこと、疑いの余地がないまでに至った。天帝は唯一神にして、天之御中主神と称す。宇宙の神光を高皇産霊神といい、神温を神皇産霊神という。天帝は宇宙万有の大元霊であり、幽之幽にまします。視ること語ることのできない隠身である。神光は天帝の光であり、神温は天帝の温である。共に造化生成の妙機にして、独立不羈の神徳なのである。天帝は無始無終である。無始無終の力と体をもって、万物を造る。天帝は勇・親・愛・智をもって魂となした。また動・静・解・凝・引・弛・分・合をもって力となした。剛・柔・流をもって体となした。全霊全霊は、荒魂は神の勇、和魂は神の親、奇魂は神の智、幸魂は神の愛である。直霊というものが、これを主宰している。俗学不識の輩は、荒・和を心の体とし、奇・幸を心の用としているが、直霊を知らない。悲しいことである。全体剛・柔・流の三つが、上帝の全体である。流体を生魂と唱え、葦芽彦遅と称す。剛体を玉留魂と唱え、常立と称す。柔体を足魂と唱え、豊雲野と称す。剛体は鉱物の本質、柔体は植物の本質、流体は動物の本質である。全力動、静、解、凝、引、弛、分、合の八力を、上帝の全力と称す。神典では、動力を大戸地、静力を大戸辺、解力を宇比地根、凝力を須比地根、引力を活久比、弛力を角久比、合力を面足、分力を惶根と言う。皆、日本各祖の所名である。全智全能之真神霊、力、体が合一したものを上帝という。真神というも、上帝というも、みな天之御中主大神の別称である。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年03月16日(旧02月18日) 口述場所 筆録者藤津久子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年10月30日 愛善世界社版3頁 八幡書店版第3輯 30頁 修補版 校定版3頁 普及版1頁 初版 ページ備考
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本文  瑞祥東海の天に靉靆き、金烏皇国の神園に輝く。天孫降臨以来茲に幾万の星霜を数へ大希望と大光明とは、実に六千万同胞の身魂に充満せり。顧みれば天地初発の時、大地球の未だ凝固せざるに当り、天神まづ我国祖に世界肇国の大任を命じて曰く
 『此ただよへる地球を修理固成せよ』
と。我祖先神勅を奉じて先づ世界の中心として、我神国を修理固成せられたり。茲に於て乎万国成る。由来日本民族は神勅を奉じ以て祖先の志を継ぎ、天の下四方の国を安国と平けく治めむと、静に神洲の仙園に修養年を重ぬること幾万歳、漸く其潜勢力を蓄積し、曩には東洋文化の精を吸収し尽し、今また泰西文明を集めたり。
 吾等神洲の神民は、実に世界文化の精粋を一身に集めて、之を消化し之を精錬し、徐に天祖の遺訓及び父母祖先の志を発揮し、以て世界的文明建設の大業を為すべき一大天職を荷へり。見よ東太平洋を隔てて亜米利加に対し、北支露を通じて欧羅巴の諸列強に連なる。世界海陸交通の軌道は、日々我神洲に向つて万邦の之に朝宗するものの如し。嗚呼日本国民たる者、過去の歴史に稽へ、又現在の趨勢に微しなば、建国の一大精神が世界人類のために建設せられたるを知るに足らむ。されば現今の世は、正に国民が祖先の大理想を実行する第一歩のみ。斯る大意義を有する大正の聖代に当りては予め大に用意する所なかる可からず、吾人は大本開祖の神訓なる
『お照しは一体、七王も八王も王があれば、世界に苦説が絶えぬから、一つの王で治めるぞよ。日本は神国、神が出て働くぞよ。日本の人民用意をなされよ』
 この活教を遵奉すると共に、天啓の益々現代民心に必要欠く可からざるを深く信ずる次第なり。

      (一)神旗の由来

 大本十曜神旗の義は、専ら日本の国体を晋く世に知らしめ、日本魂の根本を培養せむが為に、開祖開教の趣旨に則りて考案せしものにして、上古天照大御神が天の岩戸に隠れ給へる際、天之宇受売命が歌ひ給へる天の数歌に則りしものなり。則ち一より十に至る十球より組織して十曜の神旗と称するなり。
●第一球は正上に位し宇宙の大本たる渾沌雞子の色となし、
●第二球は白色とし、
●第三球は黒色を以て、宇宙の実相たる真如を開発して、陰陽二元となれるに形造りしものなり。而して、二元感合して、森羅万象を生ずるの理由より、四より十までを七元色に分別して日月火水木金土の七曜に配し、なほ全球を神統に配し奉りて、我国体の真相を知らしめむとするものなり。
仮りに十球の配別を色別、数別、神統別にて記せば、
[#図 十球の配別]
   ●色別

 神旗十曜の色別は、光学上より色別したるものにして、正上の第一球を卵色と為したるは、天地未剖の前に於ける混沌たる鶏子の色を採り、以て宇宙開発前の一元真如を形造りしもの也。恰も光学上に於ける卵色が各色の光線一様に集まりて物体に吸収されたる時に生ずる色にして何色とも分明せざるは、なほ宇宙真象が万有の終始を為し、統一を保有せるを以て、如此定めたるなり。また第二球を白色第三球を黒色と為したるは、天地剖判の始期、大極動きて陰陽を生じたるに形造りしものにして、恰も光線が全く物体に吸収せられずして反射する時は白色を生じ、反対に全く吸収せらるる時は黒色を生じ二元相交はりて下の七元色より無数の色を生ずるに至るは、なほ陰陽其性全く相反して而も親しく交はる時は森羅万象を生ずるが如きものあるを以て之を執り斯く定めたり。以下の七元色は順序上の説明に依りたるものにして、光線の反射さるる事多ければ多きだけ則ち、白、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、黒となり、吸収さるること多ければ多きだけ即ち漸次、黒、紫、藍、青、緑、黄、橙、赤、白に還る、なほ万有の生滅変化息ざるに同じ。而して万色の本は黒白の二色にして、二色を統一するものは卵色なり。これ十曜色別の理由とする所なり。

   ●数別

 数別は天の数歌に則れるものなり。天の数歌は天之宇受売命に始まり、後世に到りては鎮魂祭の際に、猿女の君に擬したる巫女が受気槽を伏せて、其上に立ち鉾を槽に衝立て此歌を謡ひ、以て天皇の御寿命長久を祈りしものなり。国語にて霊妙なることを『ひ』と云ひ、『と』は敏捷なる活気鋭きを云ふ。宇宙の本体は霊妙にして活気の最たるもの、故に之れを『ひと』と云ひ一と数ふ。本体の霊妙活気を他より之を見れば『力』なり。力に依つて変化す『ふ』は浮出沸騰の義『た』は漂ひ動くの義あり、則ち『ふた』は宇宙の本体霊機の力に依りて始めて開発す、故に之を二となす。本体活動して霊機の凝固するもの之れ物体なり。物体は『み』なり、また実なり、充るの意あり、これを三となす。この霊力体なる三大要素ありて始めて爰に世(四)、出(五)と数ふ、動物植物蔚然として萌るを(六)と数へ、万有生成(七)弥(八)凝りて(九)人世の事足(十)と本歌の意義を以て十曜の神旗を作成したるもの也。
 我国語に於ける基数は、天地開闢人世肇出の沿革を語るものなれば、大本が此十曜を組成して神旗と為し、この天の数歌に則りしも不知不識の間に宇宙進化の理法より肇国の精神立教の主旨を晋く世人に教へむが為なり。

   ●神統別

 神別に就て略解せむに、先づ宇宙の本体之を人格化して、天之御中主神と称し奉る。宇宙の活動力之を人格化して高皇産霊、神皇産霊の神と称し奉る。渾沌たる無始の始めに於て三神造化の首を為し、二神夫婦の道を開き給ひて、国土山川を生み、日月星辰を生み、風雨寒暑を生み草木、動物、人類を生み給へり。かくて我肇国の始めに当つて、天神長く統を垂れ給ひ、連綿として今日に及べるなり。然れば
 明治天皇の大勅語に
『皇祖皇宗国を肇むる事宏遠に徳を樹つる事深厚なり』
と宣ひし所以なり。吾人日本国民は此深厚なる神徳に依つて、陛下の民と生れ、陛下は吾等が宗家の嫡子に坐し、今上に在して、下は吾等を治め給ふは、吾等の大祖先が無始際より延長して吾等を愛護し給ふものにして、吾等が報本反始の誠を尽すは、一に忠君愛国に在る事を信仰し、以て天賦の職責を全うし、人生本来の面目を達し、宇宙造化の功に資し奉るを得るは、実に無上無比の至大幸福と謂ふべし。吾人は悠々たる天地の間之を以て生き、之を以て死し、此に住して安心立命し、此境に入りて天国楽園の真楽を稟く。大本が十曜を組成して神旗と定めたるは、実にこの精神に基きしものなり。正上の第一球を一と為し正中の一大球を十と為したるも、大本の神旗なる故に大本皇大神を正中に配したる所以なり。

      (二)霊力体

 神徳の広大無辺なる、人心小智の能く窺知すべき所にあらず。然りと雖も、吾人静に天地万有の燦然として、次序あるを観察し、また活物の状態に付て仔細に視察するに於て明かに宇宙の霊力体の運用妙機を覚知し以て神の斯世に厳臨し玉ふこと、疑を容るの余地無きに至らしむ。
 神の黙示は則ち吾俯仰観察する宇宙の霊、力、体の三大を以てす。
 一、天地の真象を観察して真神の体を思考す可し。
 一、万有の運化の亳差無きを視て真神の力を思考すべし。
 一、活物の心性を覚悟して真神の霊魂を思考すべし。
 以上の活経典あり。真神の真神たる故由を知る。何故人為の書巻を学習するを用ゐむや。唯不変不易たる真鑑実理ある而己。
 天帝は唯一真神にして天の御中主神と称す。宇宙の神光を高皇産霊と曰ひ、神温を神皇産霊と曰ふ。古事記に曰く
『天地初発之時、於高天原成坐神名、天御中主神、次高皇産巣日神、次神皇産巣日神、此三柱神者並独神成坐而、隠身也』
 天帝は宇宙万有の大元霊にして幽之幽に坐し、聖眼視る能はず賢口語る能はざる隠身たり。また神光はいはゆる天帝の色にして神温は即ち天帝の温なり。共に造化生成の妙機にして独立不倚の神徳なり。
 神は宇宙万有の外に有り、万有の中に在り、故に之を宇宙の大精神と謂ふ。
 大精神の体たるや至大無外、至小無内、若無所在、若無不所在なり。聖眼之を視る能はず、賢口之を語る能はず。故に皇典にいはゆる隠身也は即ち神の義なり。宜なるかなその霊々妙々の神機。天帝は無始無終なり、既に無始無終の力と無始無終の体とを以て無始無終の万物を造る。その功また無始無終なり。
 天帝は勇、智、愛、親を以て魂となし、動、静、解、凝、引、弛、分、合を以て力となし、剛、柔、流を以て体を為す。

   ●全霊

 全霊は荒魂、和魂、奇魂、幸魂、の四魂也。而して荒魂は神勇、和魂は神親、奇魂は神智、幸魂は神愛なり。乃ち所謂霊魂にして、直霊なるもの之を主宰す。俗学不識荒和を以て心の体となし奇幸を以て心の用となし、直霊の何物たるを知らず、豈悲しまざる可けむ哉。

   ●全体

 剛、柔、流の三物是れ上帝の全体なり。而して流体を生魂と唱へ葦芽彦遅と称し、剛体を玉留魂と唱へ常立と称し、柔体を足魂と唱へ、豊雲野と称す。
 剛体は鉱物の本質なり、柔体は植物の本質なり、流体は動物の本質なり。
 スピノーザ曰く、本質とは独立して依倚する所なきものの謂なり。更に之を言へば本質とは吾人之を理会するに於て一も他の物と比照するを須ひざるもの是なりと、至言と謂ふべし。

   全体の図解
[#図 全体の図解]
   ●全力

 動、静、解、凝、引、弛、分、合以上八力これを上帝の全力と称す。而して神典にては動力を大戸地と謂ひ、静力を大戸辺と謂ひ、解力を宇比地根と謂ひ、凝力を須比地根と謂ひ、引力を活久比と謂ひ、弛力を角久比と謂ひ、合力を面足と謂ひ、分力を惶根と謂ふ。皆日本各祖の所名なり。

   全力の図解
[#図 全力の図解]
 霊、力、体合一したるを上帝と曰ふ。真神と謂ふも上帝と曰ふも皆天之御中主大神の別称なり、左図を見て知る可し。

   全智全能乃真神
[#図 全知全能乃真神]
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